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在住者厳選!ロンドン観光必見のウエストエンド舞台・ミュージカル【8選】

  • 2025.9.16

ロンドン観光でぜひ体験してほしいのが、舞台やミュージカル鑑賞。

世界最高峰のクオリティを誇り、海外からも多くの有名俳優が立つウエストエンドの舞台には、人生で一度は見てみたいと思える作品がたくさんあります。

「ウエストエンド劇場地区」と呼ばれるエリアは、約40もの劇場が集う、まさに激戦区。周辺には大英博物館やナショナル・ギャラリー、ヨーロッパ最大の中華街など、観光スポットも多数あり、ロンドン屈指の人気エリアとなっています。

今回は「王道を楽しめる代表的な作品」「親子で楽しめる作品」「筆者注目のイチオシ作品」の3つのカテゴリーに分け、年間20公演以上を観劇したロンドン在住の筆者が厳選した舞台・ミュージカルをご紹介します。

王道を楽しめる代表的な作品

ロンドンの宮殿劇場

ハリー・ポッターと呪いの子

日本でも絶大な人気を誇り、イギリスでもっとも有名な作品のひとつといえば『ハリー・ポッター』シリーズ。舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、主人公たちの物語の19年後を描いています。

今作品の中心となるのは、ハリー・ポッターの息子アルバスと、かつての宿敵ドラコ・マルフォイの息子スコーピウス。不穏な事件が相次ぐ魔法界で、アルバスが「偉大な魔法使い」であるハリー・ポッターの息子であるがゆえの葛藤、2人の間に芽生える友情、過去と現在を結ぶ物語が繰り広げられます。

筆者は日本公演を見た後、ウエストエンド公演も鑑賞しました。大筋のストーリーは変わらないものの、ウエストエンド版は上演時間が長いため、より細部まで物語が丁寧に描かれている印象です。それぞれ異なる魅力があり、日本公演をすでに観た方でも十分楽しめる作品になっていると思います。

舞台上で繰り広げられる魔法の数々は本当に不思議で、まるで自分も魔法界に足を踏み入れたかのよう。その仕掛けを紐解くべく、何度でも足を運びたくなります。『ハリー・ポッター』シリーズを知っている方はもちろん、あまり馴染みがない方でも、その迫力ある魔法演出にはきっと驚かされるはずです。

なお、日本公演(1公演:3時間40分)と異なり、ロンドン版は昼公演となる第1幕を観た後、劇場外での休憩を挟み、夜公演にあたる第2幕を鑑賞する形となります。立て続けに2公演、1日で計5時間以上の鑑賞となるため、余裕をもったスケジュール調整がおすすめです。

レ・ミゼラブル

舞台は19世紀のフランス。フランス革命後の時代を背景に、パンを盗んだ罪で投獄され、刑期を終えて出所するジャン・バルジャンの波乱の人生、そして人々の愛と苦悩を描いた壮大な物語です。

ミュージカル『レ・ミゼラブル』は、1985年にウエストエンドで初演されて以来、40年近い歴史を誇るロングラン作品。

2012年には映画化され世界的にその名が知られるようになり、日本でも根強い人気を集めています。実際に筆者が観劇をした際も、客席には多くの日本人観光客の姿が見られました。

公演が行われるのは、ウエストエンドにある劇場のなかでは比較的コンパクトなソンドハイム・シアター。しかしその限られた空間を感じさせないほど、場面毎に映画さながらのステージが展開され、キャストの迫真の演技と力強い歌声に圧倒されます。

とくに後半に繰り広げられるさまざまな仕掛けは必見で、ラストシーンは筆者も思わず涙が止まりませんでした。長年愛され続ける理由がよくわかる作品です。

2025年夏には世界中のキャストが日本に集結し、初の来日公演が実現するなど今後もますます注目が集まる『レ・ミゼラブル』。ロンドンで味わえる舞台の魅力を、ぜひ体験してみてください。

