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50代以上の女性の骨年齢も3歳若返り!6カ月で結果を出した【インターバル速歩】とは?サルコペニア対策にも!

  • 2025.10.19

50代以上の女性の骨年齢も3歳若返り!6カ月で結果を出した【インターバル速歩】とは?サルコペニア対策にも!

日本発の歩き方が、いま世界で注目を集めています。その名も「インターバル速歩」。ただ歩数を稼ぐのではなく、“歩き方”そのものに秘密があるのだとか。海外のSNSでバズり、専門家も驚く効果が話題です。開発者の能勢博先生に、このウォーキングの魅力を伺いました。第3回は、10歳若返りを実感できるという効果を解説。

インターバル速歩で体力アップ。10歳もの若返り効果を実感

ゆうゆう世代の大半の人が「若い頃より、疲れやすくなった」「疲れが抜けにくくなった」と感じていることでしょう。それはズバリ、体力(=筋力+持久力)が落ちたから。でも、「そうだよね。年をとれば体力は落ちるもの。仕方ない」と、簡単にあきらめないで! 何歳からだって体力はつけられるし、今より疲れにくい体を手に入れることができるのです。

体力をつけるため、ポイントとなるのが「筋力」です。

加齢に伴って筋肉の萎縮が起こります。これを加齢性筋減少症(サルコペニア)と呼び、加齢現象の一つで、誰も避けることができません。そして、それに伴って、安静時、運動時を問わず筋肉の代謝機能が低下し、それに加えて筋肉が必要とする酸素を送る心肺機能(持久力)も低下します。さらに、重要なことに、そのことが生活習慣病を始めとするほとんどの加齢性疾患の原因であることが最近明らかになってきました。

その解決策として、「インターバル速歩」があります。それによって、筋力と持久力の両方をアップさせることができるのです。

<実証1>インターバル速歩で体力アップ

A=何もしないグループ
B=1日1万歩を歩くグループ
C=インターバル速歩をするグループ
に分けて5カ月間検証したところ、Cグループのみ、筋力が13~17%、持久力が10%もアップ。すなわち、体力年齢が“10歳も若返る”という結果が得られました。

体力年齢が10歳も若返ったら、仕事も家事も今よりどんなにラクにこなせることか! 趣味や旅行も10年前と同じぐらいの元気さで楽しめます。

生活習慣病の予防&改善に

高血圧、糖尿病、脂質異常といった生活習慣病は、食事の見直しと運動で予防&改善するのが基本です。そして、生活習慣病対策で勧められる運動の代表選手がウォーキング。でも漫然と歩くだけでは、あまり意味がなく、ややキツイ運動を組み込むことが大切です。

毎日の散歩やウォーキングをインターバル速歩に変えれば、生活習慣病指標(生活習慣病のリスクを判断するもの)が、平均で20%も改善したという結果もあります。

「とくに体力低下を実感している人、運動不足の人ほど、インターバル速歩の効果を実感しやすいでしょう」

<実証2>インターバル速歩で高血圧が改善

A=何もしないグループ
B=1日万歩を歩くグループ
C=インターバル速歩をするグループ
に分けて5カ月間検証したところ、Cグループは最高血圧が平均9㎜Hg、最低血圧が平均5㎜Hg低下したそうです。特に、この最低血圧の低下は、今後5年以内に脳卒中、心筋梗塞などの循環器系の発作を起こすリスクを40%も低下させるというから、びっくり!

実際、「最近の研究で、インターバル速歩の早歩きのような、ややキツイと感じる運動で、硬くなった血管がやわらかくなることも明らかになってきました」と能勢先生。

ぜひ今日からインターバル速歩を習慣にして、血管のしなやかさを取り戻し、体の中から若返りましょう。

脳の血流もアップ、記憶をつかさどる神経細胞の成長が促される

「運動によって脳の血管が柔らかくなって血流量が増加すると、脳にも十分な栄養や酸素が届くため、認知症の症状が改善すると言われています」

脳の血流が増加すると、脳由来神経栄養因子=BDNFというたんぱく質が盛んに作られるようになります。BDNFは記憶をつかさどる海馬の神経細胞の成長、再生を促し、認知機能の維持や向上を促進する働きがある、と考えられるのです。

<実証3>インターバル速歩で認知機能が改善

平均年齢64歳の男女を何もしないグループ=A、インターバル速歩をするグループ=Cに分けて、5カ月間継続調査。このうち軽度認知障害のある人に限って比較すると、インターバル速歩をしたCグループの34%に認知機能の向上が見られました。

骨密度もよりアップ

閉経後にリスクが高まる骨粗しょう症にも、インターバル速歩は効果があります。骨密度をアップさせて骨を丈夫にするためには、骨に適度な圧力を与える必要があります。

ややキツイと感じるインターバル速歩の早歩きは、瞬間的に骨にしっかりと圧力を加えることができます。

<実証4>インターバル速歩で骨年齢が若返った

50歳以上の女性119人に6カ月間、インターバル速歩をやってもらったところ、骨密度基準値に比べて低下している人では、腰椎で1.8%、大腿骨頸部で1.0%も骨密度がアップ! 「たった1~2%」と思うかもしれませんが、50歳以上の女性で1年間に腰椎で0.4%、大腿骨頸部で0.6%も骨密度が低下します。

ですから、これだけ骨密度がアップしたということは、たった6カ月間で骨年齢が3歳も若返ったと考えられるのです。

インターバル速歩の効果はまだまだあります。次回も引き続きその効果をご紹介しましょう。

お話を伺ったのは

能勢 博先生(信州大学医学部特任教授 医学博士)

のせ・ひろし●京都府立医科大学医学部卒業。米イェール大学、京都府立医科大学などを経て1995年信州大学医学部教授、2003年信州大学大学院医学研究科教授、2018年より現職。信州大学、長野県松本市、民間企業、市民が参画する健康づくり事業「熟年体育大学」の運営組織であるNPO法人熟年体育大学リサーチセンターで、理事長・副理事長を務め「インンターバル速歩」を指導。8700人以上の中高年に運動指導を行なってきた。趣味は登山。著書、マスコミ出演多数。

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