1. トップ
  2. エンタメ
  3. 【市川染五郎さんインタビュー】美しくもはかない恋愛模様を描く玉三郎×染五郎の王朝絵巻

【市川染五郎さんインタビュー】美しくもはかない恋愛模様を描く玉三郎×染五郎の王朝絵巻

  • 2025.9.24

Somegoro Ichikawa市川染五郎

出典:シティリビングWeb

昨年、歌舞伎座を熱狂させた人気公演「源氏物語 六条御息所の巻」が新作シネマ歌舞伎として公開される。現代の女方最高峰・坂東玉三郎さんと歌舞伎界のプリンス・市川染五郎さん共演の超!話題作。年代もキャリアも異なる二人だが、玉三郎さん演じる六条御息所は、「上様、上様」と愛する源氏を慕う姿がいじらしく、染五郎さん演じる光源氏は、大人の男性の包容力たっぷり。

「演じるにあたり、自分の若さを出していいのか迷いながら、御息所を包み込む柔らかさを出したいと思っていました。玉三郎のお兄さんから、源氏の声は私が思うより低い声でと教えていただいて、セリフに角がなくなるよう演じました」

御息所は正妻のいる源氏を愛するがゆえに嫉妬に苦しみ、生霊となって、正妻・葵の上のもとへさまよう。

「葵の上を苦しめますが、御息所が悪人というわけではない。御息所の執念から生まれた生霊が行っていることなんです。歌舞伎は勧善懲悪の作品が多いですが、この作品は善人・悪人では分けられない。だからこそリアルで、現代の感覚にも響くと思います」

舞台演出がとてもシンプルです。

「きれいでしたね。場面が変わったことを表すのに、照明の力がとても大きかったと思います。幸せな場面は最大限に明るくして、舞台にいてもまぶしいぐらいでした。逆に生霊の場面はかなり暗くして、雰囲気が一変します」

シネマ歌舞伎ならではの見どころを。

「俳優の演技も近くで見られますし、舞台のライブ感をそのまま感じていただけると思います。玉三郎のお兄さんも編集から入られて、作り直すような感じでこだわっていらして。終演後に別撮りしたシーンも加わっています。舞台美術や衣裳、音楽など、あの時代の様式美を舞台で見るよりも間近で楽しんでいただきたいです」

今後はどんな役を?

「私の生まれた高麗屋という家は、割と線の太い役をやってきた家です。中でも勧進帳の弁慶は一番目標としている役。今はいただいた役を積み重ねていって、自分だけの俳優像をつくっていけたらと考えています」

市川染五郎さんの“働く”インフラ

仕事をする上で大切にしていることは?

お芝居で表に立つのは俳優ですが、裏方さんや劇場スタッフがたくさんいて、見てくださるお客さまもいて、いろいろな人が関わって一つの舞台が出来上がっています。その全員、一人一人にリスペクトの気持ちをもってやっていくことを大切にしています。

うまく行かないときは、どう乗り越えていますか?

とにかく、「やるしかない」と思ってやっています。舞台は、どうあってもやらないという選択肢がないので。“やらない”選択肢がないのだったら、選択肢は“やる”しかないので、“とにかく、やる”。そうしていると、気づいたらできるようになっていることもあって、それが自信にもなっていきます。あまり結果を恐れず、失敗してもいいからやる。そう意識しています。

Check

シネマ歌舞伎「源氏物語 六条御息所の巻」

出典:シティリビングWeb

時は平安の世。光源氏(市川染五郎)は美しく品格と教養を持つ愛人・六条御息所(坂東玉三郎)を訪れ、花見や連れ舞に興じ、久方ぶりの再会を喜ぶ二人。しかし御息所は光源氏の正妻・葵の上(中村時蔵)の懐妊をねたみ、源氏が屋敷を去ると、次第に嫉妬に狂ってしまい…。昨年10月、歌舞伎座で連日大盛況の舞台を映画館で

出演者:坂東玉三郎、市川染五郎、中村時蔵、

中村歌女之丞、中村亀鶴、坂東彌十郎、中村萬壽

PROFILE

2005年、十代目松本幸四郎の長男として東京に生まれる。2007年「侠客春雨傘」で初お目見え。2009年「門出祝寿連獅子」童、後に孫獅子の精で初舞台。2018年「勧進帳」源義経ほかで八代目市川染五郎襲名。2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」木曽義高役で話題に。“顔よし声よし姿よし”の歌舞伎界のプリンス

取材・文/大石登子、撮影/松竹株式会社、ヘアメイク/桂川あずさ、スタイリスト/中西ナオ

元記事で読む
の記事をもっとみる