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1万人の貧乏ゆすりからわかったこと!イライラを消す3つの簡単習慣とは?【心理学者が伝授】

  • 2025.9.19

1万人の貧乏ゆすりからわかったこと!イライラを消す3つの簡単習慣とは?【心理学者が伝授】

「小さなことでくよくよするな」と言われますが、くよくよするのはとても人間らしいこと。恥じる必要はないと、心理学者の内藤誼人さんは言います。では、くよくよしたときは、何をすればいい? 話題の新刊『くよくよしたら手を洗おう。』から、抜粋してお届けします。第1回は、すぐにできる方法3選!

デスクワーク中は貧乏ゆすりで血流をアップして心と体を守る!

貧乏ゆすりは、行儀の悪い癖だと言われています。でも、そのイメージは、そろそろ時代に合わなくなってきているかもしれません。実は、デスクワーク中には、むしろ積極的に貧乏ゆすりをしたほうがいいという、興味深い研究結果もあるのです。

英国ロンドン大学のガレス・ハガー=ジョンソンは、イギリスの中高年女性1万名以上を対象に、座る時間の長さと、日常的に「そわそわ動く(貧乏ゆすり)」頻度の関係を分析しました。12年後に追跡調査をしたところ、1日に7時間以上座って仕事をしている人は、5時間以下の人に比べて約30%も死亡リスクが高いことが判明しました。ところが、貧乏ゆすりなどでそわそわ動いていた人には、そのリスクが見られなかったのです。

座りっぱなしの姿勢では、下半身の血流が滞り、代謝も落ちやすくなります。こまめに休憩をとれればよいのですが、忙しいときにはそうもいきません。そこで注目されるのが、貧乏ゆすりというわけです。

音を立てなければ周囲の迷惑にもなりませんし、血行がよくなれば脳にも酸素が届いて集中力や作業効率もアップ! とくに座りっぱなしになりがちな人ほど、足を小さく動かしてみてください。ちょっとした動きでも、体はきちんと反応してくれます。

イライラしたときは足の裏に注意を向けると、怒りがすっとおさまっていく

腹が立つことって、日常のあちこちにひそんでいます。レジが混んでいるとか、約束をドタキャンされるとか、同僚のうっかりミスで残業する羽目になるとか。でも、そのたびに怒っていたら、不機嫌な感情に支配されて、メンタルも下降してしまいます。

イラッとしたら、意識を足の裏に飛ばしましょう。このおもしろい習慣の効果は、米国ジョージア州にあるオーガスタ大学のナーバイ・N・シンが立証しています。

シンは、軽度の知的障害と精神疾患のある男性に、「足の裏の瞑想」というマインドフルネスの技法を教えました。怒りを自覚したら、深呼吸しながら足裏に意識を向けるというシンプルな方法です。この練習を続けた男性は、6カ月で攻撃行動がなくなり、その後も1年間落ち着いた行動を保ったと報告されています。

この技法は、今では怒りをコントロールするトレーニングとして、福祉や教育の現場などにも広がっています。「足裏」というふだん意識しない場所に注意を向けることで、感情の爆発を防ぎ、冷静さを取り戻しやすくなるのです。

怒りのパワーは強力ですが、コントロールできれば QOL(生活の質)はグッと上がります。感情に飲み込まれそうになったら、「足の指はどうなっている? 足の裏はどんな感覚?」と全集中。グラグラした気持ちが、すっと整っていくはずです。

何かをじっと2分間見つめると、悩みがスーッと消えていく

「今日の商談、うまくいかなかったな......」
「さっきの部長の態度はいくらなんでもひどすぎる......」

不愉快なできごとは、終わったあとも心のなかで残り続け、なかなか離れてくれません。忘れようと思っても、頭のなかをぐるぐる回って私たちを悩ませます。

そんなときにおすすめなのが、「一点凝視」というシンプルなテクニックです。

ベンジャミン・ベアードは、当時在籍していた米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校で、「無意識の思考」をテーマに実験を行いました。79名の大学生を2つのグループに分け、両方に「過去の恋愛は思い出さないように。少しでも考えてしまったらボタンを押して」と指示。さらに片方のグループには、「画面の一点を見つめ続ける」ように伝えました。すると、一点を凝視したグループは、ボタンを押す回数が約半分に。つまり、無意識の思考にとらわれにくくなったのです。

この実験から、「考えまい」と意識すると逆効果になりがちで、視線などで意識を向ける「対象」があることで、余計な思考から距離をとれることがわかります。

凝視するのはペンの先や時計の針など、手近なもので十分。とにかく2分間、目を離さないことが肝心です。余計な思考がすっと消え、気分もスッキリしてきますよ。

イラスト/髙栁浩太郎

※この記事は『くよくよしたら手を洗おう。』内藤誼人著(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

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