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組織のピラミッドは下から腐り始める…デキる上司が部下に「厳しい評価」を伝えるときに使う神フレーズ

  • 2025.10.21

部下に厳しい人事評価を伝える時にはどのように伝えるべきなのか。編集者の藤吉豊さん、小川真理子さんが書いた『「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)から紹介しよう――。

部下を評価する

Point「評価でチームを育てる」
1 公平性と透明性をもって評価する
2 評価の伝え方で部下のやる気と成長を促す
3 部下一人ひとりをしっかり見て評価する

リーダーが評価にどう向き合うかによって、チームの信頼と成長の方向性は大きく変わります。

評価は、部下の未来を左右するリーダーの大切な仕事です。信頼を育て、成長を促すためには、公平性・透明性・判断力を備えた“評価軸” が欠かせません。

評価の種類や重視するポイントは組織によって異なります。おもなものとして次の3種類があります。


評価の種類

①業績評価(成果評価)
売上や達成度などの結果を評価する。
②能力評価
問題解決力やリーダーシップ・専門性などのスキルや知識を評価する。
③情意じょうい評価(態度・姿勢)
責任感・協調性・勤怠・チャレンジ意欲など仕事への姿勢を評価する。

評価をする目的は、

● 業績改善
● 動機づけ
● 業績に報いる
● 仕事の査定
● 昇給の妥当性を裏づける

などです。

評価はリーダーを悩ませる仕事のひとつです。

「人を見て、差をつける行為」であるため、人間関係に影響を及ぼし、部下のやる気にも影響します。また、部下の昇進・異動・報酬・キャリア形成のすべてに直結します。

100冊のリーダー本には、評価する際に意識したい3つの視点が書かれていました。

丸数字の1、2、3
※写真はイメージです
評価は「正直に、オープンに、公平に」

評価する際の3つの視点
(1)判断の公平性
(2)評価の伝え方
(3)評価の基本姿勢

ここからは、この3つの視点を順番に見ていきます。

1 公平性と透明性をもって評価する

スタンフォード大学の心理学者、スティーヴン・マーフィ重松さんは、次のように述べています。

「大切なのは、リーダーはオーセンティックを貫くこと。すなわち、『正直に、オープンに、公平に』成果を評価することだ」(『スタンフォード式最高のリーダーシップ』/サンマーク出版)

評価に対する不信感は、チームのやる気と関係性を壊し、チーム全体の成果に影響する可能性があります。

不信感はチームの全体の成果に影響する

不透明・不公平な評価

部下が不信感・不満を抱く

やる気が下がる・空気が悪くなる

チームの成果が落ちる

リーダーには、公平に、そして透明性をもって評価する覚悟が必要です。公平性や透明性を担保するポイントは次の3つです。

頑張った人には頑張ったなりの評価を

公平で透明性のある評価の3つのポイント

(1)評価の基準を明確にする

成果を出してもきちんと評価されないのであれば、メンバーはやる気を失うばかりです。評価の軸を明確にすることが大切です。

「会社の評価軸と、自分の部署での評価軸を合わせながら、明確にしていくことです。会社の評価の大きな目的・意図は何か。それを現在の職場に照らし合わせ、何を、どのような根拠で、どれくらい差をつけて評価するのが適切なのかなど、具体的にしていきます」(松岡保昌まつおかやすまさ『こうして社員は、やる気を失っていく』/日本実業出版社)

(2)「評価のしくみ」をあらかじめメンバーに知らせておく

「売上目標を達成したら、昇給」のように、評価のしくみをあらかじめメンバーに知らせておくことで、透明性を持たせます。

(3)頑張った人には頑張ったなりの評価をする

成果を「チームの成果」としてひとまとめに評価してしまうのではなく、頑張った人には頑張ったなりの評価をします。それが本当の意味での「公平」ということです。

2 評価の伝え方で部下のやる気と成長を促す

『ハーバード流ボス養成講座』(リンダ・A.ヒル、ケント・ラインバック/日経BP 日本経済新聞出版)には、「将来の成果を高めるのが業績査定の目的だということを、忘れてはいけない」と書かれています。

評価を、人を動かす力とする。評価によって部下の成長を後押しする。それが未来の成果へとつながっていくのです。

評価の伝え方には十分な配慮が必要です。

リーダー本の著者たちが実践する、部下のやる気や成長を促す伝え方の工夫をまとめました。

面接を受けるビジネスマン
※写真はイメージです
部下のポテンシャルを信じていることを伝える
藤吉豊、小川真理子『「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)
藤吉豊、小川真理子『「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)

部下やメンバーのやる気・成長を促す伝え方の工夫

(1)プロセスを見ていることも伝える

努力をしているのに、なかなか結果に結びつけられない部下もいます。その場合はプロセスを見ていることを伝えます。

結果は結果として受け止めながらも、たとえば、「情報の集め方」「手順の工夫」「優先順位のつけ方」などについての頑張りも認める姿勢が、部下のやる気を支えます。

(2)低い人事評価の理由をしつこく言わない

低い人事評価を伝えるときこそ、伝え方に注意が必要です。大切なのは、すでに低い評価を覚悟している部下に、その理由を執拗しつように伝えないこと。逆に勇気づけることが必要です。

「その部下のポテンシャルを信じていること、今後の活躍に期待していることをはっきり告げ、研修やコーチングなどの機会を準備して提案し、部下を勇気づければいい」(酒井穣『はじめての課長の教科書【第3版】』/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

感情で揺らがない
3 部下一人ひとりをしっかり見て評価する

評価は、感情で揺らがないようにします。好き嫌いで判断されたと感じた瞬間、部下の信頼が離れていきます。

評価する際は、しっかりと部下を見ることが大切です。

100冊のリーダー本の著者たちがメンバーをしっかり見るために実践しているコツをまとめました。


一人ひとりの部下と向き合うコツ

● 好き嫌いの感情を入れずに実力で判断する。
● アピールが上手なメンバーに惑わされないようにする。
● 若いメンバーは「頑張り」を見てあげる。
● 長い時間働いているからいいわけではない。努力の質や内容を見る。
● 個人的な利害ではなく、会社を成長させるかどうかを見る。
● 個人のレベルに合わせた評価をする。

青山学院大学陸上競技部の原晋監督は、チームのトップと比べたタイムのみで評価をしてしまうと、「組織のピラミッドは下部から腐り始める」とし、次のように記しています。

「50人いれば1番から50番まで順番がつく。みんなが1番になれるわけではない。50番だから悪いのではなく50番から頑張っているか否かをしっかりと見てあげることが大切」(『人を育て 組織を鍛え成功を呼び込む 勝利への哲学157』/ぴあ)

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