ウィキッド

ミュージカル『ウィキッド』は、2006年から20年近く上演が続く人気作。原作はライマン・フランク・ボーム著の児童文学『オズの魔法使い』を基に制作された物語です。

生まれつき緑色の肌をもち、類稀なる魔法の才能があるにも関わらず愛されることを知らない「西の悪い魔女」となるエルファバ。一方で、魔法の才能はないものの常に人気者で、金髪が特徴的な「善い魔女」となるグリンダ。対照的な2人の友情が描かれています。

2024年には映画『ウィキッド ふたりの魔女』が公開され、2026年には続編『ウィキッド 永遠の約束』を控えるなど、とどまることを知らないウィキッドの勢い。

筆者は舞台を観劇した後に映画も鑑賞しましたが、それぞれ異なる魅力がありました。舞台では役者の素晴らしい歌声に圧倒されるうえ、中盤〜後半にかけて巻き起こるドキドキの展開は必見です。

上演劇場は、ロンドン南西部のビクトリア駅周辺。ビクトリア駅は、イギリスの地方都市やガトウィック空港へ直通の特急電車が発着する大きなハブ駅で、周辺にはカフェやレストランも充実しており観劇前後の食事にも便利です。

親子で楽しめる作品

『マチルダ』上演劇場

マチルダ

児童文学で世界的に知られる、イギリスの作家ロアルド・ダールによる小説『マチルダ』を原作としたミュージカル。1996年に映画化され、さらに2022年にも新たな作品がネットフリックスで公開されるなど、長い歴史を持ちながら今も幅広い世代に愛される作品です。

物語の主人公は、読書好きな5歳の天才少女マチルダ。自分に無関心な両親や恐怖で子どもを支配する学校に立ち向かい、自らの知恵と勇気で明るい未来を切り開いていきます。

筆者が『マチルダ』を初めて観たときに強く印象に残ったのは、舞台装飾への徹底したこだわりでした。カラフルで緻密な舞台美術を見るだけでも、わくわくと心が躍ります。また子役が大半を占める作品のため、大人向けの作品に比べても言語の壁を意識せず、歌や視覚的に楽しめる演出のも魅力のひとつ。

『マチルダ』が上演されているケンブリッジ劇場は、コベント・ガーデン駅から徒歩4分という好立地。周辺にはホテルやレストラン、ファッションのお店が集い、観光と合わせてスケジュールに組み込みやすいですよ。

ライオン・キング

日本でも人気を誇る名作『ライオン・キング』。ウエストエンドでは1999年に初めて舞台版が上演され、2024年には25周年を迎えました。今ではウエストエンドを代表する、もっとも長く上演されている舞台のひとつです。

2019年と2024年には超実写版映画が公開され、世界中で愛され続けてきたディズニー作品。筆者は映画を観た後に舞台を鑑賞しましたが、「映画のあのシーンだ!」と胸が高鳴るシーンが多くあり、感動したのを覚えています。

この舞台の大きな魅力は、なんといっても緻密に作り込まれた衣装の数々。そして動物たちの動きや仕草をリアルに再現する、キャストの演技力に驚きを隠せませんでした。

とくに筆者のお気に入りはマンドリルのキャラクター、ラフィキ。物語を象徴する重要な場面を担う一方で、ユーモアを織り交ぜて笑いを誘ったり、観客を和ませる演技力に心を奪われました。

劇場は上述の『マチルダ』と同じく、ロンドン観光の中心地であるコベント・ガーデン駅周辺にあります。詳細なネタバレは避けますが、迫力と臨場感を存分に味わいたい方には、1階席の観劇をおすすめします。

スターライト・エクスプレス

ミュージカル『スターライト・エクスプレス』は1984年に初演され、ウエストエンドのアポロ・ビクトリア・シアターで18年間上演されたのち、2002年に一度幕を下ろしました。そして2024年、ロンドン西部に専用劇場を構え、待望の再演が実現しています。

物語の舞台は「子どもの夢の中」という斬新な設定。蒸気機関車や貨物列車など個性豊かな列車たちが主要キャラクターとなり、それぞれの葛藤や恋心を抱えながら夢を賭けたレースに挑みます。

この作品の最大の魅力は、他に類を見ないユニークな舞台構成。ステージが客席を囲むように設計されており、キャストがローラースケートで縦横無尽に駆け抜ける姿は圧巻。まるで自分も参加しているかのような臨場感を体感できますよ!

