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円安の今行くならベトナムの雄大な自然と歴史を堪能できる【ニンビン】がオススメ!マップ付き旅レポ

  • 2025.10.23

ここ数年、海外旅行する日本人は減少の一途をたどっているそう。その大きな原因は、やはり円安。アメリカやヨーロッパはまだしも、これまでは比較的リーズナブルだった東南アジアでも円安を感じることが多くなっています。旅好きにはなんとも悩ましい状況になっていますが、こんなご時世でも旅を存分に楽しめると、人気が急上昇している国があります。
 
それがベトナムです。筆者も大好きな国で、かれこれ10回以上も遊びに行っています。野菜やハーブをたっぷり使ったベトナム料理は本当においしいですし、伝統と現在が絶妙に交差する独特な文化も面白い! 5つ星ホテルでも比較的リーズナブルに泊まることができますし、日本からも近く短い滞在でも満足できる、まさに忙しい女性にぴったりの国なんです。
 
というわけで伺ったのは、ベトナムの首都であるハノイから車で約2時間にあるニンビン。ここでは「陸のハロン湾」とも呼ばれ、詩情あふれる自然の風景や1,000年の歴史を持つ文化遺産を楽しむことができるんです。さらに日本では味わえないアクティビティがかなり充実しているのも見逃せないところ。オススメのスポットからニンビンの絶品グルメ、歩いているだけで楽しいナイトマーケットなどをご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね!

※2025年9月訪問時のレートは、「1,000ドン=6円」。ドンの計算方法は、下の桁の「0」を3つ取って6をかけるとわかりやすいですよ!

正門をはじめとする建物の多くは、中国文化を受け継いでいるそう

ベトナムの歴史がはじまった場所。神聖な空気が流れる「古都ホアルー」へ

ベトナム・ニンビン省にある「古都ホアルー」は、かつてベトナムの初期王朝の首都として栄えた場所で、その都が作られたのは968年のこと。もちろんそれ以前からベトナムは存在していましたが、中国の支配下にあったそうです。正確には北ベトナムですが、1010年にタンロン(現ハノイ)に遷都するまでの首都として政治経済の中心になっていました。
 
2014年にユネスコ世界遺産に登録された「チャンアンの景観複合体」の1つで、初代皇帝と2代目皇帝の祠(ほこら)や古い城壁などの遺跡が数多く残されています。また、かつて中国の支配下であったことがわかる建物もあり、ベトナムの本当の歴史を知ることができる、なんとも興味深いスポットなのです。

ちょうど草を燃やしていたらしく、全体にモヤがかかって幻想的な雰囲気に

国家のはじまりの象徴でもあるからか、意外とベトナムの観光客が多いという印象を受けました。初代皇帝と2代目皇帝の祠の前では熱心にお祈りしていたり。彼らはいつの時代もベトナム国民の誇りであり英雄であることがわかりました。
 
「古都ホアルー」は想像以上にクラシックな建物が多かったですが、派手さがないのが逆に心地よかったです。周辺は自然も豊かですし、ベトナムの歴史と文化の根源をたどることができるので、ニンビンに訪れたらマストで足を運びたいところ。

祠を前に熱心に祈りを捧げるベトナムの方

祠の一番奥には、初代皇帝ディン・ティエン・ホアンの像が祀られています

日本の神社の入り口に置かれている狛犬のような置き物もありました。丸っこいフォルムがなんだかかわいい♡

ボート乗り場から次々とボートが出発していきます

まるでジャングルクルーズ!? 世界遺産の「チャンアン」を手漕ぎボートで探検

「古都ホアルー」同様、「チャンアンの景観複合体」の1つである「チャンアン」。ここで体験したいのはボートクルーズです。数億年前の地殻変動による山や洞窟などの配置がかなり独特で、まるで迷路のように複雑なコースを進んでいきます。これを手漕ぎの小型ボートで、ゆったり堪能できるなんて期待でしかない!
 
