1. トップ
  2. 70歳で恋活を宣言!?【渡辺えりさんのターニングポイント#2】両親を失った悲しみを乗り越える新たな挑戦とは?

70歳で恋活を宣言!?【渡辺えりさんのターニングポイント#2】両親を失った悲しみを乗り越える新たな挑戦とは?

  • 2025.10.18

70歳で恋活を宣言!?【渡辺えりさんのターニングポイント#2】両親を失った悲しみを乗り越える新たな挑戦とは?

舞台の上では、どんな役柄もパワフルに演じきる渡辺えりさん。しかし一人の女性として、今、人生の大きな節目を静かに迎えている。相次いで見送った最愛の両親。誰もがいつかは経験する「ひとり」という現実と、渡辺さんはどう向き合っているのだろうか。

プロフィール
渡辺えりさん

わたなべ・えり●1955年山形県生まれ。
78年、劇団「3○○(さんじゅうまる)」を旗揚げし、作・演出・出演の三役をこなす。劇団解散後は、「オフィス3○○」主宰として、さまざまな役者やクリエイターとともにプロデュース公演を行っている。
今年12月には、古稀記念コンサート「70祭 ERI WATANABE CONCERT~ここまでやるの、なんでだろう?~」(12月20、21日/東京芸術劇場プレイハウス)を開催予定。
「オフィス3○○」公式サイト https://office300.co.jp/

両親の死がもたらした心の変化

今年1月、古稀という人生の節目を迎えた渡辺えりさんにたずねてみた。「これまでの人生で、ターニングポイントとなった出来事はなんですか?」と。

「やっぱり両親が亡くなったことかな。父が亡くなり、その2年後に母が逝って。寂しいですよ、本当に。大きな井戸の底に落ちたような、宇宙に一人、ほっぽり出されたような……。なんというか、大きな暗闇の中にいるような感覚が、父母を亡くして以来、ずっと続いています」

渡辺さんは、2022年に父を、24年に母を亡くしている。

「父と母がいてくれた頃は、“いつも誰かが私を想ってくれている”という安心感がありました。でも今は、誰もいない。覚悟はしていたとはいえ、自分を手放しで愛してくれる人を失った喪失感と孤独感は、はかりしれないものがありますね」

その喪失感が、彼女の心に新たな思いを芽生えさせた。

「両親がいなくなってから、結婚したくなっちゃったんですよ。誰かに私のことを見ていてほしい、想っていてほしい、みたいなわがままな気持ちが出てきたんです。離婚してからは、結婚のことなんて考えたこともなかったのにね。観た芝居の感想を言い合ったり、何気ない話ができたりする相手というのは、かけがえのないもの。だから、今回の舞台『また本日も休診~山医者のうた~』で演じるテル子さんと鯛山先生みたいに、いつまでも仲睦まじくいられる関係が本当にうらやましくて。誰かいい人、いないかしら⁉」

70歳の恋活宣言? マッチングアプリに興味津々

深い孤独を語ったかと思えば、次の瞬間には少女のように目を輝かせる。その天真爛漫さが、なんともかわいらしい。

「恋をしたいけど、なかなかいないのよね、いい人が。みなさん、どこで出会っているの?」

最近はマッチングアプリで結婚する人も多い、と話を向けると、身を乗り出してきた。

「マッチングアプリ、私がやったらどうなるのかしら? 応募が殺到しちゃう⁉ 本当に⁉ じゃあやってみようかな(笑)」

冗談めかして笑うが、その真意は……⁉ 韓流ドラマが大好きな渡辺さん。ドラマの主人公のようにお粥を作ってくれたり、お姫さま抱っこをしてくれるような“王子さま”の出現を夢見ていると言う。

「そんな夢みたいなことが起こらないから、みんなドラマを見るのよね(笑)。俳優で歌手のパク・ボゴムさんや、シャオ・ジャンさんが、今の私の心の支え。彼らのドラマを見たり、歌を聴いたりして、ストレスを発散しています。でも私の絶対的な推しは、やっぱりジュリー(沢田研二さん)! シャオ・ジャンさんたちのことを、なんでこんなに好きなんだろうって考えたことがあるんです。それでふと写真を見比べてみたら、似てるんです、ジュリーの若い頃と。やっぱり私の原点はジュリーなんだわと、再確認しましたね(笑)」

そう言ってスマホの写真を見せてくれる姿は、まるで推しを語る女子高生のよう。“好き”を楽しむ好奇心が、心を若々しく保つ秘訣なのだろう。

年下の友達と「推し」。新しい繋がりが心を支える

同世代の友人が次々と鬼籍に入り、会いたくても会えないことが増えてきた。そんな中で渡辺さんが見つけた新しい繋がりの形は、私たちにとっても素敵なヒントになりそうだ。

「大好きなお芝居やドラマの話を誰かとしたいけれど、同年代の友人たちもだんだんといなくなってしまって。特に、地元の親友や、毎年一緒に年越しをするくらい仲のよかった勘三郎さん(故・十八代目中村勘三郎さん)を亡くした喪失感は、本当に大きかったですね。だから最近は、年下のお友達を探したいなと思っているんです。先日は、私が演出した舞台に出てくれた18歳の女優さんたちと仲よくなって。私の地元・山形の花笠祭りで一緒に踊ったりして、元気なエネルギーをたくさんもらったんですよ」

それでもやっぱり孤独を感じるとき、渡辺さんの舞台を愛する観客の存在が、心を支えてくれる。

「私のつくる舞台を見て、笑ったり泣いたりしてくださるお客さんの姿。それは私にとって、神さまのような存在なんです。皆さんの笑顔が見たいから、私は頑張れる。その繋がりがある限り、走り続けていきたいですね」

【Information】『また本日も休診~山医者のうた~』

昭和50年代、那須高原のてっぺんに建つ見川医院。医師・見川鯛山(柄本明)は地域医療に尽力するはずが、診療所には「本日休診」の札が…。今日も悪友の大工・六さん(佐藤B作)と狩猟やパチンコ三昧で、仕事はそっちのけ。おかげで茶畠巡査(笹野高史)や村人たちには「ヤブ医者」と呼ばれる始末。そんな鯛山を尻に敷きながら、明るく支えるのは、勝気で情に厚い妻・テル子(渡辺えり)。村には、山奥で一人暮らしをする阿久津民代(江口のりこ)、村一番の貧乏人である茂(林翔太)と妻・ナツ(市川美織)など、ひと癖もふた癖もある住民たちが暮らしている。広大な高原に四季が移ろいゆく山村で、繰り広げられる笑いと涙の人間模様とは…。

原作/見川鯛山「田舎医者シリーズ」
脚本・演出/田村孝裕 音楽/パスカルズ
出演/柄本明、渡辺えり、江口のりこ、佐藤B作、笹野高史 他
企画・製作/明治座

【東京公演】2025年10月23日~11月2日 会場/明治座
料金(税込)/S席(1・2階席)1万2000円、A席(3階席)6000円
問い合わせ/明治座チケットセンター☎︎03-3666-6666

他日程
【福岡公演】10月11~15日 会場/博多座
【宇都宮公演】11月6日 会場/栃木県総合文化センター メインホール
【山形公演】11月22日 会場/やまぎん県民ホール 大ホール

公式HP/https://kyushin2025.com/

撮影/園田昭彦

元記事で読む
の記事をもっとみる