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“頼る=迷惑をかける”だと思っていた私が、ついに育児で限界を迎えるまで

  • 2025.8.25

こんにちは!親子関係を良くする「愛着」の講座をしている、助産師さきです。 毎日の睡眠不足と、終わりのない家事育児。心も体もクタクタになってしまうことありますよね。本当はもうキャパオーバーなのに、なぜか周りに「助けて」という言葉が言えない。全部を自分一人で何とかしなければと思ってしまう。そんな経験、ありませんか? 周りのママ友が、パパや実家の両親に上手に頼っているのを見ると、「いいなぁ、私も頼れたら楽になるのに」と思う気持ちと、でも自分にはできないという複雑な気持ち。 「お願いしても、私の思うようにやってもらえないかも」「迷惑をかけてしまうかも」 「母親なんだから、これくらい自分でできて当たり前」 そんな思いが頭をよぎって、結局一人で頑張ってしまう。実は、こうした「頼れない」気持ちの背景には、「愛着」という心の問題が隠れていることがあるのです。 以前、相談に来られたまゆみさん(仮名)も、そんなママの一人でした。

ハートを持つ手

限界まで頑張ってしまったまゆみさんの話

2歳と0歳の二人のお子さんを育てるまゆみさん。朝から夜まで子育てと家事に追われ、心も体も本当に疲れ果てていました。ご主人は仕事の帰りが遅いものの、とても優しい方で、いつもまゆみさんを気にかけてくれます。自身の母親も「何かあったら遠慮しないで言ってね」と声をかけてくれる、恵まれた環境。それでも、なぜかまゆみさんは「助けて」と言えないのです。「周りのママ友は上手に頼っているのに、私にはできません。迷惑をかけたくないし、母親ならこれくらいやって当たり前だと思ってしまいます」「でも、最近は本当に疲れてしまって…また大変な一日が始まるのかと思うと、夜寝るのが怖くなりました。明日が来てほしくないと思って、気が付いたら子どもと一緒にマンションのベランダから飛び降りようとしていて…」ここでようやく「これはヤバイ!」と気づいて、相談に来てくださったのです。どうしてまゆみさんは、周りにサポートしてくれる家族がいるにも関わらず、ここまで追い詰められるまで一人で抱え込んでしまったのでしょうか。

「しっかり者の長女」として育ったまゆみさん

その原因は、まゆみさんの幼少期にありました。三人姉弟の長女であるまゆみさんは、小さい頃から母親に「お姉ちゃんはガマンできて偉いね」「しっかりしてて素晴らしいね」と褒められて育ってきました。弟たちのように、もっとお母さんに甘えたい気持ちはあったものの、褒めてもらえることが嬉しくて、だんだんと自分でも「私はしっかり者」と思うようになっていったそうです。しかし、それはいつからか「しっかり者でいなくてはいけない」「しっかり者じゃない私には価値がない」という思い込みに変わっていきました。その結果、「人に頼る=悪いこと」「人に迷惑をかけてはいけない」という無意識の思い込みが生まれ、子育てでキャパオーバーになっても周りに助けを求めることができないという状況につながっていたのです。

頭を抱える女性

まゆみさんはどう変わったのか

まず大切だったのは、まゆみさんの中にある「しっかりしている人」のイメージを変えることでした。それまでまゆみさんは、しっかりしている人とは「誰にも頼らず、全てのことを自分一人で行う人」だと思っていました。 そのイメージを「必要な時に必要な分だけ助けを求めることができることで、自分を安定させて生活ができる人」に変えていくことで、「人を頼る=しっかりしていないダメな自分」という思い込みを変えていきました。 同時に、まゆみさんには「頼る」練習から始めてもらいました。最初は、近所のスーパーでの買い物をお願いするところから。そして、徐々にご主人や実母に小さなお願いができるようになっていきました。 「頼ってもいいんだ」「弱いところを見せてもいいんだ」と思えるようになった途端、育児がぐっと楽になったそうです。

親子三世代

育児がしんどくなってしまう本当の理由

私はこれまで1万件以上のママさんの相談に乗ってきましたが、そこで気づいたことがあります。育児のストレスは、お子さんの気質が「育てやすいかどうか」とは必ずしも比例しないということです。 子育てが大変なのは、お子さんのせいではなく、ママ自身の心の中にあるケースが多々あるのです。 まゆみさんのように「人を頼れない」というママの中には、回避型の愛着を身に着けている方がいます。愛着とは、家族や親しい人との間に築かれる心の絆のこと。まゆみさんのように小さい頃、本当はもっとお母さんに甘えたかったのに「お姉ちゃんだからしっかりしなさい」と言われて育てられることによって、親子の愛着が不安定になり、それが周りに助けを求められない愛着による思考のクセになってしまうことがあるんです。

スキンシップをとる親子

自分自身を理解することから始めよう

こうして自己理解をしていくことは、育児をもっとラクに、楽しくするための第一歩です。自分の愛着の形を知ることで、自分ともっとうまく付き合えるようになるはずです。 もちろん、長年身に着けた思考のクセを変えるのは簡単なことではありません。でも、まずは「私は頼ってもいいんだ」ということを知ることから始めてみませんか? 小さなことから始めて大丈夫。大変な気持ちを話してみる、洗濯物を干すのを手伝ってもらう、お子さんを少しだけ見てもらって一人でお茶を飲む時間を作る。そんな小さな一歩から、きっと育児が変わっていくはずです。 完璧なママになる必要はありません。お子さんにとって一番大切なのは、ママが笑顔でいることです。子育てを通して、もっと楽しくラクに生きれる自分になっていきましょう。ママの幸せを応援しています!

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ブログ「助産師さき先生の愛着育児♡ ママとこどもの心がハッピーになる育て方✨」

Voicy:「もっと幸せなママになろう❣️」

書籍:『助産師さき先生のはじめての母乳育児』

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