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エッセイ本発売中!【ありしゃん】「美容=“内面アプデの味方”にできるようになった」<前編>

  • 2025.8.26

超貧乏な母子家庭という環境の違いにより、“外見のないものねだり”が生まれた

超貧乏な母子家庭という環境の違いにより、“外見のないものねだり”が生まれた

「20代前半にスタートしたYouTubeチャンネル『ヘラヘラ三銃士』では、女友達のようなリアルを届けたくてバカな姿も、笑っちゃうような失敗もありのまま見せてきました。その姿に嘘はないけれど、このエッセイ本ではそこではあまり見せていない悔しさも、面白おかしく笑えない失敗も綴っています。

書籍は、わたしの幼少期の話からスタートします。

小学校に入ると両親が離婚し、裕福とは言えなかった家庭が超絶貧乏生活に。母子家庭ではあったけれど母からの愛情を感じて育った“根アカ”な性格だったので、それでネガティブ思考になることはありませんでした。でも、単純にお金がなかったので友人との持ち物の差や、夏休みにどこに旅行にいったかなど話題のギャップは感じていて。

環境の比較が起点となり、次第に外見も含め『他人と違う自分』にコンプレックスを抱くようになりました。わたしが美容に興味を持つきっかけになったのは、このコンプレックスがきっかけのように感じます。

『あの子は二重なのにどうして自分は一重なんだろう』『隣の席の子のように華奢な体型になりたい』など、今となっては“個性”と思えることも当時はないものねだりばかりしていました」

美容は楽しいけれど、あくまでも自己満なんだと拍子抜けした

美容は楽しいけれど、あくまでも自己満なんだと拍子抜けした

見た目のコンプレックスを抱くようになったありしゃんさんは、小学生高学年のころくせ毛だった自分の髪にストレートパーマをかけた。

「さらさらストレートの髪に憧れていたんです。ストレートヘアの友人を見るたびに自分の髪質がコンプレックスに思え、満を持しての美容院! クラスの友達に、なんて言われるかソワソワしながら翌日登校したことを覚えています(笑)。拍子抜けしたのは、友人の反応が想像よりも大きくなかったこと。もちろん『イメチェンしたんだ! いいね!』という反応はありましたが、次の休み時間にはもう違う話題に。当たり前ですが、わたしの髪が変わったことで態度が変わった友達もいませんでした(笑)。

自分が気にしていたコンプレックスって他人にとっては重要なことではないんだな〜と思ったものの、やっぱり自分の中のモヤモヤが解消されるのはうれしくて。そのころから脱毛や、メイク、整形など美容情報を雑誌などでリサーチするようになりました」

自分のための美容が“バズった”のは、ブログ全盛期だった2010年代。ありしゃんさんが高校生のころ。

「中学時代に陸上部で鍛え上げた筋肉質体型を調整した、いわゆるビフォーアフターブログを公開したらめちゃくちゃ閲覧数が増えて! 雑誌の切り抜きなどを貼って美容情報をまとめた『自分磨きノート』をつくってはいたものの、あくまでも趣味だったので、発信することでこんなにも反応がもらえることに驚きました」

このとき“バズり”を経験したことが、ありしゃんさんの今の仕事にもつながっているという。

「自分にコンプレックスはありましたが、もともとは明るい性格。学校から帰宅し、母が働きに出ている間に寂しさを紛らわしてくれたのがテレビだったことも手伝って、物心ついたときから有名になって楽しいことがしたい!という気持ちがありました。

そこにアドレナリンを促進するバズり(笑)。ショップ店員のバイトや読モ、地元からの上京など今の基盤となる経験は、このときの『有名になれるかも?』という気持ちから始まったと思います。詳しい経緯や、試行錯誤、チャンスの巡り合わせは書籍に細かく記載したのでぜひご覧ください!(笑)」

自己満の美容を、内面に変化をもたらすサポーターとして活用できたら強い!

自己満の美容を、内面に変化をもたらすサポーターとして活用できたら強い!

最後に、これまでさまざまな美容法を試してきたありしゃんさんに、美容が自身にもたらした影響を伺ってみると、ここ数年で美容意識に変化があったことを教えてくれました。

「幼少期からの他人との比較、そして20代になり多くの人から認知される職業についたことにより、整形を重ねた時期もありました。しかし、書籍内でも書いたように『整形は魔法ではない』んです。情報をリサーチし、さまざまな美容法を試すことで自分の外見が理想に近づくという結果には満たされます。

でも今は、会う人によって話題を変えるように、TPOに合わせてメイクを変えることで相手との距離が縮まるのが面白いな〜と思うんです。

たとえば、サロンオーナーとして従業員と対面するときはやさしげで親近感のあるメイクに、取引先の方と経営者として話をする際はつけまつ毛で目元のボリュームをUPさせることで頼もしさを演出するなど……。美容をコミュニケーションの『サポーター的存在』として味方にできるようになってから、本当の意味で美容を楽しめるようになったのかもしれません。

最後に、これまでさまざまな美容法を試してきたありしゃんさんに、美容が自身にもたらした影響を伺ってみると、ここ数年で美容意識に変化があったことを教えてくれました。

自分にも『可愛くなってモテたい!』『見た目をアプデして優遇されたい』と思った時期はあったので、それが悪いなんて綺麗事は言いません。ヴィジュアルを、チャンスやモチベの入り口にするのはいいと思いますが……美容で弱点を隠すだけで成り上がれるほど人生は甘くない(笑)。

どうせ自己満の美容なら、容姿の変化を自信に変えて行動の幅を広げたり、本来の自分の強みを引き出すための味方にしたり、外見の変化を内面の成長につなげて本気で成り上がりたいなって(笑)。不思議なことにわたしの場合は、仕事のがむしゃら期を経てある程度内面に自信を持てたタイミングで、終わりがないと思っていた容姿への欲もおさまりました。

今年出産を経験し、自分よりも大切な存在に出会ってからはそれまでとはまた異なった距離感で美容を楽しんでいます。後編では妊娠中・出産後の美容話をお届けしていますのでぜひ読んでくださったらうれしいです!」

ありしゃん初のエッセイ本『成り上がれよオンナたち』

ありしゃん初のエッセイ本『成り上がれよオンナたち』
PROFILE
ありしゃん

1992年9月30日生まれ。宮城県出身、栃木県育ち。
2015年、22歳で美容サロン「Raviy」のオーナー社長に就任。経営難やコロナ禍といった苦境を乗り越え、全国各地に店舗を拡大する。
2017年、まりな・さおりんとともにスタートした女性3人組YouTuber「ヘラヘラ三銃士」ではリーダー・企画・編集をつとめ、チャンネル登録者数は176万人を記録。TVCM出演や、アーティストとして幕張メッセでのワンマンライブを開催するなど、その活躍はネット上だけにとどまらず多岐にわたる。
現在は男女2児の母としての顔も持ちながら、ネイル、マツエク、ピラティスと提供事業を拡大し、美容業のほか、スイーツブランド「amily」を立ち上げるなど経営の幅を広げている。

■Instagram:@arishan.3
■YouTube(ヘラヘラ三銃士):@HeraHera.3
■YouTube(ありしゃんの情熱大陸)@hera3.arishan

ワンピース/led.tokyo その他/スタイリスト私物

撮影/nara(vale.) ヘア/chiiiko メイク/小原梨奈(ADDICT CASE) スタイリング/RIKU OSHIMA 構成・文/宮田彩加

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