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【サラリーマンの悲喜こもごも】最新技術よりも「社内政治」が難しい!?技術系の奮闘記

  • 2025.9.11

突然ですが――「プロジェクトを進めるのは技術より人!」なんてセリフを聞いたことがありますか?ええ、まさにその通りで、私は某企業で4年ほど前から新しい技術を立ち上げているのですが、その現場で肌で痛感しているのが、結局は人。そしてそれにまつわる人間関係のほうがはるかに難しく大事というのが現実です。この人間関係は、仲良しこよしを良しとしている訳ではありません。べたべた飲みに行ったり、にこやかに…という訳でなくても全然よし。とにかく、進むべき道を邪魔しあったり、足の引っ張り合いをしない、建設的な人間関係をさしています。さて、私が関わっている技術は、細かいことはもちろんご想像にお任せしますが、AIだとかゴリゴリのプログラミングだとか、いかにも「未来っぽい!」と拍手されそうなプロジェクト。しかも複数の企業とコラボして億単位のお金も動いているので、表向きはものすごく華やかに見えるかもしれません。ところが!実態は、技術そのものよりも、むしろ技術以外の部分――たとえば、関わる部署の調整だったり、社内の力学だったり、上層部のご機嫌取りだったり――そういった部分が中心で、技術者としてのキャリアを歩んできた私にとっては、毎日「ちょっと違うな、こんなはずじゃなかったんだけどな」とつぶやきたくなる日々なのです。

技術よりも難しい「社内調整」という名のブラックボックス

プロジェクトを立ち上げると聞くと、多くの人は最新技術の話を想像するでしょうし、私自身も最初はそう思っていました。んが!実際に始めてみると、真っ先に待ち構えていたのは技術課題ではなく、部署ごとの思惑や利害の調整だったのです。「うちは忙しいから無理!」と突っぱねる部署もあれば、「そんな話、聞いてない!」と逆ギレされる部署もあり、さらに「ウチの利益にならないからパス!」と逃げる部署まで登場して、はいもう完全にカオス状態。このとき痛感したのは、とにかく大事なのは「社内政治」だということ。はい。弊社、ゴリゴリのジャパニーズ企業でございます。いかに他部署と折り合いをつけ、いかに「俺は聞いていない!」という爆弾を避けるかが、プロジェクトリーダーに課せられた最大のミッションなのです。技術を前に進めたいのに、気がつけば人間関係という迷路の中で立ち往生してしまう。――いや、誰だよこんなルール作ったの、と空を仰ぎたくなる瞬間の連続でした。そんな中、ちょっとショックなことが起こりました。ある日、社内食堂でひとりランチをしていたとき、背後からなにやら聞き慣れた単語が飛び込んできました。「この研修、なんで10日もやらされるのよ!」「最初は数日って聞いてたのに!」「忙しいのに、なんで私たちが巻き込まれるのよ!」――

食堂で聞いてしまった「本音トーク」

はい、完全にウチのプロジェクトの話です、ありがとうございます。しかもその声の主は、最終的にこの技術を運用することになる部署の女性陣。背中越しに聞きながら、私は心の中で「終わった……」とつぶやくしかありませんでした。なぜなら、彼女たちの不満が爆発すれば、プロジェクト自体の未来が危うくなるからです。ところが現実には、その部署とうちの部署の上層部は不仲で、まともな調整は期待できない。つまり調整係は誰になるのか。俺だ俺だ俺だーーーー!突然のタカトシ、失礼いたしました。そうなんです。ワタクシでございます。

