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夫が先に亡くなった場合、遺族年金はいくら? ほとんどの人が勘違いしている5つの重要ポイント

  • 2025.9.29

夫が先に亡くなった場合、遺族年金はいくら? ほとんどの人が勘違いしている5つの重要ポイント

定年後にお金に困らず生活するにはどうすればいい? 自分の好きなように生きていくための基盤は、やはりお金。ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さんの話題の新刊『ひとりで自分資産はつくれる 52歳からお金を貯める・増やす』から、そのヒントを抜粋してお届けします。第2回は、遺族年金について。

遺族年金に期待しすぎると、足をすくわれる

夫婦で暮らしていても、最後まで一緒にはいられません。男女の平均寿命からいって、夫が先に亡くなる可能性も。

「遺族年金があるから大丈夫」と安心するのは禁物です。

自営業の夫で年金が国民年金だけなら、18歳未満の子ども※がいない場合、遺族基礎年金はありません。

会社員など厚生年金加入者なら子どもの有無や年齢にかかわらず遺族厚生年金はありますが、金額は夫の老齢厚生年金の75%です。

たとえば、夫婦の老齢年金が月29万円(夫・老齢厚生年金15万円+老齢基礎年金7万円、妻・老齢基礎年金7万円)の家庭で夫が亡くなった場合、年金額は月18万2500円(遺族厚生年金11万2500円+妻の老齢基礎年金7万円)まで減。

また、夫婦共働きの場合、遺族厚生年金は、夫婦の老齢厚生年金の差額分だけです。妻の老齢厚生年金のほうが多い場合は、遺族厚生年金はありません。自分のケースで計算しておきましょう。年金事務所でも教えてもらえます。

※18歳未満の子とは、18歳になった年度の3月31日まで
遺族年金制度は改正が予定されています

遺族年金カン違いあるある

「夫の老齢厚生年金がそのままもらえるんでしょう?」

遺族厚生年金は夫の老齢厚生年金の75%。
夫婦でいるときより、確実に年金額は減ると考えておきましょう。

「共働きだから、2人分の老齢厚生年金がもらえるの?」

もらえません。

夫の老齢厚生年金の75%が妻の老齢厚生年金より多い場合、その差額が遺族厚生年金になります。
少ない場合、遺族厚生年金はありません。

「夫が亡くなったら翌月からすぐもらえますよね」

遺族年金は亡くなった月の翌月分から。
ただし、手続きに約50日かかるため、実際に受け取れるのはそのあとになります。

「市役所へ行けば手続きできる?」

市役所で手続きできるのは、国民年金だけ。
厚生年金の手続きは、年金事務所または街の年金相談センターで行います。

「夫の年金は国民年金だけ。それでももらえるの?」

国民年金のみ加入の人は遺族基礎年金は、18歳未満※の子がいる場合だけ。
いない場合は、遺族基礎年金はありません。

<例>夫の老齢厚生年金が月15万円の場合の遺族厚生年金

【妻が専業主婦の場合】
15万円×75%=11万2500円
夫が生計を維持していて妻が専業主婦の場合、遺族厚生年金は夫の老齢厚生年金の75%で、11万2500円。

【妻も働いている・働いていた場合】
・妻がパートで夫の扶養に入っていた場合
15万円×75%=11万2500円
扶養内で働いていた場合は専業主婦と同じで、夫の老齢厚生年金の75%。

・妻の老齢厚生年金が月8万円
11万2500円-8万円=3万2500円
妻の老齢厚生年金より夫の老齢厚生厚生年金×75%のほうが多い場合は、その差額が遺族厚生年金に。

・妻の老齢厚生年金が月12万円
15万円×75%=11万2500円より多いため遺族厚生年金はなし
妻の老齢厚生年金のほうが夫より多いと、遺族厚生年金はなし。妻の老齢厚生年金のみに。


夫・妻に先立たれても困らない心づもりと資金準備をしておきましょう!

※この記事は『ひとりで自分資産はつくれる 52歳からお金を貯める・増やす』井戸美枝著(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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