1. トップ
  2. JO1・豆原一成、デビューから5年 溜めてきた経験値をどのように使うか、ここからが勝負

JO1・豆原一成、デビューから5年 溜めてきた経験値をどのように使うか、ここからが勝負

  • 2025.10.19
JO1・豆原一成 クランクイン! 写真:高野広美 width=
JO1・豆原一成 クランクイン! 写真:高野広美

今年デビュー5周年を迎え、ワールドツアーや東京ドーム単独公演を成功させるなどその勢いはとどまるところを知らないJO1。11人のメンバーの中でも演技の仕事に積極的にチャレンジする豆原一成が、映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』で大ベテラン・市毛良枝とW主演を務め、俳優としてまた新たな一歩を刻む。「プレッシャーもあった」と笑顔で撮影を振り返る豆原に本作出演で得たもの、そしてデビューからの5年の日々について話を聞いた。

【写真】ビジュ最強! かわいさとカッコよさあふれる豆原一成撮りおろしショット!

◆市毛良枝とのW主演にプレッシャー

本作は、大学生の拓磨が、夫を亡くした祖母・文子を気遣って同居を始めたものの、同じ学び舎で学ぶ日々をともに過ごすうちに、逆に祖母から元気をもらっていく姿を描く家族の物語。

豆原は、祖母との日々の中で夢を見つけていく、コーヒーにだけはこだわりがある、ちょっと頼りなくて優しい大学生の孫・拓磨を演じる。一方、44年ぶりの映画主演となる市毛は、ピュアな好奇心を解き放ち、若い頃の夢だった「学び」を楽しんで世界を広げていくチャーミングな祖母・文子に扮し、豆原と共に物語を優しく軽やかに彩る。

――本作出演のお話を聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?

豆原:「自分で大丈夫かな?」と思いました。市毛さんとW主演で、名だたる俳優さんたちとご一緒するということで、正直「えー!」っていう感じでした。

プレッシャーも感じましたし、結構悩みました。でも、こんな経験ができることはない、市毛さんとお芝居できるなんて自分にとっていい経験だしプラスでしかないと思ったので、「やらせていただきます!」とお返事しました。

――脚本を読まれて、どんな印象をお持ちになりましたか?

豆原:日常に潜んでいるお話を切り取った作品だなと思いました。その中で家族や、学び、夢と、誰しもが直面する問題に登場人物がしっかり向き合っているんです。人とのつながりや家族のつながりってすごく大切なんだなと改めて感じました。

――拓磨は素直で真っすぐな本当にいい子ですよね。

豆原:確かに(笑)。拓磨なりの素直さがあるので、すごく素敵だなと思いました。

でも、それこそいい子すぎて、生きるのが不器用なところがあるんですよね。自分の弱さを理解してはいるんですけど、なかなか自分から踏み出せなくてちょっともがいている感じは、今の若い世代の方にも多いのかなと思いますし、共感してもらえるキャラクターだと思います。

――ご自身と似ている点はありますか?

豆原:好きなことに対して熱量がすごいところは似ているなと思いました。おばあちゃんにコーヒーを淹れている時に熱心にいろいろとしゃべるんですけど、自分も好きなことに対して熱量が高いので、あの雰囲気は似ているなと思いました。

――豆原さんを熱量高くさせてしまう、好きなものとは?

豆原:僕はトレーニングが大好きで、体作りが趣味なんです。市毛さんもアグレッシブな方でいろいろとやられているそうで、撮影中は筋肉の話で盛り上がったのが楽しかったです。

◆夢と現実の間でもがく拓磨は昔の自分に近い


――拓磨は、夢と現実の間で自分の進む道をもがきながら探しています。

豆原:僕も田舎で育ったので、周囲にアーティストやアイドルを目指す人なんてなかなかいない環境でした。小さい頃からずっとアーティストやアイドルになりたいと言っていたんですけど、拓磨と一緒で現実問題があったり、そんなことできるわけがないと言われたりしました。拓磨の心境は昔の自分に近いと感じました。

――そんな中で豆原さんはどのように現状を打破していったのですか?

豆原:僕はすごく自分で行動しました。ダンスのスクールを探したり、今自分ができる範囲内でどういう動きをしたら少しでも夢に近づけるのかなとすごく考えて。スクールの授業料もアルバイトをして自分で払ったりして、少しでも夢に近づけたらなと頑張りました。

――拓磨より行動力があったんですね。

豆原:でも僕も、母親に「やりたいんだったら自分で動きなさい」って言われて、「やるしかないな!」と動き出したのがきっかけだったので、拓磨の気持ちがわかります。

――拓磨と文子さんの孫・祖母関係の印象はいかがですか?

豆原:仲がよくて、素敵な関係だなと思いました。最初はおばあちゃんとの関係にも気まずさがあるのですが、どんどん打ち解けていき、コーヒーだったり大学だったりと、2人で新たな夢に向かいいろいろと乗り越えていく姿が素敵だなって思います。

僕も昔からおばあちゃん子で、今でもLINEしたり、こないだ実家に帰った時もおばあちゃんの家にひとりで行ったりと仲がいいんです。この作品も早く観てもらいたいなって思いますし、どんな感想が聞けるか楽しみです。

――本作の主題歌はJO1の皆さんが担当されます。秦 基博さんが書き下ろされた楽曲「ひらく」はJO1の皆さんの新しい一面を感じられる印象です。

豆原:秦さんが書き下ろしてくださると聞いて、とても楽しみにしていたのですが本当に素晴らしい楽曲だなと思いました。歌詞やメロディーラインが秦さんらしいというか、そんな楽曲を僕ら11人が歌ったらどういう感じになるのかなとワクワクしました。何より映画にとてもマッチしていて、素敵な楽曲をいただけてうれしかったです。

――豆原さん的推しポイントはどんなところでしょう?