「係長」に課せられた無茶ぶり

私は40代にして「係長」という肩書きをもらいました。えっ?同期の男性たちはどうしているか?係長なんていませんよ。課長になっていますよ。ほとんどが。要は、出世が遅いのです。遅れまくっています。普通なら20代や30代でもらうポジションですが、やっと40代の中ごろで頂いた次第です。野原ひろしもマスオさんも、立派に係長を務めています。そんな立場の私が、大金が動くプロジェクトの調整役を任されるというのは、どう考えても荷が重すぎるでしょう。各種調整の件、ナンバー2の上席に相談しても、返ってくるのは冷静そのものの言葉でした。「そうか、ぽにさん。その調整は君に頼んでいいかな。なにせ、あの部署とうちの部署のトップは折り合いが悪い。そこは君が動いて調整して」…いやいや、なんでやねん!と言いたいところですが、ここで「無理です」と言えるほどの胆力があれば、とっくに起業しているはず。結局は「分かりました」で飲み込み、また一つタスクが増える。それがサラリーマンという生き物の性なのです。そんなある日、今までヒラの時には気が付かなかったことに、ふと気が付くのです。日々、バタバタと調整に奔走していますが、係長になったこともあり以前よりすこーし、機密性の高い情報が共有されるようになりました。と言っても、ホントにすこーしですよ。ふと気づいたのは日本企業の不思議な構造でした。平社員から係長あたりまではバタバタと必死に走り回り、課長以上になると急に悠然としているゾーンに入るのです。機密性の高い会議に出ることによって、いや、あんまり機密性ってなくない?ん?そんなに決めることって常にある?んん?忙しさって、なんだろ。と思うようになりました。もちろん、課長でもバタバタゾーンにいる方もおられますが、基本、次長以上はお公家さんのようにスンとしているのです。今までは、自分がヒラだったので『何かされているハズ!』と思い込んでいましたが、どうやらそうではないのかも?なーんて思う時も出てきました。上の人たちはかつてのエースで実力者だったり、謎の気に入られ運出世だったり、真相は誰にも分かりませんが…とにかく、ある一定以上のポジションは【お公家さん】のように、イメージはひたすら蹴鞠(けまり)をしている感じ。しかもお1人で。今でいう、リフティングでしょうか。あら。だんだん話がズレてきたな。とりあえず、

ポジションが上がるにつれて、『暇』度合いが増している

ように見えるのは、なぜでしょうか。違ったならば、土下座して謝ります。何なら取引先に訪問させてもらった時、その会社のトップは暇そうな雰囲気を隠さずに、新聞なんぞ読んでおられました。うん。周囲の人はどう思っているのでしょう。謎です。とにかく、上に上がれば上がるほど、『暇』っぽくなるのは、もはや日本の会社のお家芸かもしれません。外資系であれば、トップに上がれない時点で、「あっ、いらっしゃらなくて大丈夫でーす」とレイオフ対象になるかもしれませんが、日本企業はそーゆーことしませんもん。まぁ、全部ひっくるめて、

サラリーマンのリアル、ここにあり

という感じです。ちなみに…私はかつて「管理職になりたい!」と燃えていた時期があり、管理職試験を受け、外部アセスメントで高得点を取りました。しかし社内事情で不合格となり(その年の女性の調整がかくかくしかじかだったと後で聞きました)、結局は、翌年なーんでもない所で係長に。ただ、小さな肩書でも背負わされる荷物は大きく、出世争いや忖度や不仲まで、全部ひっくるめて「会社」という生き物の一部にならざるを得ません。理不尽すぎて「もう技術だけやらせて!」と叫びたくなる日もありますが、これがサラリーマンの醍醐味。歯車万歳!ちょっと滑稽で、ちょっと切なくて、でもなんだか人間くさい――そんな現場を今日も生きています。結局のところ、技術は進化していくけれど、人間関係の調整は永遠にアナログ。AIや各種プログラムが社内調整をしてくれる訳ではない。上席達の不機嫌度合いをドラゴンボールのスカウターのように測る装置もない。提案を断られた時には、なぜその考えに上席が至るのかを推測しつつ、タイミングを見計らってもう一度トライ!四方八方に調整するのが歯車ってもんです。サラリーマンの皆さん、今日もバタバタゾーンで頑張りましょう。上の人は悠然と、下の人は必死に走る。それでも会社はなんだかんだで回っていく。ちょっと理不尽だけど、ちょっと笑える。そんな毎日を、今日も私は噛みしめながら進んでいます。現場からは以上です。ではまた。

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