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子どもの多汗症、放っておかないで!快適に過ごす工夫と治療について小児外科専門医竹内先生にお伺いしました

  • 2025.9.26

子どもが汗っかきで悩んでいる。ニオイも気になるみたいで、どうにかしてあげたい。だけど、どうすればいいんだろう?何か方法はあるの?そんな悩みについて、たけうちファミリークリニック院長の、竹内雄毅先生にお伺いしました。

ママ広場

診察室でよく聞く子どもの悩み

小児科の診察室では、汗にまつわるさまざまなお悩みを耳にします。
「テスト用紙が濡れて破れてしまう」
「遊具で手がすべって危険」
「ピアノで鍵盤がすべり、練習がしにくい」
「靴下がすぐに濡れてしまい、においや蒸れが気になる」
「友達にからかわれる」
いずれも日常生活の中で子どもたちが直面する「多汗」による困りごとです。実際に、お子さんにもこのようなお悩みはありませんか?
多汗症は命にかかわる病気ではありませんが、放置するとあせも、かぶれ、水虫(白癬)や細菌感染などの皮膚トラブルの原因となります。また、自己肯定感の低下や人間関係の不安といった心理的なリスクにつながります。
そしてもう一つ大切なのは、「多汗症には治療法がある」ということが意外と知られていない点です。つい「体質だから仕方ない」と思われがちですが、実際には生活の工夫や医療的なアプローチによって改善できる可能性があります。

多汗症とは

日本皮膚科学会の「原発性局所多汗症診療ガイドライン2022」では、多汗症は「身体の局所において日常生活に支障をきたす程度に過剰な発汗が認められる状態」と定義されています。
大きく二つのタイプがあります。
原発性局所多汗症
手のひら・足の裏・わきなどに左右対称に発汗が見られます。小児期から思春期にかけて発症することが多く、自律神経の過活動や遺伝的要素が関与すると考えられています。
○続発性多汗症
甲状腺機能亢進症、糖尿病、神経疾患、感染症など、他の病気が背景にあるタイプです。この場合は、原因疾患の治療が優先されます。

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日常生活でできる工夫

完全に予防することは難しいですが、次のような工夫で快適に過ごしやすくなります。
・吸水性の良いタオルやハンカチを常に持たせる
・通気性の良い靴・靴下を選ぶ
・子ども用の低刺激の制汗剤を使ってみる
・体育や作業で困るときは、学校の先生に相談して配慮をお願いする

治療の選択肢

医療機関に相談する場合は、小児科や皮膚科で相談できます。症状の重症度や部位、年齢によって治療法は異なります。
まず試みられることが多いのが外用薬です。作用機序は、汗を出す信号を受け取る「受容体」をブロックすることで発汗を抑えるというものです。
現在は部位ごとに使える薬が整ってきており、わきの多汗症には塗り薬やシート型の薬、手のひらの多汗症には就寝前に使う塗り薬があります。いずれも保険適用があり、子どもの症状や生活で困っている部位に応じて選択します。
このほかの治療として、イオントフォレーシス(手足を水に浸けて微弱な電流を流す方法)や、ボツリヌス毒素注射(わきの多汗症に対して保険適用、概ね12歳以上が対象)がおこなわれることもあります。

まとめ

子どもの多汗症は、命に関わらないからと軽視されがちですが、学習や遊び、人間関係など日常生活に大きな影響を与えます。「体質だから」と諦める必要はなく、生活の工夫や医療で改善できる可能性があります。もし「困っている」と感じたら、一人で抱え込まず、小児科や皮膚科に相談してください。お子さんの生活の質を守るために、早めの一歩が大切です。

出典:日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2022」

※記事の作成にあたって、文章の整理や読みやすさの調整に生成AIをサポートツールとして使用しています。

執筆者

プロフィールイメージ
竹内雄毅
竹内雄毅

医学博士・小児外科専門医。京都府精華町「たけうちファミリークリニック」院長。京都府立医科大学小児外科客員講師。

小児科・小児外科の診療に加えて、地域の子どもを安心して預けられる病児保育を運営し、さらに絵本の読み聞かせや離乳食教室、ベビーマッサージなどの子育てイベントも展開している。クリニックを「行きたくない場所」ではなく「行きたくなる場所」に変えることを目指し、医療を軸としたコミュニティデザインに力を注いでいる。現在は、隣接地に人が自然に集まり安心して交流できる広場の構想を進めており、家族と地域が互いに支え合える環境を形にしていこうとしている。

京都府精華町「たけうちファミリークリニック」 ホームページ

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