クルーズは3つのコースがあり、筆者は4つの洞窟を巡るルート02をチョイス。時間は1時間30分〜2時間で、料金は250,000ドン(日本円で約1,500円)になります。手漕ぎのボートなのにかなりリーズナブルですよね。ちなみに船頭さんは普段は農業をやっている方たちで、下船時のチップは必須。1人100,000ドン(日本円で約600円)が相場のようです。
 
万が一に備えて救命胴衣を装着したら、いざ出発! この日はめちゃくちゃ天気がよかったので、水面もキラキラと美しかったのですが、Tシャツ×ショートパンツだった筆者はかなり焼けてしまいました(泣)。絶対に焼けたくない方は、万全の日焼け対策をして臨むのがベストです。

1つ目の洞窟。ここは短かったのですが、それでもかなり迫力がありました! ちなみにチャンアン洞窟には、50近くの洞窟があるそう

さらにしゃがまないと通れない高さの洞窟もあったり、本当に冒険に行っているようでめちゃくちゃテンションが上がりました!

このクルーズの見どころは洞窟に加えて、そびえ立つ巨大な奇岩に囲まれた美しい景観。手漕ぎだとそれらをゆっくり楽しむことができるのもいいですよね。クルーズ中はすごく静かですし、かつ穏やかな時間が流れているので心からリラックスできると思います。
 

圧倒的に美しい景色を楽しんでいたら、あっという間に終了。いや〜、さすが世界遺産ですね! 「チャンアン」でしか味わうことができない、まるで秘境のような風景は一見の価値アリ。ここもニンビン旅で外せないスポットです!

圧巻の景色に感動! 本当にのんびりとした時間が流れていて、こういった余白って大切! と改めて思いました

筆者のボートの船頭さん。素敵なクルーズをありがとうございました!

めちゃめちゃ急な階段に、速攻で心が折れそうになりました(笑)

想像以上に過酷! 頂上からニンビンの絶景パノラマビューを拝める「ムア洞窟」

ニンビン省のタムコック地域にあるムア洞窟。ここは”ベトナムの万里の長城”とも呼ばれている絶景スポットで、約500段の階段を登るハイキングコースがあるんです。最近はトレーニングをサボっていたので、「いい運動になりそう! 」と気楽にとらえていましたが……、それはそれは過酷なものになりました。
 
上の画像を見てわかる通り傾斜がかなり急で、大げさにいうとロッククライミングのよう。なので、ビーチサンダルやパンプスは絶対に避けたほうがいいです。筆者もクッション性に優れたスニーカーで挑みました。で、スタート時はすいすいと階段を登れたのですが、1/3を過ぎたころには足がずっしり重くなり、日頃の運動不足も相まってひどい息切れ状態に。それでも足を止めたら登れなくなると思い、半分まで頑張りましたが、尋常じゃない汗と呼吸の浅さに異常を感じてギブアップすることに(泣)。

マジで過酷です。周囲を見る限り、余裕で登っている人はいなかった気がします

一心不乱に下山して、大量に水を摂取したのですが(ずっと脱水症だと思っていたんです)、体調は戻らず。しまいには過呼吸のような症状も始まってしまい、近くにあったカフェでビニール袋をもらいました。今までに味わったことのないやばい症状に最悪の事態も考えましたが、そのカフェに訪れていたフランス人カップルが声をかけてくれて事態は一変。私の症状が低血糖であることに気づいてくれて、砂糖を丸呑みして復活できたんです。しつこいくらい「Merci beaucoup」と感謝を伝えました。だって、フランス人カップルがいなかったら、病院送りになっていた可能性もありましたから。
 
というわけで、ここからは頂上まで登った方からいただいた絶景をご紹介。がんばったらこんな素敵な景色が楽しめたなんて、次はブドウ糖たっぷりのラムネ持参で再挑戦したいと思います! みなさんも「私は大丈夫♡ 」と自分の体力を過信せず、もしものために糖分持参で登るのを強く推奨いたします。

筆者がギブアップしたのが、画像の踊り場付近です。ここで道が右手と左手に分かれます。確か右が過酷で、左が比較的楽なルートでした

右側の頂上から撮影。こんな断崖絶壁に階段を作ったことにも驚かされます

メインの展望台には龍のモニュメントもあったそう。みんな触っていますが、触るとご利益があるのかしら!?

