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好きが個性に!韓国・モンゴル・中国のご当地麺を食らう旅

  • 2025.10.21

いきなりですが、旅はただの娯楽でしょうか。

僕にとって旅は、自分の本心をあぶり出す「自己分析ツール」です。

非日常の限られた時間で他人の正解を優先すると後悔しやすいと気づきました。だからこそ、覚悟を決めました。

自分の心に従います。

僕は麺が大好きなので、どんなに米やパンが有名な国であっても、まずは麺料理を選びます。好きに素直でいれば、もし外れでも後悔はありません。

とはいえ、自分の心がよく分からないという方が多いはずです。僕も旅に出る前はそうでした。旅を重ねることで少しずつ本心が可視化されていき、今の僕は他人に流されない複数の芯を持てています。

この先では、僕の韓国・モンゴル・中国で出会った麺とストーリーを通して、より具体的にお伝えします。

あなたの心も一緒に見つけていきましょう!

韓国冷麺が教えてくれた好きの大切さ

世界のご当地麺を食らいつくす旅の1ヵ国目は、韓国です。

韓国の麺といえば、ラーメン、冷麺、ビビン麺でしょうか。ラーメンは店よりも袋麺を家で食べるのが主流です。日本のたこ焼きパーティーや鍋パを思い浮かべてもらえると近いです。

ということで、今回の旅では冷麺とビビン麺を店舗でいただきました。当然うますぎて昇天……だったのですが、店先ですれ違った日本人観光客からはこんな声も。

「韓国の冷麺もそんなにやな。食べて損したわ。」

同じ店で食べた僕の感想は……

「日本の冷麺と全然違う。今まででいちばんおいしい冷麺だ。韓国で食べられて本当によかった。」

なぜ、ここまで反応が分かれるのでしょうか。僕がバカ舌だったり、すれ違った彼がグルメだったり、そういう可能性もゼロではありません。でも、いちばん説得力があるのは好きの濃度だと思っています。

僕は麺が大好きなので、韓国の観光地やショッピング、コスメより冷麺が最優先です。

日本でも岩手・盛岡で盛岡冷麺を食べたり、焼肉屋さんでは必ず冷麺、市販でもお店でも冷麺を食べてきました。日本の味の参照軸があるので、韓国と日本の冷麺の違いがクリアにわかります。参照軸がないと、比較の解像度はどうしても下がってしまいます。

さあ、僕の麺愛が止まらなくなってきたので、まとめに入ります。

すれ違った彼は、せっかく韓国に来たからと、日常ではあまり食べない冷麺を選びました。結果として「日本とあまり変わらないな」と不満に感じたのだと思います。

つまり、彼の本心では冷麺への興味はそこまで高くないのかもしれません。韓国の定番を優先したことで、すれ違った彼の貴重な1食を奪ってしまいました。

でも、それはそれでいいのです。旅に出たからこそ自分の興味が薄いものが炙り出せたからです。韓国に旅していなければ冷麺を食べることはなかったかもしれませんし、「自分は麺よりも米やパンに興味があるのかも」と気づけたなら、それは立派な収穫です。

こうして本心がはっきりしてくると、日常の幸福度も上がってきます。興味のないことに時間を割かずに済むので、好きなことをする時間、楽しい時間が増えるんですよね。

ちなみに、僕の優先度が低いものは、ダイビング/米料理/パン/細かい歴史/動物です。逆に最優先は、麺/カフェ/ビーチ/おしゃれ通りです。

ただ、人の好みは年齢や出会いとともに変化するので、可能性は閉じないようにしています。動物に興味があまりなくても、アフリカのサバンナではサファリツアーに参加したいと思っています。

世界で最高と評される体験でも、心が動かなければ自分にとって最高ではありません。

自分にとっての最高の瞬間を一緒に増やしていきましょう。

モンゴルで味変を楽しむ

突然ですが、モンゴルに麺料理のイメージありますか?

僕が旅する前に持っていたモンゴルのイメージは、「遊牧民が羊や牛を捌いた肉と牛の乳からできた乳製品を食べる」でした。

実際に行ってみると、ツォイワンという麵料理がとても人気だったんです!

しかも、この料理のおもしろいところは味変するとまったく別の料理になるところです。

まず、通常のツォイワンは、平たい麺がもっちりしていて、肉の油でかなり油ぎっており、肉の旨みがガツンとくる印象でした。この味を気に入りすぎて、モンゴルに滞在した7日間のうち5回食べました。

そして翌朝、ここからが楽しい味変タイムです。温かいモンゴルティーを昨晩に残ったツォイワンにかけます。

お茶をかけるという意味では、日本のお茶漬けと一緒ですね。しかし、緑茶と違ってモンゴルティーは塩気とミルクのやさしさがあるスープなんです。名前はお茶だけど、実際の味はスープという奇妙な感じです。

しかし、この名前の奇妙さとは裏腹に、豚骨ラーメンのように肉のうま味がモンゴルティーに溶け込んでおいしいんです。味が変わるというよりかは、まったく別の料理に大変身します。

ここでひとつ皆さんに謝らないといけないことがあります。

おいしすぎて、写真を撮るのを忘れて夢中になって食べてしまいました……すみません。それくらいおいしいということで、食べたくなってきたのではないでしょうか?

