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仕事に追われ、つい「徹夜」…乱れた“体内時計”をリセットするには?睡眠のプロが説く「対処法」

  • 2025.10.16
徹夜をしたときの対処法とは?
徹夜をしたときの対処法とは?

仕事が忙しかったり、趣味に没頭しすぎたりするあまり、徹夜をしてしまった経験がある人は多いと思います。SNS上では「徹夜でプレゼン資料を作った」「徹夜でゲームしてしまった」「夜通し読書した」などの声が上がっています。徹夜をして乱れた体内時計をリセットするには、どうしたらよいのでしょうか。徹夜をした場合のデメリットや対処法などについて、上級睡眠健康指導士の山本智子さんに聞きました。

頭がうまく働いていないことに気付けなくなるリスク

Q.仕事や趣味で徹夜したとします。この場合、体にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。体内時計の乱れや体調の観点で教えてください。

山本さん「徹夜を経験された経験がある人は多いとは思いますが、1日徹夜をしただけで生死に関わるようなことはありません。しかし、翌日の日中のパフォーマンスは確実に下がります。徹夜をしているときは明るい照明に当たり続けている状態が多いため、寝付きに関係するメラトニンというホルモンの分泌が抑制され、体内時計が後ろ倒しになってしまいます。体内時計が乱れてしまうため、日中の変な時間に眠気が起こったり、頭がボーッとしたり、集中力が発揮できなかったりするなど、さまざまな弊害が出てきます。若い人は徹夜をしても平気なくらい体力や気力があると言えますが、翌日のパフォーマンスが低下することは頭に入れておきましょう」

Q.つい徹夜をしてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。睡眠時間の調整方法や体の回復方法などについて、教えてください。

山本さん「ヒトの体は前の夜徹夜したからといって、翌日にいつもの2倍眠れるようにはできていません。普段7時間寝ている人が徹夜した翌日に14時間眠るといったようにはできていないのです。とはいえ、徹夜明けの日の夜は睡眠が足りていない分、普段よりはよく眠れるでしょう。徹夜明けの日の夜にしっかり睡眠を取ることを意識し、いつも通り昼は活動的に過ごすことが望ましいと言えます。

徹夜した日の夜はしっかり睡眠を取り、翌朝はしっかりいつも通りの時間に起きて、太陽の光を浴びて体内時計をリセットすることが大事です。徹夜した日の朝にだらだら寝続けてしまうと生体リズムがどんどん乱れていくのでやめましょう」

Q.もし睡眠時間が3~4時間程度の日、あるいは徹夜する日が週に1回以上あるような生活を続けた場合、睡眠の質にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。

山本さん「そのような生活を続けていると、まず生体リズムが乱れがちになります。睡眠時間が3~4時間、もしくは徹夜といった状態が続くことによって、レム睡眠、ノンレム睡眠の機能がきちんと発揮されなくなります。ショートスリーパーでもない限り、日中のパフォーマンスに影響が出ることになります。集中力や注意力、思考力、記憶力が低下して作業効率が低下します。学生の場合は授業についていけなくなることもあります。

高血圧や糖尿病、肥満のリスクも高まります。さらに注意が必要なのが、最初のうちは頭がボーッとするなど、ちゃんと睡眠不足を感じますが、それが続くと徐々にその状態に慣れてしまい、頭がボーッとした状態が普通の状態と勘違いするようになってしまうのです。普段、睡眠時間が短い人が体調不良で寝込んでしまうと、強制的に望ましい睡眠時間を取るようになり、元気になったときに『頭が働くとはこういうことか!』と感じることも多々あります。頭が働いていないことに気付かなくなってしまうことがとても危険なところです」

オトナンサー編集部

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