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生活習慣病リスクも! 増加する「子どもの肥満」の原因と予防法

  • 2016.5.26
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【ママからの相談】

5歳の幼稚園児がいます。赤ちゃんのころからよく食べる子で、食事作りが私の励みにもなっていました。でも、他の同年齢の子どもと比べると、少しぽっちゃりしているかなと思っていました。

先日、園で健康診断があり、その後、担任の先生から専門の医療機関を受診してみてはどうかと言われてしまいました。完全に肥満のようなのです。もちろん病院には行きますが、とてもショックでした……。

うちの子のようなお子様はいるんでしょうか?

●A. 肥満傾向の子どもは、ここ30年間で2倍以上に増えています!

こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。

お子様が肥満ということで、とても心配ですね。特に専門機関の受診を促された場合、親御様のショックは大きいと思います。

「なぜ、もっと早くに気づいてあげられなかったのか」などの後悔をされる方が多いようですが、ご自身を責めないでくださいね。むしろ、今の段階で気づけたのだと考えましょう。子ども時代の今に対応することで、お子様がより健康に生活することができますよ。

肥満のお子様はここ30年間で2倍以上に増えています。今回は、このような状況も含めて、子どもの肥満についてお伝えします。

●肥満児の増加傾向

文部科学省の『年齢別 肥満傾向児の出現率の推移(昭和52年度~平成27年度)』によると、1970年あたりから2000年までの約30年間に、肥満傾向の子どもは2~3倍に増えている ことがわかりました。

2000年を過ぎて最近になると、肥満は減少傾向にあります。しかし、依然として10~12歳の子どもは9%前後の肥満率となっており、約10人に1人が肥満状態 なので、高い指標を示しているといえます。

●どのくらい太っていると肥満というの?

子どもの肥満は「肥満度」 を使って図ります。肥満度は標準的な体重に対して実測の体重が何%上回っているかを示すもので下記の式で計算できます。

肥満度=(実測体重-標準体重)/標準体重×100(%)

ご相談者様のケースでいうと、幼児では肥満度15%以上は太りぎみ、20%以上はやや太りすぎ、30%以上は太りすぎとされます。小学生以上ですと、肥満度20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満と呼びます。

標準体重は性別、年齢別、身長別に設定されています。標準体重は母子手帳などにも記載がありますよ。

日本小児内分泌学会のサイトに、肥満度の判定が簡単にできる「判定曲線」があります。そのグラフにお子さんの身長・体重から点をつけてみると現在の肥満度を知ることができます。

●なぜ子どもが肥満になるの?

何らかの病気で肥満になっている場合を除くと、子どもの肥満のほとんどは、摂取したエネルギーが、消費するエネルギーよりも大きいこと が要因です。これは大人の肥満と同じ原因です。

一般には、子どもの食生活の変化(お菓子・ジュースなどの摂取量増、偏食や外食の増加、夜型生活の増加等)に加えて、栄養状態の向上、運動不足が要因となっています。

特に運動不足という点では、子どもの体力や運動能力は85年から低下している傾向にあります。

●子どもの肥満のリスクは?

大人のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の危機が言われて久しいですが、子どもでも同じような症状がみられています。

体重増加の状態が継続すると、肥満になります。内臓脂肪が蓄積されていきますので、子どものころから糖尿病 や高血圧 、脂質異常症 などの生活習慣病に陥る子どももいます。さらに、内臓脂肪がたまったことで血管が硬くなり動脈硬化 の状態になることもわかってきています。

●肥満を防ぐためには

まずは、食生活の見直し です。早寝早起き、朝食は必ず食べる、食事内容は和食を中心にするなどを試みましょう。

食事を作るのは親の役目です。親が意識して改善しないことには、家族全員が改善できません。

また、週に2回以上は運動する習慣を取り入れるなど、体を動かすことも必要です。

とはいえ、すでに肥満状態である場合、上記のように一気に改善するのはストレスとなり、長く続かないという問題が発生します。

肥満は生活習慣に直結していますので、できるだけ肥満にならない生活を“継続する”必要があります。

このような場合、週に5回のスタミナ料理を週3回にする、1回の料理の量からお肉を1枚減らすなど、少しずつ改善していくことがポイントです。

運動も苦手な子どもが多いので、運動することを義務づけるというよりは、「体を動かすって気持ちいい!」「体を動かして遊ぶのは楽しい!」 という感覚を持てるように、親子で運動するのが効果的だと思います。

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肥満対策には親のサポートが必須です。慣れるまでは大変ですが、今のうちから食生活を見直せば、子どもがより健康に安心して生活ができると思いますよ。

【参考リンク】

・学校保健統計調査 年次統計 | 文部科学省(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001014499)

・肥満 | 日本小児内分泌学会(http://jspe.umin.jp/public/himan.html)

●ライター/佐藤理香(株)

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