展望台に登る前に蓮の池があるのですが、そこに通っている道を上から見ると蓮になっていたんですね。これも登れた者のみが楽しめる絶景です

ちなみに蓮の池がこちら。残念ながらお花は咲いていなかったですが、葉っぱだけでもすごくキレイでした!

ホテル周辺の自然もかなり豊かです

ニンビンの拠点に最適なリゾートホテル「EMERALDA RESORT TAM COC」

ハノイから日帰りで行く人も多いですが、ニンビンを存分に楽しむなら最低でも1泊するのが◎。その拠点として便利だったのが、今回泊まったホテル「EMERALDA RESORT TAM COC」。タム・コックのボートツアー乗船場に隣接していて、ニンビン観光の中心に位置しています。
 
「EMERALDA RESORT TAM COC」はゴードン川の小さな島にあるリゾートホテルで、屋外プールやスパ、バーなども完備。ベトナムの伝統的な家屋をモチーフにした建物はすごくエキゾチックで、海外旅行ならではの非日常を味わうことができます。ホテル周辺もみどころはいろいろあるので、2泊3日などで訪れて、1日はホテルでゆっくりと過ごすのもオススメですよ。

日本とは一線を画す、ベトナムらしい建物のデザインも目を惹きます

ニンビンの雄大な自然を拝みながらプールに入れるなんて素敵♡

ベトナムを感じるクラシックなベッドルーム

宿泊したスーペリア ダブルルームは36平米もあり、1人で使うのはもったいない広さ。インテリアはシックなウッドでまとめられていたので、初めて訪れた場所とは思えないほどリラックスしたひとときを過ごすことができました。あと、びっくりしたのはバスルーム。筆者が初めてひとり暮らしをした1Kの部屋よりも広く感じました(笑)。テラスも完備していたので、部屋時間も充実しそう!

ほんと、バスルームはここで暮らせるくらい広いです。ウッド製のバスタブに加えて、独立したシャワールームも完備

ヤギを使った郷土料理や絶品ピザは必食!ニンビンでオススメのレストランはこちら!

「Spice Garden Tamcoc」

オリエンタルなエントランスが印象的。画像の左側にあったテラス席も気持ちよさそうでしたよ

ベトナム料理とヨーロッパ料理を楽しめる「Spice Garden Tamcoc」。ここの名物が地元のヤギ肉を使ったメニュー。ヤギ肉は臭いという前情報があったのでかなり不安でしたが、炭火焼きもカレー炒めも想像以上においしかったです。ちなみにニンビンのヤギは石灰岩の山を自由に動きまわり、野生のハーブを食べているため、お肉が柔らかく風味も豊かだそう。ヤギ料理はニンビンの郷土料理でもあるそうなので、ぜひ試してみて!

ザボンとエビのサラダやハロン湾風イカのすり身揚げともち米、エビの揚げ春巻きも絶品でした!

ベトナムモダンな店内も非常に洒落ていました!

「CHOOKIE'S BEER GARDEN」

店内の中央にはプールが! 開放的な雰囲気をさらに盛り上げてしました

ベトナム料理にちょっと飽きたら、「CHOOKIE’S BEER GARDEN」へ。ここはベトナムのクラフトビールが飲めるお店で、ビール好きならマストで押さえたいところ。というのも最近のベトナムは空前のクラフトビールブームらしく、かなり力を入れているようなんです。もちろんカクテルやワイン、ソフトドリンクのメニューも充実しているのでご安心を。
 
どれも本当に絶品だったのですが、特に気に入ったのがピザ。特製のピザ窯で焼いたもっちもちの生地はクセになるおいしさ♡ あとタコスもよかったし、ハンバーガーのパテもジューシーで最高でした!

ベトナム料理は大好きなんですが、なぜかこういった料理をはさみたくなるんですよね。クラフトビールとの相性もバッチリなはず!

低血糖を起こした後だったのでビールは我慢。パッション&ミントのソーダに。さっぱりとしたお味でめちゃおいしかったです!

