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【50代からの防災】地震の被害を減らすためにやっておきたい「家の片づけ」とは?

  • 2025.9.10

【50代からの防災】地震の被害を減らすためにやっておきたい「家の片づけ」とは?

大きな地震が、いつ日本を揺るがすかわかりません。さらに地球環境の変化から、河川の氾濫や土砂崩れなどの風水害が毎年のように起きています。災害から命を守り、自分らしく暮らすために何をすべきか、防災のプロ・辻直美さんに伺いました。

お話を伺ったのは
辻 直美さん 国際災害レスキューナース

つじ・なおみ●国境なき医師団の活動で上海に赴任し医療支援を行う。帰国後、阪神・淡路大震災を経験して災害医療に目覚め、JMTDR(国際緊急援助隊医療チーム)にて救命救急災害レスキューナースとして活動。
現在はフリーランスのナースとして講演や防災教育をメインに、要請があれば被災地での活動も行う。

減災のための家の片づけ

下の写真は2018年の大阪府北部地震で被災した室内。当時、辻さんが住んでいたマンションの隣の部屋の状況だという。住人は家の外に出られなくなり、辻さんが窓ガラスを割って寝室に入った。

「防災仕様に整えていた私の部屋は、びんが数本倒れただけでした。同じマンションでも室内の備えで被害は大きく変わりますし、片づけの苦労だって全然違います。まずは1カ所、100円ショップの滑り止めシートを敷くことから始めましょう」

寝室の整え方

ものが落ちてこないか、家具は動かないか、睡眠中の安全を確保!

POINT
❶ペンダントライトは、なるべくチェーンを短くする
❷❸ラグの下やベッドの脚には滑り止めシートを敷く
❹クローゼットは就寝時だけロックする
❺たんすは床との間に転倒防止板を入れる

ベッドや布団の上にものが落ちてこないかチェック。照明はペンダントライトよりシーリングライトを選び、家具は動かないよう固定する。洋服に足をとられないよう脱いだ服はしまい、クローゼットの扉にはキャビネットロックをつけて服の飛び出しを予防。枕元には携帯電話と懐中電灯を必ず置いておこう。

玄関の整え方

構造自体が頑丈な玄関。極力ものを置かず、逃げ口として確保!

POINT
❶下駄箱の上の小物類は耐震マットなどで固定
❷防災リュックは玄関に置いておく
❸玄関マットは敷かない

玄関は逃げ口として確保するため、極力ものを置かないこと。下駄箱は扉が開かないようロック。棚の上の小物は、動かないよう耐震マットなどの上に置く。防災リュックは玄関に置くとすぐに持って逃げられる。足をとられて転倒することもあるので、玄関マットは敷かない。

リビングの整え方

360度見渡して安全地帯をつくる!

POINT
❶テレビの脚は耐震マットで固定する
❷小物類は滑り止めシートを貼ったケースに収納する
❸❹腰より高い位置にはものを置かない
❺いざというときに逃げ込める安全地帯をつくっておく

腰より高い位置にものを置かないことがリビングの鉄則。地震のとき、高い位置のものは弧を描いて飛んでくるからだ。室内のどこかに「安全地帯」をつくり、揺れたらそこに移動する。「テーブルの下にもぐる」と思っているなら、人が入れるか事前に確認したい。

トイレの整え方

閉じ込められないよう、ドアの周辺にはものを置かない!

POINT
❶吊り収納は収納ケースに入れ、滑り止めシートを敷く
❷トイレマットは敷かない

狭い個室内にものが散らばると片づけが大変。ケースに入れて滑り止めシートの上に置こう。停電して明かりがないと足をとられることもあるので、トイレマットは敷かないほうがいい。ドアの外に棚などがあると、倒れてドアが開かずに出られなくなることも。トイレのドア付近にはものを置かないことが大事。

耐震強化におすすめのグッズ

100円ショップのものでOK

ホームセンターなどで調達

基本は100円ショップのアイテムでOKだが、折れると困る突っ張り棒や、棚の扉をロックする耐震ラッチはホームセンターなどでしっかりしたものを調達したい。「食器棚に滑り止めシートを敷き、ドアにはキャビネットロック、棚などの下には転倒防止板を、上部は突っ張り棒をつける」など、耐震強化は合わせ技がおすすめ。

※情報は2024年6月現在のものです。

※この記事は「ゆうゆう」2024年9月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

取材・文/神 素子 イラスト/いしいゆき(クリートワークス)


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