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有村藍里「完璧じゃなくても、立ち止まったっていい。“自分を好きになる”ということ」【最終回】

  • 2025.9.12

言葉と並んで、歩き続けてきた5年間

こんにちは、有村藍里です。連載「自分をもっと好きになるための“一歩”」が始まったのは、2020年の秋。当時のことを、いまでも覚えています。ファッション誌の『with』は、私が学生のころに母が愛読していて、私もこっそり読んでいました。そして年齢を重ねるにつれて手に取る雑誌も変わり、『with』も私の愛読誌のひとつになりました。だからこそ、with onlineで連載のオファーをいただいたときは、本当にうれしかったです。憧れだった雑誌の紙面にも載せていただいたことは、醒めないでほしい夢のようでした。

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連載を自分で綴ることになり、何を書けばいいのか、どこまで正直でいていいのか。言葉が上手く紡げなくて、画面の前で固まってしまった夜もありました。あのころの私は、美容整形をしてから一年ほどが過ぎ、長年のコンプレックスが和らいだことで、見た目だけでなく心の景色も変わっていました。もちろん、前向きな気持ちが一番大きかった一方で、変わったからこその新しい悩みも生まれていました。そんな“ありのままの自分”を書いていこうと思い、それから5年間、私の一週間はいつも言葉と並んで歩いていました。

「書く」ということが私に教えてくれたこと

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書くことは、言ってしまえば「自分との対話」でした。嬉しい日も、もやもやが晴れない日も、文章にすると、その理由が見えてくる。どこに悲しみがいて、どこにやさしさが残っているのか、言葉が私に教えてくれました。上手くいかないときほど、机に向かうことで、自分の機嫌の取り方を覚えました。この連載が教えてくれたのは、「言葉の力は目に見えない」ということ。書いている間、誰かの役に立っているかは分からない。見えないところで、灯るあかりになっている瞬間がある。ある日、あたたかい手紙を受け取りました。苦しい日々の中で、私の文章を読んで、頑張ろうという気持ちになっていたことが書かれていて、思わず息をのみました。便箋の文字に込められた、その人の暮らしや心の揺れが伝わってきて、私は深呼吸をして、目の奥がじんわり熱くなりました。いつも書きたいと思うことを探していました。心がざわつく日は、5分だけ向き合って書いてみる。そんな小さな工夫の積み重ねが、やがて習慣になりました。もちろん、途方に暮れる夜もありました。上手く言語化できずに、何度も消しては打ち直す。一文字も書けないときだってありました。私が大切にしていたのは、言葉の温度を測ること。読んでくださる方のことを考えながら、「この表現は誰かを置いてけぼりにしないだろうか」と何度も問い直す。その中で、私は「伝える」と「伝わる」は少し違う、という当たり前の事実に出会いました。届いてほしいところまで届くためには、相手の歩幅を想像すること。

誰かにそっと寄り添える文を紡いでいきたい

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5年前の私は、自分を好きになる方法なんて、具体的にどうすればいいのかは分からなかったと思います。いまでも完璧ではありません。でも、書きながら少しずつ、できなかった自分を罰しない練習をしました。昨日より一行でも前に進んだら、それは前進。立ち止まった日は、立ち止まる練習ができた日。そうやって、足りなさを抱えたままでも、進めるのだと知りました。ここで、あなたへ。忙しい日々のどこかで、この文章に数分を分けてくれたこと。上手くいかない日の私を、読んで見守ってくれたこと。共感してくれたこと。あなたがいてくれたから、私は書けました。本当に、ありがとうございます。この5年間、こちらから言葉を送り出すだけでなく、たくさんの言葉を受け取りました。感想やメッセージ、そっと置かれた一行のコメント。落ち込んだ日の支えは、「読んだよ」「分かるよ」という小さな灯りの連なり。言葉は一方通行ではなく、行ったり来たりして、いつのまにか心をあたためてくれていました。続ける勇気をくれたのは、読者の皆さまのやさしさでした。そして、連載を支えてくださった皆さまへ。原稿を整えてくださったことや、いつもそっと背中を押してくださったこと。そのおかげがあったからこそ、安心して書き続けることができました。ありがとうございます。この連載はここで一度、区切りを迎えます。でも、言葉で自分と向き合う時間は、これからも続けていきます。完璧じゃなくていい。眩しい日ばかりじゃなくていい。小さなあかりを見失わないように、これからも等身大の歩幅で進みます。あなたの歩く速さが変わる日も、立ち止まりたい日も、どうか自分にやさしくいられますように。私は、これからもブログで言葉を発信し続けたいと思っています。

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結果だけでなく、そこへ向かう途中の揺れや迷い、上手く言えない日こそ、沈黙に負けないように、短い一段でも積み重ねる。誰かの憂鬱な朝や眠れない夜にそっと寄り添える文章を、紡いでいきます。これまでいただいた時間を胸に、私はこれからも歩いていきます。5年分の言葉と歩いた時間は、いまの私を支える灯りになりました。読んでくださり、心からありがとうございました。あなたの明日が少しでも軽くなりますように。有村藍里

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