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あの芸能人も突然死! 「虚血性心不全」のリスクを減らす方法5つ

  • 2016.5.19

【ママからのご相談】

先日急死された、お笑いタレントのマエケンさんと同じ歳です。お笑いファンとしても、同年代としてもショックでした。心臓の病気で急死するって、もっと上の世代の方というイメージだったので。

シングルマザーで子どもたちには私しかいないので、最近深刻に考えてしまいます。突然死を予防するには、生活改善しなければいけないかな、と。

ちなみに私は喫煙者で量は一日1箱くらい、やや偏食家の野菜嫌いです。母方の祖父が心筋梗塞で亡くなっています。

●A. 発症から1分で亡くなる例も……ある日突然発症する心筋梗塞に注意しましょう。

ご相談ありがとうございます。ライターの月極姫です。

前田健さんの訃報には、誰もが驚かれたことと思います。こういう痛ましい報道があると「無駄にしてはいけない、何かを学ばなくてはいけない」という思いを強くする人も多いのではないでしょうか。

よく聞く“心筋梗塞”と“狭心症”を総称して『虚血性心不全』 と呼びます。心臓に血液が供給されなくなる状態を指し、いずれも動脈硬化によって引き起こされます。

狭心症の場合は血管が狭くなっている状態であり、胸部痛や喉が詰まるような感覚といった前兆がありますが、心筋梗塞は完全に血管が詰まっている状態であり、前触れもなく急激に発症し、1分~数分で死に至るケースもあります 。

ご相談者様の場合はおじいさまが心筋梗塞で亡くなられているとのことですが、遺伝的要素については日々専門家による研究が重ねられ、最近も新たな遺伝的要素が発見されたばかりです。

動脈硬化を起こしやすい体質(高血圧、高脂血症、糖尿病の人など)そのものが遺伝しやすいということを考えると、立派な遺伝性疾患といえるでしょう。

もちろん、遺伝的な体質を自覚して動脈硬化の予防に励むことにより、虚血性心不全は防ぐことができます 。

●年齢、生活習慣。発症因子を把握してリスクを減らそう

動脈硬化から引き起こされる疾患なので、動脈硬化の予防が重要になります。

メタボリックシンドロームの予防と改善が、そのまま虚血性心不全の予防となります。ご相談者様のデータを拝見すると耳の痛いことばかりになるかもしれませんが、お子さんのためにも以下の予防策を実行してください。

●(1)禁煙・節酒

喫煙は血管の状態を日に日に悪化させるので、まず、禁煙しなければなりません。

よく「禁煙するとストレスで余計に不健康になる」という人がいますが、バッサリ切ってしまえばそういう方は、ストレス解消法の引き出しが貧しいだけです 。

どうせ依存するならば、タバコより楽しい、マトモなものに依存する方が好ましいでしょう。趣味はもちろん、ハーブティやアロマなど体に良い嗜好品もたくさんあります。

禁煙に関しては、言い訳ばかりが頭を渦巻いている状態なら、専門家の介入がベストです。禁煙グッズや禁煙外来を利用してでも、禁煙されることをお勧めします。

また、一日の飲酒量を以下のように抑えてください。

・ビール:500mlまで

・日本酒:1合まで

・焼酎:100mlまで

・ウィスキー:ダブルで1杯まで

ごくたまの飲み会で多少量が増えることは別として、極力適量を守り、週に2~3回の休肝日も厳守しましょう 。頻繁な大量飲酒はもちろんタブーです。

●(2)BMIの改善・維持

虚血性心疾患の予防に関していえば、太りすぎもタブーですが痩せすぎもよくないと言われています。BMI22が標準値 なので、ここから極端にずれない数値を保てるようにしましょう。

●(3)食事内容の改善

BMI維持のためにカロリーを控えめにすることも重要ですが、栄養バランスもさらに重要です。

1日の野菜の必要量と言われる350gについては「そんなに食べられない」「野菜は高いから理想論」という意見も多く聞かれますが、ご自分の将来への投資と考えると、ここは力を入れる部分です。

食物繊維を豊富に含む野菜をはじめ、魚、豆類なども虚血性心不全のリスクを抑えてくれます 。

●(4)睡眠と運動

運動の中でも、誰にでもできて効果的なウォーキングは病気の予防に高い効果を示します。

20代~30代で1日6,000歩から10,000歩程度の運動量が必要 です。中高年の方は多少歩数を減らし、体力に合わせて調整しましょう。

最近ではスマホに万歩計機能ついていたり、アプリもあるのでぜひ活用してみてください。

前田健さんは、亡くなる直前にお仕事の収録のため陸上競技をこなしていたそうですが、日ごろからしっかり運動しておかないと、運動そのものが体への負担となってしまうこともあり得ます。

また、1日8時間程度たっぷり睡眠を取ることも効果的な予防策 と言われています。

これは忙しい子育て世代、仕事をしている人、多趣味な人にはなかなか難しく、筆者も1日4時間程度しか眠れていないのでハードル高く感じるところです。

生活の無駄をなんとか省き、工夫して休息時間を増やさなければなりませんね。

●(5)ストレス解消

禁煙とも絡む部分ですが、健康的で楽しいストレス解消法を複数持っていることが重要です。スポーツ、音楽、芸術的な趣味、何でも結構です。仕事や育児の疲れを癒す、良い意味での逃げ場をしっかり確保しておきましょう。

●早急に行うべきは健康診断! 検査でさらにリスク減

生活改善の努力をしつつ、日ごろ健康診断をきちんと受けていない人は早急に受けましょう。

さらにハイリスクを自覚している人は、専門医療機関での検査をお勧めします。検査には、以下のような種類があります。

・冠動脈CT……CTスキャンにより、冠動脈に硬化変化が無いかを検査します。

・心エコー……心臓が良好に機能しているか検査します。

・心電図検査……運動時の心電図変化から、心疾患の可能性を評価します。

・心臓核医学検査……人体に影響のない放射性物質を注射し、循環機能を調査するものです。

他に、最終的な診断のために行う心臓カテーテル検査などもあります。不安な方は一度専門医を受診し、ご自分に適した検査方法についてアドバイスをもらい、検討するとよいでしょう。

「自分はまだまだ大丈夫だろう」と鷹揚に構えていると、ある日突然発症するのが心臓疾患です 。

ご相談者様と同世代の方も、少し若い世代の方も、ぜひ早めに予防策を実行していただきたいと思います。

【参考リンク】

・虚血性心疾患とは | 日本心臓財団(http://www.jhf.or.jp/q&adb/category/c4/)

●ライター/月極姫(フリーライター)

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