これは余談ですが、モンゴル人の友達によるとツォイワンはモンゴルを代表する家庭料理で、週に1回は食べたいと言っていました。日本の肉じゃがのような感じで、男性が女性に作ってもらいたい料理の代表例だそうです。

定かではないですが、彼が言うに彼女が作ったツォイワンを食べて、結婚するか決めるモンゴル人男性が多いとも言っていました。

麺料理ひとつで、モンゴル文化まで知ることができて本当に幸せでした。

ぜひ、モンゴルに行った際は食べてみてください!

中国は麺の楽園だった

続いての国は中国ですが、麺好きにとっては本当に楽園でした。

載せきれないほどに麺料理が豊富ですし、何より早い・うまい・安いの3拍子そろっています。今回紹介する麺は、どれも500円以内で食べることができました。中国を旅して驚いたことは山のようにありますが、物価の安さにも驚かされました。

中国で僕が旅した都市は、北京・上海・広州なので、北から順に麺料理を紹介していきます。

まず、北京といえば炸醤麺(ジャージャー麺)です。

麺はやや太めで、塩味の効いた肉味噌が特徴的でした。そして、見た目に反してまったく辛くありません。僕は中国の料理といえば辛いという先入観があったので、いきなり覆されました。

何店舗かでジャージャー麺を食べたのですが、おいしい店の傾向として写真のように薬味と麺とソースが別皿で出てくるという特徴がありました。

続いて、上海では葱油拌面(ツォンヨウバンミェン)をいただきました。

日本のまぜそばに近いですが、葱油の香りが特徴的で、少しあっさりとした味わいです。店員さんにおすすめを聞いたところ、たまごトッピングが人気ということだったので追加しました。

たまごは半熟ではないので、黄身がとろけ出る日本の感じとは違いますが、味がまろやかになって最後までおいしくいただけました。何より200円で食べることができるので、上海では外すことのできない一杯になっています。

北京から3,600km移動した広州では、広東料理の干炒牛河(ガンチャオ・ニウホー)がとてもおいしくて印象的でした。

中国には八大料理(山東・四川・広東・江蘇・浙江・福建・湖南・安徽)と複数の種類があり、広州では広東料理が主流になっていて、先述した北京や上海とは料理の区分が大きく異なります。

日本ではあまり見かけることがない平麺ですが、中国では使った麺料理も多く、これまたおいしいんです。ゴムのような感じでかなり噛む必要があるのかなと思いきや、意外とツルツルと喉ごしよく食べることができるので、すぐになくなってしまいました。

日本では食べたことのない味わいだったので、広東料理といえば飲茶のイメージが強いですが、ガンチャオ・ニウホーも食べてみてください。

中国で訪れた3都市で共通して食べたのは、中国を代表する麺料理の牛肉麺です。

5店舗以上の牛肉麺を食べました。薄味もあれば、塩ラーメンのような味もあって、本当にお店それぞれの味がありました。店によってここまで味の振れ幅がある料理は牛肉麵だけかもしれません。

ちなみに僕は牛肉麺を食べすぎて、苦手だったパクチーを食べれるようになりました。人が環境に適応する能力が高いのは本当のようです。

ここまで中国で食べた麺料理を紹介してきましたが、中国で実感したことが2つあります。

まず、中国は国土が広く歴史が深いからこそ、麺料理が地域の方言みたいに多様に発展してきたのだなと実感します。ここまで種類豊富な麺料理を目の当たりにすると、麺の成り立ちに興味がわいてきたので時間があるときに調べます。

2つ目は、麺料理屋さんの多さです。体感では日本のコンビニ以上に見かけました。

交差点の向こうに3店舗あるかと思えば、後ろを振り向けば4店舗、四方を見渡せば12店舗?!なんて光景もざらでした。 中国人にとってどれだけ麺料理が必要不可欠な存在か実感しました。

本当に最高の国でした。中国、たくさんのおいしい麺料理をありがとう。

好きを追い求めると個性になる

この旅でわかったのは、自分の心に素直になるほど旅の満足度は上がるということです。

たとえば北京では、天安門や紫禁城といった有名観光地に行かなくても、最高においしい麺の数々を食べることができたので、旅の満足度が高かったです。

少し飛躍するようですが、人生も同じなのかななんて思ったりします。

自分の好きを追い求めると、人とは違った旅になり、それが個性になり、唯一無二の存在になっていくと考えています。

旅は自分の本心を知ることができる自己分析ツールだと記事冒頭にご紹介しました。この記事を読むと他の人とは違うと思ってもらえたと思います。

自分の心に従うことで楽しく旅ができるし、生きることができます。あなただけの個性が見つかることを願っています。

All photos by Takanori Muneishi

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