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【ガーデニング】料理をぐんと格上げする多年草ハーブ【タラゴン】の栽培方法と活用アイデア3選

  • 2025.9.8

【ガーデニング】料理をぐんと格上げする多年草ハーブ【タラゴン】の栽培方法と活用アイデア3選

「ハーブは暮らしに役立ててこそ、楽しい!」と話すのは、長年にわたってハーブを育て、その利用法を研究してきた桐原春子さん。本連載では、毎回1種類のハーブを取り上げ、栽培方法や活用方法、歴史などを教えていただきます。今回は【タラゴン】です。

味に深みと独特の香りを与える【タラゴン】

料理好きな方には、フランス語のエストラゴンのほうがなじみ深いかも。味に深みと独特の香りを与えてくれるハーブです。健康によいとの評判もあり、愛用者も増えているもようです。

別名/エストラゴン
科名/キク科
性質/多年草
草丈/約50㎝

卵、野菜、鶏肉、生クリームと好相性

タラゴンは中央アジアからシベリア、北米が原産のハーブ。日本では誰もが知っているとはいえませんが、料理の世界ではとてもポピュラーで、特にフランスではエスカルゴ料理などに欠かせないそう。

「タラゴンにはセロリのようなほろ苦さと、かすかな甘みも感じる複雑な香りと風味があり、卵や野菜、鶏肉、生クリームなどの味を引き立てます。オムレツやソース、フィーヌゼルブの材料としても盛んに利用されていますが、葉1枚で舌にピリッとくる辛みがあるので使いすぎは禁物。料理のアクセントとして利用してください」

欧米ではタラゴンのオイルやビネガーが普通に売られていて、桐原さんもイタリアでオイルを発見。

「星形のきれいなガラス瓶に入ったエストラゴンオイルを目にしたときは、聞いてはいたけど本当にこうやって売られているのだとわかり、うれしかったことを覚えています」

タラゴンはエストラゴールという成分を含み、鎮静、抗ストレスの作用や体を温める効果があるといわれます。フランスでは寝つきをよくするティーとして利用されることも。

「葉、茎を1~2分、電子レンジで加熱してカラッと乾燥させたものに熱湯を注ぎます。ただ、刺激が強いので、ときどき飲む程度にとどめて」

夏の暑さに弱いが寒さには強い

タラゴンは高温多湿に弱く、寒さに強いハーブ。冬は地上部が枯れるが戸外で越冬し、春に再び新芽を出します。

「地植え、鉢植えどちらでも栽培できますが、植えつけ後しばらくは水ぎれしないように注意して。肥料は春の生育期に与える程度でよいでしょう。日本では花がめったに咲かないので、挿し木や株分けで増やします」

料理に使うのは主にフレンチ種

ビニールポット入りのタラゴンの苗を数株、黄色のコランダーに入れました。水やりなど戸外で管理しますが、両手つきで持ち運びが便利なコランダーなら、室内で楽しむことも。

一般にタラゴンといえば写真のフレンチ種を指し、料理によく使われます。近縁のロシアン種は香りが弱く、染色などのクラフトに使われます。

活用アイデア①② タラゴンオイル&ビネガー

タラゴンは初めてという方におすすめなのがオイルとビネガーです。桐原さんが旅先で見つけた星形のびんに米酢を、ガラスの器にオリーブ油を入れ、それぞれにタラゴンを入れて味がなじむのを待つだけ。

オイルはパンにつけてもおいしく、ビネガーも幅広く利用できます。手前に置いたのはタラゴンのティー。

作り方

清潔な容器に、好みの酢または油200mlを注ぎ、10㎝程度のタラゴンの枝(フレッシュ)を入れて蓋をする。2~3週間後から使用可能。

活用アイデア③ フィーヌゼルブ風味のサラダ

相性バツグンのコンビーフとポテト。そこにれんこんをプラスして、歯ごたえも楽しいサラダに。味つけはオリーブ油と塩、こしょうですが、コンビーフに塩味がついているので加減を見ながら調整します。

味の仕上げはタラゴンを入れたフィーヌゼルブで。ハーブの香りが複雑に絡み合い、シンプルな料理が奥深い味わいに変わります。

作り方(2人分)

❶れんこん80gは皮をむいて一口大に切り、酢水につける。

❷じゃがいも中3個は皮をむいて一口大に切り、水からゆでる。まだ少しかたさの残るくらいで、水けをきった1を加え、やわらかくなるまでゆで、ざるに上げる。

❸コンビーフ1缶をフライパンに入れ、ほぐしながら中火で炒める。火を止めて②を加え、オリーブ油大さじ1、塩・こしょう各少々、細かく切ったチーズ適量を加え、さっくりと混ぜる。最後にフィーヌゼルブ(下記)大さじ2を加え、軽く混ぜる。器に盛り、好みでタラゴンの葉(フレッシュ)適量をのせる。

フィーヌゼルブの4種のハーブ

フィーヌゼルブとは細かく刻んだハーブのこと。ここではパセリ3:チャービル3:チャイブ3:タラゴン1の割合でブレンドしましたが、配合は自由。パセリはイタリアンパセリでもOK。

撮影/川部米応

※この記事は「ゆうゆう」2022年2月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。


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