豆原:切なさのあふれる楽曲なのですが、歌詞でいうと、いろんなことを乗り越えた結果、あなたに会いに行くよという感じが、夫である偉志さんを思って文子さんが歌っているように感じて。サビの部分がストレートですごく好きですね。

◆デビューから5年溜めてきた経験値をどのように使うか、ここからが勝負


――本作もそうですが、映画『BADBOYS-THE MOVIE-』や、ドラマ『海に眠るダイヤモンド』『超人間要塞ヒロシ戦記』と、豆原さんの自然な演技に魅力を感じます。もともとお芝居の勉強をされていたのですか?

豆原:JO1になるまではまったくそういう経験がなかったです。お芝居に少しずつ関わるようになってレッスンだったりをちょっとずつ受けていったりはあったんですけど…。レッスンの中で、お芝居する時の本の読み方を指導していただいて、自分なりの本の解釈の仕方は、最近できてきたのかなとは思います。

――お芝居の面白さはどんなところに感じていますか?

豆原:自分じゃないところが面白いのかなって思っています。その役でしかできないことっていうのがたくさんある中で、自分を試されているような気がしてその感情も好きです。できあがるまでどんな作品になるか分からないっていうのも、自分は普段アーティスト業をやっているのでなかなかそういう経験はないので楽しいですね。

ただその反面、難しいことのほうが多いのかなとも感じています。観てくださる方がどういうふうに受け取るのかっていうことが大事なので、ちゃんと伝わるように自分のこの体、声で表現することは難しいですし、奥が深いなぁと思います。

――お芝居を始めたころにくらべて、ここは変わったなと感じられる部分はありますか?

豆原:誰かがやっているお芝居を目の当たりにして心が動くっていうのが素敵だなと思うんです。そう感じ始めてからはお芝居に対して、昔よりどんどんやりたいっていう気持ちが大きくなってきました。

――豆原さんはグループ以外の現場でもすんなり溶け込めるタイプですか?

豆原:全然人見知りですね(笑)。とても人見知りしますし、緊張します。でもウジウジしていたら意味がないので、自分からしゃべりかけたり、何かやってみようという気持ちで臨んでいます。

――今年デビュー5周年を迎えられました。この5年を振り返るとどんな日々でしたか?

豆原:いろんなことがあって、波乱万丈な5年間だったなって思います。でも普通の人が経験できない5年間を、僕はこのグループの1人として経験させていただいたと思うので、ここから先が勝負だなとも思っています。いろいろな経験値を溜めた5年だったので、その経験をこれからどう自分が、自分たちが使っていくのかっていうのが大事だなと思っていますし、まだまだこれからだなって感じです。

――ソロ活動とグループ活動の相乗効果は感じますか?

豆原:それはもちろんあります。自分っていう人間だけで、このお仕事をもらえたかって言ったら絶対そうじゃない。僕はJO1というグループに所属しているからこそ、こういうチャンスを頂けていると思っていますし、ひとつひとつが全部グループのためになっていると思います。そういう気持ちで個人活動をやってきたので、これからもその気持ちは変わらないです。JO1というグループを好きになるきっかけがこの作品であったらうれしいなという思いで、毎回やらせていただいています。

――周りのメンバーの方のソロ活動から刺激を受けることも?

豆原:ありますね。お芝居もそうですし、それぞれプロデュースをしたり、楽曲を作ったりとクリエイティブ能力に長けているので、そういうのを見ると「すげえな」って思います。自分も一表現者としてお芝居をやらせていただいているので、そこでまたみんなと違った形でも、自分の色として武器にしていけたらなと思っています。

――今後チャレンジしてみたいことはありますか?

豆原:たくさんありますし、グループとしても1人の役者としてもいろんなことにもっとアグレッシブに挑戦していきたいです。

あと留学をしてみたいですね。

――留学ですか!?

豆原:留学してみたくて(笑)。ホームステイしてみたいんですよね、英語の勉強も兼ねて。今年海外でたくさんライブをさせていただいた時に、すごく素敵だなと思って。海外のフランクな感じだったり、そこで生きているみなさんの姿から、自分の知らない世界をたくさん見させていただいたんです。新しい自分を発見できる気がするので、いつか海外に住んでみたいなと思っています。

――今回の作品をきっかけに、また新しい層に“豆原沼”にハマる人が続出すると思います。

豆原:この作品を観た後に、僕がJO1でアーティスト活動しているところをご覧になられたら、「本当にこの人?」ってなると思うんです。そう思っていただけたら面白いなと思い頑張りました。学びや夢、家族について改めて考えることができる作品になっていますので、観終わった後に自分自身と向き合うきっかけになったらうれしいです。

(取材・文:近藤ユウヒ 写真:高野広美)

映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』は、10月24日公開。

元記事で読む
の記事をもっとみる