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「宇宙は壮大」皆既月食を見つめた深夜の3時間…絶景写真8枚でお届け 北海道・十勝ならではの風景も

  • 2025.9.20

数多くの「絶景」を持つ北海道。
観光情報にはなかなか載っていない、「日常の絶景」も多くあります。

今回は、HBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した、皆既月食の写真をお届けします。

連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」

3年ぶりの皆既月食

2025年9月8日、国内で3年ぶりに皆既月食が見られる!!ということで、一週間前から天気予報をチェックしていました。

皆既月食とは、太陽と月と地球が一直線に重なり、月が地球の影に隠れてしまう、珍しい現象のことです。

前日の天気予報で、十勝平野は晴天の予報!

「これは撮影に行くしかない!」と、どんな写真が撮影できるかワクワクしながら行ってきました!

今まで見たことがなかった、神秘的な月の光景を、皆既月食のダイジェストとしてお送りいたします。

満月からスタート

今回、皆既月食が始まる時間は午前1時27分と深夜帯でした。

少しでも睡眠を取ろう!と2時間だけ仮眠をし、家を出発したのは深夜0時半頃。

向かった先は音更町の「十勝ヶ丘展望台」です。

十勝川温泉の近くにある展望台で、十勝平野を見下ろせる場所です。私がよく撮影でお世話になる場所です。

Sitakke

・撮影日:2025年9月
・場所:音更町

・シャッター速度 1/100
・絞り f/14
・ISO 100

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

空は多少の雲はありつつも、月はきれいに見えていました!

まずは月食が始まる前の満月の光景です。

Sitakke

・撮影日:2025年9月
・場所:音更町

・シャッター速度 1/160
・絞り f/13
・ISO 100

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

午前1時半を過ぎた頃、満月の上の方から徐々に地球の影が重なってきました。## 進む皆既月食、ターコイズフリンジ

Sitakke

・撮影日:2025年9月
・場所:音更町

・シャッター速度 1/100
・絞り f/6.7
・ISO 100

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

午前1時50分過ぎです。

満月が半分くらい地球の影に隠れました。半分まで隠れるまで想像より早く進んだ感覚でした。

そして満月だった月がどんどん地球の影に隠れていく。

自分も地球上にいる中で、見ていてとても不思議な感覚に陥った瞬間でした。

宇宙は壮大。

そしてそこから20分後。とっても幻想的な現象を撮影できました。

Sitakke

・撮影日:2025年9月
・場所:音更町

・シャッター速度 1/3
・絞り f/6.7
・ISO 200

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

午前2時10分頃、月の上部の方が地球の影に隠れ、赤銅色に変化してきています。

そして下部の方はまだ月としての輝きを残し、光の色を分けるように、青色の線が入っています。

この幻想的な現象を「ターコイズフリンジ」と言います。

一説によると、成層圏のオゾン層に赤色が吸収されて、それにより青色の光が残り、月面が照らされ、このような現象になるよう…です。

……んーー!宇宙は難しい!でもとにかくきれい!

「こんなビー玉があったらな。」

見ていると月に吸い込まれていきそうなほど、きれいで幻想的。

目視でも見えると言いますが、僕が確認できたのは、撮影が終わってから写真をレタッチしているときでした。

この一枚が撮影できたことで、今回の撮影はほぼ成功です!

フィナーレ 食の最大へ

Sitakke

・撮影日:2025年9月
・場所:音更町

・シャッター速度 1/2
・絞り f/6.7
・ISO 640

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

午前2時20分頃、夜も深まり、その後も月はどんどん地球の影に入っていきます。

あともう少しで皆既月食のフィナーレ「食の最大」時刻です。

Sitakke

・撮影日:2025年9月
・場所:音更町

・シャッター速度 1/2
・絞り f/6.3
・ISO 5000

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

午前3時10分過ぎ、「食の最大」を迎えました。
満月が地球の影にすっぽりと入りました。

月の本来の黄金色の輝きは変化し、濃い赤銅色へと輝き始めました。

目視でも分かる赤銅色。
初めて見た神秘的な月の姿にただただ感動。

地球の影に隠れることで浮かび上がる別の姿。
眠い目をこすりながら、撮影した甲斐がありました。

「食の最大」の時間もあっという間で、朝方にかけて、少しずつ本来の月の明るさへと戻っていきました。

日高山脈と皆既月食のコラボレーション

Sitakke

・撮影日:2025年9月
・場所:音更町

・シャッター速度 2/5
・絞り f/6.3
・ISO 2500

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

十勝ヶ丘展望台を撮影場所に選んだ理由は、「空が開けていて皆既月食を撮影しやすい」。

もう一つの理由は、「日高山脈と皆既月食のコラボレーション」を狙っていたからです。

午前4時半近くの明け方の空に、日高山脈がうっすらと浮かんできて、狙い通り、あと少しで終わる皆既月食の月と撮影ができました。

明け方のうっすら青い空に、月の輝きがとても美しかったです。

Sitakke

・撮影日:2025年9月
・場所:音更町

・シャッター速度 4.0
・絞り f/6.3
・ISO 5000

・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom

いかがでしたでしょうか?

3年ぶりの皆既月食。

平日の夜中の時間帯だったので、次の日の予定を考えると見れなかった方が多かったのではないでしょうか?

そんな方に私が撮った写真で何か雰囲気が伝われば幸いです。

次回の皆既月食は2026年3月3日だそうです!
真冬の時期ですが、またどこかの撮影ポイントで狙って見ようと思います。

ご覧いただきありがとうございました。

連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」

撮影・文:HBC帯広放送局 大内孝哉
2015年からテレビカメラマンとして、主にニュースやドキュメンタリーを撮影。担当作品に映画/ドキュメンタリー「ヤジと民主主義」「クマと民主主義」や、ドキュメンタリー「核と民主主義」「ベトナムのカミさん〜共生社会の行方〜」「101歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~」など。
2023年10月から帯広支局に異動。インスタグラム@takayasunset0921では、プライベートで撮影した北海道の写真を公開中。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は記事執筆時(2025年9月)の情報に基づきます

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