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イッテQでおなじみ“お騒がせ男”→「合わないと思ってたのに」予想を超える“ハマりっぷり”に大絶賛の声『ぼくたちん家』

  • 2025.11.2

日本テレビ系ドラマ『ぼくたちん家』(毎週日曜よる10時30分〜)第3話が10月26日に放送された。主演は、心優しきゲイのおじさん・波多野玄一(及川光博)で、中学3年生の楠ほたる(白鳥玉季)から頼まれ、卒業までの半年間“父親のふり”をする秘密の契約を結んでいる。その契約を知らずに、本当の親子だと思っている、ほたるの担任教師の作田索を演じるのは、7年ぶりにドラマ出演している手越祐也だ。第3話では、ほたるの血のつながる父親・市ヶ谷仁(光石研)が、アパートに押しかけ、とうとう“父親のふり”がバレてしまうピンチに…?SNSでは、視聴者から大きな反響が寄せられている。

※【ご注意下さい】本記事はネタバレを含みます。

偽りの日常と本心の軋轢:三者の立ち位置が揺れ動く

ほたるは、母・ともえ(麻生久美子)が3,000万円を横領した疑いで逃亡中という状況下で、“母を信じたい”という強い意志をもっている。彼女にとって玄一は、“頼める大人”として必要な存在だ。玄一自身は、契約金を受け取るつもりはないと断りながらも、「持っておくだけでいい」という形でほたるからの信頼を預かる。彼のなかには、偽の親であるとはいえ、自分の存在が何か意味をもってほしいという願いも見え隠れしているようだ。

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日曜ドラマ『ぼくたちん家』 (C)日本テレビ

第3話では、玄一が、ほたるやアパートの駐車場で寝泊まりしている索のために、朝食のおにぎりを作る場面があった。しかし、索は、「いつも食べないんで。」と断ってしまう。最終的に索は、玄一の様子を見て一つ受け取るも、「ホントお構いなく」と冷たく言い放つ。ほたるも、「親のフリは頼んだ時だけでいいです」と玄一に線を引こうとする。玄一の好意が空回りする様子が切なくもリアルに描かれていた。

さらに、進路の話でもズレは広がる。ほたるは高校をどう選べばいいか迷い、パンフレットを前に足踏みしている。一方で、いつものようにトーヨコに足を運んでしまうという行動から、“自分の居場所”を探している焦りも透けて見える。玄一は索に不動産屋を紹介して住まいを探そうとするが、彼の過剰なお節介は、立場を超えた関係に踏み込もうとするに等しい。こうしたズレと葛藤にSNSでは、「玄一、かわいそうだけど確かにうざい」「みんな噛み合わないな」といった声が上がっていた。

ハマっているキャスティング

密かに索への恋心を募らせる玄一は、少しでも力になりたいと考え、知り合いの不動産屋を紹介する。不動産屋に一緒に足を運び、物件選びや内覧まで、玄一は索について回っていた。最初は、迷惑そうな雰囲気を出していた索だったが、玄一の純粋さに、だんだんと心がほぐれているようだった。クールで笑うことの少ない索だが、内覧中2人で話をした時には、笑顔が見える場面も…!

さらにこの内覧中、索は生まれた時から両親がおらず、施設育ちだったことも判明する。過去の話をする時も淡々と語り、クールなキャラクターのままだ。しかし、「楽しかったな。仲いい友達もたくさんいたし、ごはんもすっごいおいしかったし」と、クールながらも“苦労”を出さずに語る姿は、玄一に気を使わせないための索の優しさもあったのかもしれない。

索は施設育ちで、さらにゲイということをある時まで周りに隠していた過去など、苦悩を抱えてきている。それゆえに、少し何かに諦めたような、開き直ったような、“クール”な性格をしているのだろう。また、“悲しみ”も知っているからこそ、玄一の真っ直ぐさや純粋さを無下にしない優しさも、どことなく感じられる。ネガティブで悲壮感が漂っているわけでもなく、かといって夢や希望に満ち溢れた前向きでもない、絶妙にリアルなキャラクターだ。

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日曜ドラマ『ぼくたちん家』 (C)日本テレビ

そんな、少し影のある雰囲気のある難役を演じる手越祐也の演技は、第3話まで放送され大きな話題を呼んでいる。

イッテQの“お騒がせ男”や“チャラ男”など、とにかく明るいイメージの強い手越。本作のキャスト発表で、“クールな教師役”と聞いた時、正直まったくイメージが湧かなかった。むしろ、及川が演じる“心優しきゲイ”の方が合うんじゃないか…。最近の役柄もふまえると、及川が“クールな教師”にハマるのではないかとまで思っていた。

しかし、初回放送で索を演じる黒髪の手越を見た時に、意外にハマっていると感じた。そして、第3話まで視聴した今では、すっかり手越ではなく“索”として見ている。冷めた雰囲気の中にも感じる“暖かさ”の表現が絶妙で、誰にでもできる演技ではないと感じた。実際SNSでも「合わないと思ってたのに、結構いい」「予想外のハマりっぷり」「予想を超える演技力」など、手越への演技や役どころに反響も上がっている。

一方で、主演の玄一は、純粋で真っ直ぐだが、少し悲壮感も感じられる。玄一は、ミュージシャンとして活動しており、デビューの条件として、ピチピチのタンクトップを着て“オネエ言葉”で歌うことを提示され、断った過去がある。そういった経験の中でも、大切な自分を守ったからこそ、いくつになっても純粋で綺麗でいられるのだろう。索とはまた違った、深みのあるキャラクターとして描かれている玄一は、及川がハマり役といえるだろう。

本作は、「想像と違った」「今までになかった新しい物語」「今見ているドラマの中で1番好き」と評判だ。放送前の予想を良い意味で、大きく裏切っている。第3話では、ほたるの血のつながる父親・仁が、アパートに押しかけ、とうとう“父親のフリ”がバレてしまい、物語が大きく進んだ。今後、どのような展開になるのか、“ハマり役”の俳優たちがどのような演技を見せてくれるのか、今後の放送も待ち遠しい。


日本テレビ系 『ぼくたちん家』毎週日曜よる10時30分

ライター:朝倉 結(あさくら ゆい)
主にドラマや映画に関する記事を執筆。お気に入りの作品は何度も繰り返し視聴し、その魅力を深掘りするのが好きです。