メイン通りの交通量も少なく、観光地でありながらとってものどかです

のんびりとした時間が流れるニンビン。ホテル周辺を散策

空き時間ができたので、ずっと気になっていたホテル周辺を散策。13時過ぎということもあって猛烈な暑さでしたが、日本の猛暑に耐性がついていたので意外と平気でした(笑)。が、喉はカラカラだったので、屋台でアイスコーヒー(25,000ドン=日本円で約150円)を購入。筆者はベトナム名物の氷入りのビールも大丈夫なクチですが、アイスコーヒーはもちろん氷入りなので、お腹が弱い方は楽しく旅するために控えておきましょう。ちなみに味は酸味の少ない濃いめのブラックで、氷が溶けてきてちょうどいい感じになります。甘いのが好きな人はコンデンスミルク入り(40,000ドン=日本円で約240円)がオススメ!
 
街自体はかなりコンパクトな印象ですが、ニンビンはアクティビティが中心になるのでこのくらいがちょうどイイかも。滞在中の飲み物や食べ物を買うのに重宝する小さなスーパーもそこかしこにありますし、レストランもいろいろある申し分のない環境。旅に癒やしも求めている人にはぴったりのスポットだと思います。

筆者がアイスコーヒーを買った屋台がこちら。すごくキュートなお姉さんが淹れてくれました!

街角ではお母さんたちがカードゲームに夢中になっていました

街に数軒あるスーパーには、ベトナムではよく見かけるおみやげも売っていました。ハノイよりリーズナブルだと思うので、定番おみやげはニンビンで買うとイイかも!

ショップの入り口がこちら。1階はスーパーになっています

ニンビンの街はレストランやスーパーが多い印象でしたが、1軒だけ気になる古着屋を発見! それが「Thrift Shop」なのですが、このショップ、なんと全品130,000ドン(日本円で約780円)なんです。ザッと見た感じはイマイチだったのですが、「もしかしたら掘り出しモノがあるかも! 」と火がついて一気に買い物モードに。
 
で、発見したのが下のブルゾンです。ブランドはよくわからないですが、デザインとサイズ感がよくないですか!? 微妙に透け感があるのもポイントで、ジャケットのインナーとかに使えるかも! ということで購入してみました。意外と掘り出しモノもあるかもなので、時間に余裕があったらぜひ立ち寄ってみてください。

フロントのマークと袖のラインと相まってレトロな雰囲気。ちょっとダサい感じ(※ホメてます! )も気に入っています!

「ホアルー古都ナイトマーケット」は川沿いにさまざまなレストランが軒を連ねています

縁日みたいで楽しい!川沿いにある「ホアルー古都ナイトマーケット」へ

せっかくベトナムに訪れたら、やっぱりナイトマーケットは行きたいですよね。ホーチミンやハノイに比べると規模は小さいですが、ニンビンでも「ホアルー古都ナイトマーケット」が開催されています。ランタンが灯って風情ある雰囲気を楽しめるのが最大の魅力で、川沿いでさまざまなベトナム料理を楽しめるスポットになっています。わりと新しいナイトマーケットなので、全体的にすごくキレイなのも特筆すべきところ。
 
ここは買い物というより、完全に食に走るのがベストかと。レストランの数も多いですし、夜風が気持ちいい川沿いで食べられるのも◎。ココナッツジュースやコーヒーを楽しんでいる人もいたので、食後のお茶に訪れるのもオススメ!

ライトアップされた寺院もありました。ここ数年で建てられたそうですが、ナイトマーケットのシンボル的存在になっています

ランタンが灯された川沿いで食事を楽しめるのも、「ホアルー古都ナイトマーケット」ならでは

ベトナムのバーベキューが楽しめるレストランは、好きなのを選んで焼いてもらうシステム。日本では見たことがない串などもあって非常に気になりましたが、夕食後で腹パンだったので断念

見るからにおいそうなソーセージは、ぜひビールのアテに!

このナイトマーケットは縁日のようなゾーンもあり、日本のキャラクターも多く見かけました(苦笑)

ベトナム国旗のうちわ。キャッチーなデザイン&配色がカワイイ♡

初のニンビンだったのですが、想像以上によかったです。ハノイやホーチミン、ダナンといった人気の観光地とはひと味違うゆったりとした時間が流れていて、なんだかリラックスできる。日本では忙しい毎日を送っている大人にこそオススメしたい素敵な街でした! ハノイに行く際は、ぜひニンビンにも立ち寄ってみてくださいね!

text:KYOKO CHIKAMA

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