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「ジーンズばっか買っているから貯金がない(笑)」草彅剛が人生の終幕に〈遺したい〉もの

  • 2025.10.12
草彅剛さん。

初主演ドラマ『いいひと。』から約30年。数々の役を重ねてきた草彅剛さんが、今作で新たに挑むのは、遺品整理に携わるシングルファザー役。ドラマで描かれる「大人のせつない恋」について、そして自らの人生に重ねるジーンズへの思いを聞きました。


子役の子のおかげで現場はアットホームな雰囲気

草彅剛さん。

――約20年前、『僕と僕の彼女の生きる道』でもひとりで子どもを育てる父親を演じていらっしゃいました。当時と同じスタッフが集結し再びシングルファザー役に挑まれた今回、演じるご自身の内面に変化や新しい発見はありましたか?

草彅さん そこに対してはあまり意識をしていないかも。でも、20年たって僕も丸くなっているので、以前より温かいシーンが生まれているんじゃないかなとは思います。役名で呼んじゃっていますが、陸くんが(草彅さんの息子役を演じる、永瀬矢紘くん)本当にかわいい子で。陸くんがいてくれるからこそ、父親役というのは今の自分にふさわしい役柄なんだと改めて感じられています。

陸くんは頭がいいから、大人がやってほしいことが手に取るようにわかるんですよ。本当にうちの息子は優秀なんです。僕の脱いだ靴とか、きれいに直してくれるの。すごいよね!

僕は彼の手のひらで遊ばれているだけ。現場は彼のおかげもあって、雰囲気はとてもいいですね。僕の演技もいい感じ。チーム一丸となって頑張っています。

草彅剛さん。

――なごやかな雰囲気で撮影されている本作では「せつない大人の恋」が描かれるそうですね。草彅さんは「大人の恋」と聞いて、どんな恋愛をイメージされますか?

草彅さん やっぱり、大人って聞くと『失楽園』のような不倫を想像しちゃいますよね。踏み込んではいけないような、そして手を伸ばすことさえ許されないような、禁断のイメージ。

今回僕が演じる鳥飼樹は、倫理観を問われかねない役柄。鳥飼の恋愛がどんなふうに進んでいくのか、自分自身も楽しみにしています。

30年後はかっこよく動ける“じじい”でありたい

草彅剛さん。

――本作でカンテレドラマの主演は10作目を迎えられるそうですね。初主演作『いいひと。』から約30年。もしこの先30年後を思い描くとしたら、どんな自分を想像されますか?

草彅さん 30年後は80歳超えているのかぁ。今のスタッフと一緒にまた作品をつくれていたら嬉しいですね。すごく渋いおじいちゃんの役とかを演じてみたい。かっこよく動けるじじいでいたいです。

――ご自身が「遺すもの」については考えたことはありますか?

草彅さん 僕が長年コレクションしているジーンズは、ちゃんと価値のわかる人に渡して売却してもらい、そのお金を困っている人に寄付してもらいたいと考えているんです。100本以上持っているし、中には1000万以上の価値があるものもあるから。すごいよね。

僕はたまたま10代の頃からジーンズを集めていたんだけど、今はヴィンテージブームだから、昔60万円くらいで買ったものが今1000万円の価値になっているものもあるの。そんなものばっか買ってるから、貯金がないんだけどね(笑)。「困ったら、ジーンズを売ればいっか!」って楽観的に考えてます。

遺すものといえば、自分が出演してきた作品も残っていきますよね。大袈裟なこと言うと、作品は共演者やスタッフたちと一緒に命をかけて作っているから、自分のDNAが刻まれているとも思うし。僕の人生が終幕に向かっていったとしても、次の世代の人たちに僕のドラマを見てもらえたら幸せだし、素晴らしいことですね。

草彅剛(くさなぎ・つよし)

1974年7月9日生まれ、埼玉県出身。91年、CDデビュー。俳優として、『黄泉がえり』、『あなたへ』、NHK大河ドラマ『青天を衝け』、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』など多数の作品に出演。17年には「新しい地図」を立ち上げ、20年公開の『ミッドナイトスワン』では第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀主演男優賞に輝いた。近年の主な作品に、『サバカン SABAKAN』、『碁盤斬り』など。カンテレドラマでは本作『終末のロンド』で10作目の主演となる。

文=高田真莉絵
撮影=榎本麻美
ヘア&メイク=荒川英亮
スタイリスト=栗田泰臣

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