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「パワーをくれる!」25年前、ミレニアムに誕生した“爽やかな未来ポップ” 40万枚超を売り上げた“疾走する清涼サウンド”

  • 2025.9.25

「25年前の元日、あなたはどんな音楽で新しい年を迎えた?」

2000年1月1日。雑誌やテレビは「ミレニアム」の言葉で溢れ、街頭のカウントダウンイベントには期待と不安が入り混じったざわめきが漂っていた。冷たい冬の空気に白い息を吐きながら人々が行き交う中、ラジオから、あるいは街角のスピーカーから流れてきたのは、軽やかで透明感に満ちたメロディ。未来への小さな祈りを込めたその歌は、聞く人の心に穏やかな灯をともした。

Every Little Thing『Pray』(作詞・作曲:五十嵐充)——2000年1月1日発売

2000年代の幕開けに合わせるようにリリースされたこの曲は、ダイドードリンコ「Ti-Ha」のCMソングとしても広く流れ、人々の記憶に「2000年の始まり」を刻んだ。

未来を抱きしめる“祈りのポップソング”

『Pray』はEvery Little Thingにとって13枚目のシングル。作詞・作曲を手がけた五十嵐充が描き出す旋律は、彼ららしい透明感と普遍的なポップ感覚にあふれていた。発売から瞬く間に注目を集め、最終的に40万枚を超えるセールスを記録する。

シンプルな楽曲構成の中に込められたのは、「前を向いて歩き出す力」や「これからを信じたい気持ち」。聴く人それぞれの心に染み込むようなサウンドが、新世紀の空気に自然と溶け合った。

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2000年3月、アルバム『eternity』のPRイベントに登場したEvery Little Thing (C)SANKEI

澄んだ歌声が運ぶ“爽やかな勇気”

Every Little Thingの魅力は、透明感と疾走感を併せ持つポップサウンドにある。『Pray』では、その特徴がより前向きな形で表れていた。軽快なビートにストリングスやシンセのきらめきが重なり、未来へ駆け出していくような明るい響きを生んでいる。

持田香織の伸びやかで清涼感ある歌声が、真冬の空気を切り裂くように広がり、聴く人の胸を自然と前へと押し出した。聴き終わったあとに気持ちが晴れやかになる――そんな力を秘めた一曲だった。

時を越えて響く“新年のアンセム”

このシングルが持つ特別さは、発売日そのものにもあった。2000年1月1日――まさに新しい時代の幕開けと同時に「祈り(Pray)」という言葉を冠した曲が届けられたことは象徴的だった。

ランキングでも上位に名を連ね、街のCMや店内BGMとしても繰り返し流れることで、「2000年始まりの音」として耳に焼きついた。振り返れば、2000年を思い出すときにこの曲が自然と蘇る人も少なくないだろう

25年が過ぎた今、あらためて『Pray』を耳にすると、その響きは当時と変わらず清らかだ。未来を願う気持ちは、いつの時代も変わらない。この曲はこれからも新しい年を迎える人々の心を照らしていくことだろう。

現に、令和7年を迎えた今も「パワーをくれる!」「秀逸すぎて言葉が出ない」「ELTで一番好きな曲」などと評する声も少なくない。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。