舞台や客席の様子はYouTube公式チャンネルからも確認可能です。

物語は子ども向けに脚本が作られている印象で、筆者が観劇した際も家族連れが大半を占めていました。親子で一緒に楽しめるミュージカルとして、とくに小さなお子様連れにおすすめしたい作品です。

現在上演されている会場は、キングス・クロス駅から電車で約30分のウェンブリー地区。ロンドン中心地ほどの賑わいはありませんが、周辺には世界的アーティストが公演を行うOVOアリーナや飲食店が点在し、観劇前後の時間も十分楽しめます。

筆者注目のイチオシ作品

アデルフィ劇場内

バック・トゥ・ザ・フューチャー

舞台は1985年のアメリカ。高校生のマーティ・マクフライが科学者ドクと出会い、タイムマシン「デロリアン」で1955年にタイムスリップするところから物語が始まります。

マーティが若き日の両親の出会いを妨げてしまったことで、自分の存在が消えてしまう危機に直面します。両親の恋を無事に成功させ、未来に戻れるのか。コミカルな演出を交えながら、ハラハラドキドキの展開が待ち受けています。

筆者自身、原作となる映画を観たことがなく事前知識もなかったため、正直あまり期待していませんでした。しかし観劇後は、まるでテーマパークのアトラクションを体験したかのような満足感。映画を知らない人でも十分に楽しめる、驚きの演出が随所に散りばめられています。

特に印象的だったのは、豪華な舞台セットの数々。現代技術を駆使した舞台装飾、ステージと映像の融合、舞台上で行われる実験演出、劇場全体を用いた照明効果など、長年愛され続けている理由が納得できる作品でした。

観劇後は、周囲の観客からも「すごかった」「度肝を抜かれた」といった感想が聞こえ、誰もがその迫力に圧倒されていました。

演出全体を楽しみたい方には、より全体を見渡せる2階席がおすすめ。とくにラストシーンで、あっと驚く演出がありますよ!

SIX

ウエストエンド発のミュージカル『SIX(シックス)』は、2019年に初演を迎えて以来、その人気の高さから2025年4月には映画化も果たした注目作。

6回もの結婚をした、16世紀のイングランド王ヘンリー8世。その波瀾万丈な女性関係を元にしたフィクションで、元妻となる6人が現代に甦り、ガールズバンドを結成して自らの人生を歌い上げます。イギリスの史実をポップにアレンジした物語で、ロンドンを訪れる際に観たい作品のひとつです。

公演時間が80分と観やすく、舞台の大半はキャストによるパワフルでキャッチーな楽曲。ミュージカルというよりコンサートのような臨場感で、女性の強さや儚さを表現した演出や歌詞に、心打たれること間違いなし。観劇後は自然とエネルギーをもらえる舞台です。

『SIX』が上演されているヴォードヴィル・シアターは、前述の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が上演されているアデルフィ劇場のすぐ真横にあります。

2025年11月には、日本キャストが逆輸入する形で当劇場でロンドン公演を行うなど、今後も期待が高い作品となっています。

旅の思い出に、ロンドンの舞台を楽しもう

最後に、観劇の際に知っておきたいポイントをご紹介します。

ロンドンの劇場の多くは、大きな荷物や外部の飲食物の持ち込みは禁止されており、入場時には荷物検査があります。一方で、劇場内のバーカウンターで購入したスナックやドリンクは、客席にも持ち込み可能な場合が多いです。幕間の休憩時には、季節問わずアイスクリームが販売されるのもロンドンの劇場ならではの光景。

また作品の関連グッズも入場後のロビーで販売していることが多く、ここでしか手に入らない限定アイテムもあるため、お土産探しにも最適です。

多くの劇場はロンドン中心地に集まっているため、観光とあわせて気軽に立ち寄れるのも魅力のひとつ。ロンドンを訪れる際は、ぜひミュージカルや舞台を旅のスケジュールに組み込んでみてください。忘れられない体験になるはずです!

All photos by Mari Ito

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