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【田中みな実インタビュー】「自分に飽きない」が人生のテーマ

  • 2025.9.22

田中みな実がいつまでも進化し続ける理由とは?「自分に飽きない」が人生のテーマ

「受け入れる」。今回、数回にわたって行った取材の中で、幾度となく発した言葉であり、それは肌に対してだけではない。成長を止めない勢いと、しなやかさが調和する魅力を深掘り。

「いっぱい笑う人って魅力的!」

田中みな実さん

苦手だという笑顔が最高に美しい理由

「VOCEをはじめ、ビューティ誌に出させていただくようになったのがここ7年ほど。当初は、“こうありたい”というこだわりが多かった。顔は左振りがよかったし、アイラインの長さ、前髪の流し方、自信がないから失敗のない自分を慎重につくり込んでもらっていました。でも、たくさんの現場を経験するうちにわかったのは、その道のプロを信じて委ねていれば間違いないということ。ヘアメイク、スタイリスト、カメラマン、編集部……その方たちが提案してくれることを素直に受け入れてみたら、新しい自分に出会えた。それはきっと読者の皆さんにとっても新鮮で、喜んでもらえるものなんじゃないかなって。ここ数年は特に、新たなヘアメイクさんとの出会いによって“いつもの田中みな実”から脱却できて、今までになかった自分を引き出してもらっています。どんな自分も楽しめている、今の私がもっと好き」

アナウンサーから俳優に転職した理由も、やはり“自分に飽きない”ため。

「決して飽きっぽいわけではなく、でも居心地がよくなってくると、この先成長がないのでは?と怖くなる。いつでももっと成長がある、可能性があると思っていたいから、環境や、やっていることに慣れてしまうと、何かを変えるタイミングなんじゃないかと変に焦りが出てきてしまって……。“一番いい時期なのにどうして?”と周りからは不思議がられるけど、自分の中で終わりが近づいているのを感じたら、“新しいことに挑戦しなければ”と、動き出す準備を始めてしまう」

「そんなこんなで始めた俳優業は、飽きる暇もないほどハードで、いつまで経っても手応えがない。ただ、次から次へと環境が変化するのは性に合っているみたい。通常、連ドラなら3ヵ月周期で人も環境もまるっと入れ替わり、生活リズムも一新されます。新たな作品に入るたびに、別の課題を突きつけられる点も含め、飽きることなど一生ない気がする。芝居の仕事において、持ち前の“こだわり癖”はまだ影を潜めています。何もわからず、何の実績もない私に、こだわりもへったくれもないから。作品選びは事務所の社長に委ねて、信じて現場に飛び込んでいます」

「逆にビューティ誌は、ありがたいことに長年携わらせていただいているから、今回もまた、あれこれ企画をご提案して、ガツガツ意見を出させてもらいました。編集部の皆さま、今回も想いを形にしてくれてありがとう! 今の時代、過去の記事の切り抜きがSNS上にわんさか出てくるから、“また同じ”って読者の皆さんに飽きられないように、今回もとびっきり面白いもの、新たな情報満載の誌面を目指して全員で取り組みました」

田中みな実さん

撮影の合間、何度もハッとさせられたのが、人並み外れた完璧な肌と、人間らしい表情の対比の美しさ。

「仕事上求められる、どんな表情にも対応できる顔でありたい。少しの違和感が作品のノイズになり得るなら、表情に影響が出るような美容施術には、手を出さないつもりです(今のところは……)。もともと表情豊かなほうではなく、笑顔も苦手。けど、愛犬との生活が始まってからは、自然と笑みがこぼれる瞬間が増えました。ふとした表情や仕草が愛おしくてたまらなくて、もうデレデレ。口角緩みっぱなしです。あ、自分のラジオ番組の収録中もよく笑っているかも。電波にのせてはいけないような、悪魔みたいな私の高笑いが轟いています(笑)。そして放送を聴いて、また笑っちゃう。最近はradiko、ポッドキャスト、オーディブルなどの音声メディアを聴くことが増えました。音のメディアって、想像力を掻き立てられるし、誰かの笑い声につられて笑っちゃう」

強くてしなやか、揺るがない安定感と余裕。今の彼女から漂う心地よい空気感の秘密も知りたいところ。

「仕事ではストレスを感じないのに、プライベートの人間関係では疲弊しがち。向き合いすぎたり、関係に依存してしまうとストレスが生じるからと、気づいたときには、大切な人はとても少なくなっていました。たしかに、人間関係はとてもシンプルで楽になったけど、どうしようもなく落ち込んだとき、寂しい夜に気楽に連絡できる友人は、もうほとんどいない。自分でどうにか切り替え、乗り越えるほかなくなりました。ドラマを観たり、愛犬との散歩で気持ちをリセットしたりね」

