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落合恵子さんの80歳現在!クレヨンハウスと約50年続ける「オーガニック」に込めた健康の秘密

  • 2025.10.7

落合恵子さんの80歳現在!クレヨンハウスと約50年続ける「オーガニック」に込めた健康の秘密

子どもの本、絵本、グッズや木のおもちゃ、女性のための書籍やオーガニックコスメなどの専門店として長く親しまれているクレヨンハウス。作家で主宰の落合恵子さんはもう一つ、オーガニックの八百屋と、オーガニックレストランの経営も続けてきました。自身の体験から、今改めて「食」の大切さを痛感していると言います。

PROFILE
落合恵子さん クレヨンハウス代表、作家

おちあい・けいこ●1945年栃木県生まれ。
明治大学文学部卒業後の67年、文化放送にアナウンサーとして入社、人気DJに。
74年に退社し作家活動を開始。大ベストセラー『スプーン一杯の幸せ』の印税を原資として、76年「クレヨンハウス」を設立。
近著『明るい覚悟』(朝日新聞出版)、『泣きかたをわすれていた』(河出書房新社)。

「医食同源」に共感し、元祖オーガニックを実践

絵本の専門店として、長く親しまれてきた「クレヨンハウス」。来年50周年を迎えるこのお店は、絵本の他、木のおもちゃや、フェミニズムの視点をもった女性のための書籍、平和の本なども扱っている。2022年に東京店が表参道から吉祥寺に移り、現在も、絶え間なく人が訪れる、地域の大事な場所となって存在している。今や親子二代、三代にわたって通う人も少なくない。

もう一つ、主宰である落合さんが開店当初から力を入れてきたテーマが、オーガニック食材だ。

「30代後半から40代初めにかけて体調の悪い時期がありました。ただ病院に行くと何ともなくて、いろいろな薬だけを処方される。その頃、医師で栄養学にも詳しい新居裕久さんという方が、『医食同源』という言葉を提唱されていて、心ひかれました。『医薬同源』という言葉が中国にあるのは知っていましたが、『医食同源』は珍しいなと。その考え方に共感しました」

病気を治す医療と食べ物は、本来根源を同じくするものであって、日頃の食生活が健康をつくる、という考え方。病気になる前に病気にならない食事をとりたい、まず安全で安心できる質のよい食べ物で体をつくっていきたい、落合さんはそう決めた。自身の健康もまず食べ物から始めようと思い、同時に、クレヨンハウスでもその考え方を具体的に広げ、深めていこうと決めたのだ。

クレヨンハウス東京店

1976年、東京・渋谷区神宮前で10坪の店舗から絵本の専門店としてスタートした「クレヨンハウス」。2022年に吉祥寺に移転した。

ビュッフェスタイルのランチ

クレヨンハウス1階のオーガニックレストラン「広場」では、日替わりでビュッフェスタイルの食事を提供。素材を生かした丁寧な味が大人気。

1970年代半ばから、地道に販売を続けてきたオーガニックの野菜や調味料など食材の数々。1階にはそれらも所狭しと並べられている。

人間の感受性が本で出来上がるならその体は食べ物で出来上がるんです

「読んでいる本で人間の感受性や論理性が徐々に形づくられ出来上がっていくなら、食べているもので体は当然出来上がる。そう考えたら、クレヨンハウスでも、どうしてもオーガニックの食事を出したいと思いました」

しかし最近でこそオーガニックは浸透してきて、さまざまな食材が手に入るようになったが、最初の頃は生産者のもとにもよそに卸すほどはなかった。クレヨンハウスのスタッフはとにかく生産者を探しては「ノックしてノックして」かけ合うのだが、彼らは首を縦に振ってくれない。

「生産者さんは作家なんですよ。一般のレストランに卸してしまうと、自分たちが大切に作っている食材がオーガニックではない他の食材とまざって提供されてしまう。それが嫌だと。その頑固さも、素晴らしかった。私も頑固なので、何度もお願いして、取り組みを見ていただいているうちに、『じゃあ、自分で八百屋をやりなさい』って言われました。『自分の八百屋で仕入れて、それを材料で使うのが一番安心ですよ』と。それで有機野菜を売りながら、その野菜を使った料理を出すシステムを始めました」

結果、クレヨンハウスのレストラン「広場」は、国内で第1号のオーガニックレストランJAS認証事業者となった。まさに草分け的存在だ。

撮影/柴田和宜(主婦の友社) 取材・文/志賀佳織

※この記事は「ゆうゆう」2025年7月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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