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初心者必見!パンジーとビオラの違いとは?似ている花の育て方ガイド

  • 2025.10.21

初心者必見!パンジーとビオラの違いとは?似ている花の育て方ガイド

花だけを見るとよく似ているのに、開花期が違ったり、一年草だったり多年草だったりする植物があります。初心者でなくても間違えやすい、要注意の花もいくつも。間違えてしまうと、うまく育てられないこともあるので、微妙な違いに注目しましょう!

パンジーとビオラって何が違うの⁉

個性的な新品種が毎年登場して、SNSなどで「パンビオ」と呼ばれて人気のパンジー&ビオラ。とてもよく似ていて、何が違うのかわかりません。でも、両方を並べてみると一目瞭然! 花の大きさが違います。

パンジーとビオラは同じビオラ属の仲間ですが、原産地の異なる2つの原種から改良された園芸品種です。パンジーはヨーロッパや地中海沿岸地域に自生する原種から育種され、ビオラはピレネー山脈などに自生する原種から育種されました。

パンジーはビオラより大きめで、花径4㎝を境に呼び分けられてきました。ただ、近年は小型のパンジーなども登場して、大きさだけでは区別しにくい品種もあります。

それでも、もともとの親が違うので、性質はやはり異なります。ビオラはパンジーより寒さや日陰に強く、小ぶりでもたくさんの花を咲かせます。自分の庭の環境にあわせて、パンジーとビオラを使い分けましょう。

このように同じ仲間のそっくりさんでも、育て方やふさわしい栽培場所などが変わるため、微妙な違いを見逃さないことが大切です。

見た目が似ているけど、育てたら大違いな花

秋に咲き終わる花と咲き始める花「ジニアとマム」

ジニアとマム(キク)は同じキク科(キク科の花は似ているものが多くて困ります)。けれども、ジニアは初夏に咲き出して秋まで開花、マムは秋から初冬に咲く花です。咲き終わりと咲き始めが重なるので要注意。

先日、通りかかった園芸店で、「ガーデンマム」というプランツタグがジニアについていました。マムと思ってジニアを買って帰ったら、あっという間に咲き終わってしまいます!

とくに一重のジニアとマムは似ているので気をつけて。何かヘンだなと思ったら、お店の方に確認しましょう。プロもうっかりするほど似ている花があるのです。

ちょっと前まで同じ花だった「オステオスペルマムとディモルフォセカ」

これも同じキク科のオステオスペルマムとディモルフォセカは、かつてどちらもディモルフォセカと呼ばれていました。それが多年草のものを中心に、オステオスペルマムという別属ができて分類が変更。

ただ、両者をかけあわせた園芸品種がいろいろ登場しているので、見分けるのは難しいものです。見分けがつかないときは、園芸店に尋ねましょう。

一年草のディモルフォセカはタネでふやし、花色は黄色やオレンジ色系が主流。
多年草中心のオステオスペルマムはさし木でふやし、花色は白やピンク、オレンジ色など。花弁の先がスプーン状になったユニークな花形もあり、ディモルフォセカより多彩な品種で近年は人気の花になっています。

これらと似た花としてマーガレットもあります。開花期も近いので間違いやすいものですが、マーガレットは花芯が黄色で、オステオスペルマムとディモルフォセカの花芯は青みがっているので、区別できます。

切り花から人気の火がついた「デルフィニウムとラークスパー」

長い花穂がゴージャスな雰囲気のデルフィニウムとラークスパーも、もとは同じデルフィニウム属。一年草のラークスパーがコリソダ属として分かれました。

もともと切り花で人気のあった花で、園芸を始めたばかりのころ見分けがつきませんでした。それでもイングリッシュガーデンブームで、デルフィニウムが群植されたステキな庭の写真を目にして、やっと覚えられたものです。

どちらも開花期は5~6月。多年草のデルフィニウムは前年の秋に出回る苗を植えつけるのが一般的です。一年草のラークスパーは発芽適温が15℃前後なので前年の10月ごろか春にタネまきするか、春に出回る苗を植えて初夏に花を咲かせます。

見分けるには葉っぱに注目してください。デルフィニウムの葉は深い切れ込みの入ったカエデのような葉で、ラークスパーの葉はコスモスのように羽状の細い葉です。

暑さのなかで長く咲き続ける「フヨウとムクゲ」

フヨウとムクゲはどちらもフヨウ属の低木です。フヨウの学名はヒビスクス(=ハイビスカス)。南国の花として知られるハイビスカスの仲間でも、寒さに強くて育てやすく、花木としては開花期が長いのが特徴です。

栽培上の違いも開花期で、フヨウの開花期は7~9月、ムクゲは8~10月です。暑さのなかで咲き続けるため生垣や街路樹によく利用されています。夏の宵闇に浮かび上がるようなフヨウの花は大きく、八重咲きのムクゲはまるで夏のバラのようにゴージャスです。

両者を見分けるポイントは2つ。ひとつは雄しべの形で、雄しべの先端が5つに分かれて上にカーブしているのがフヨウ、まっすぐ伸びているのがムクゲです。もうひとつは葉の色形と大きさで、フヨウは大きく明るい緑色で手のひらのような形、ムクゲは小ぶりの深緑色でキクの葉に似ています。

花のかわいい多肉系グラウンドカバー ポーチュラカとマツバボタン

ポーチュラカとマツバボタンもポーチュラカ(スベリヒユ)属の仲間です。多肉質の茎葉を這うように伸ばし、初夏から秋までつぎつぎに花を咲かせるので、花も楽しめるグラウンドカバーとして重宝します。

かつてはマツバボタンが一般的でしたが、近年はポーチュラカが多く見受けられます。人気の理由は、マツバボタンが一年草なのに対して、ポーチュラカは多年草だからでしょうか。ポーチュラカは花数も多く、マツバボタンより長く咲きます。

花はよく似ていますが、葉の形の違いで見分けられます。マツバボタンは名前のとおり松葉のように細い形なのに対して、ポーチュラカはへら状の丸葉です。

冬の庭やベランダを彩る花木「サザンカとツバキ」

冬も光沢の美しい葉を残し、風情ある花を咲かせるサザンカとツバキ。どちらも日本原産でツバキ属の常緑低木です。よく似た花ですが、サザンカは品種によって10月ごろから咲き始め、ツバキは12月ごろから咲きます。その後は春まで開花期が重なるので、やはり見分けにくいわけです。

違いがわかりやすいのは花の咲き方と散り方。サザンカは花弁を横に開いて咲き、ツバキは花弁を半開したカップ状に咲くものがほとんどです。また、咲き終わるとサザンカが花弁を散らすのに対し、ツバキは花首から全体がぽとりと落ちます。

古くはそのさまを嫌う向きもありましたが、一方で多くの園芸品種が作り出されていて、サザンカにはない黄色系の花も誕生しています。

似ている花の多くは同じ属の仲間ということがわかりました。それでも開花期や性質に微妙な違いがあることを知ると、花選びや育て方も失敗なくより楽しめるのではないでしょうか。

※2023年10月25日に配信した記事を再編集しています。

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