「ただ、人付き合いの幅が狭まったぶん、大切な人たちひとりひとりに惜しみない愛情を注げるように。適切な距離を保ちながら、友人関係を育めるようになりました。困っていたら全力で助けになりたいと思える友人がいることを誇りに思う。一緒にいると、大きな声で“アハハハー!”ってどんなことでも笑い飛ばしてくれる彼女たちの存在にとても救われています。悩みを打ち明けていたはずが、気づけば私も大笑いしていたりして。人に傷つけられ、人に救われる。人間ひとりでは生きていけないから、今そばにいてくれる人たちを、読者の皆さんを、心から大切にしたい」

「大切な人たちに惜しみない愛情を注ぎたい」

田中みな実さん

VOCE読者からみな実さんに相談!

みな実さんへの質問を募集したところ、多数寄せられたのが“マインド”に関すること。彼女らしい視点での真摯なアドバイス、いただきました。

【お悩み1】いずれシワも白髪も出てくると思いますが、そういったエイジング的な見た目の変化、どのくらい許容できますか?

田中みな実さん

なるべく自然な形で抗います! ヘアカラーが白髪染めに限られたり、選択肢が狭められていくのは考えるだけで落ち込んでしまいそう。でも悲観してばかりもいられないから、何かいい方法がないかを模索し、本当に悩んだときのための頼れる場所を今のうちから探しておく。まだ必要なくても実際に行って体験しておくのもあり。その道のプロは必ずいるもの。必要な情報をつかみ取り、自分を安心させられる材料を確保しておけば、ただただ不安がっているよりずっと穏やかな気持ちで、そのときを迎えられそう。


【お悩み2】私は自分自身に弱いです。強くなる方法を教えてください!

田中みな実さん

弱いのは意志のことかな? それなら何かひとつ、好きなことでいいから継続してみるのはどうでしょう。たとえば、週に1本映画を観ることを1年続けたら、映画にめちゃくちゃ詳しくなって自信が持てそう。いつしか、その経験で得たものが自分の強みになっているはず。てっとり早く強くなりたいなら運動もあり。体力をつけて物理的に強くなる。キックボクシングとか、サーキットトレーニングって、精神的にもかなり鍛えられるし、頑張った自分を好きになれる。弱いって決めつけないで、ちょっとだけ冒険してみる?


【お悩み3】30代に入り、周りは結婚、出産とライフステージが変わり、自分はこのままでいいのかと考えるように。みな実さんは、どう向き合いましたか? 常にご機嫌でいられるよう心がけていることは?

田中みな実さん

常にご機嫌でいなくてもいいけど、周囲に気を遣わせたり、不快感を与えるのはよくないよね。周りとの差がどんどん大きくなることに焦るのは当然のこと。けど、結婚していてもいなくても、子供がいてもいなくても、みーんな、このままでいいのかなって悩んでると思うんだ。私はしっかり向き合うことをしてこなかったけど、40歳という年齢が近づいてきた今、体の仕組みとしての現実を突きつけられて、選択肢が狭まっている事実に気づかされて、焦る……というよりも呆然としちゃってる。30代の皆さんに伝えたいのは、早めにあらゆる可能性についてよく考えてほしいということ。たとえば、卵子凍結。他の誰かの意見を鵜呑みにせず、自分で調べて、納得して、リスクも知ったうえでどうしたいかを決めてほしい。これからの人生の為に、自ら選択して、責任を持つ。これが、私がうっかり後回しにしてきてしまった、30代の課題かも。


【お悩み4】30代での価値観の変化を知りたいです

田中みな実さん

大きな壁にぶち当たったり、大きな失敗を経験しない限り、そうそう価値観って変わらない気がする。20代後半で体もメンタルもボロボロになる出来事を経験して、初めて睡眠、食事、運動など、当たり前のことができない恐ろしさに気づかされました。30代は、そういった基礎的なことを大切に、丁寧に生きてみたら、とっても調子がよくなって仕事のパフォーマンスも上がりました。振り返ってみれば、あのときの経験があったおかげで大事なことに気付けた気がします。とにかく、何をするにしても体が資本。あなたを大切にしてあげられるのはあなただけです。


田中みな実さん

撮影/菊地泰久(vale.) ヘアメイク/林由香里 スタイリング/西野メンコ 取材・文/楢﨑裕美

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