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子どもの人見知りがひどい時は?自信を育む関わり方について小児科医石井先生にお伺いしました

  • 2025.8.24

人見知りの我が子。もう少し積極的になってもらうと嬉しいけれど、無理に押し出すのは逆効果?どんな風に接すれば良い?そんな疑問について、小児科専門医であることびあクリニック恵比寿院の石井知愛子先生からアドバイスをお伺いしました。

ママ広場

「うちの子、人見知りが激しすぎて固まってしまう・・・」極端に内向的なお子さんへの親の寄り添い方

「公園で他の子に話しかけられると、私の後ろに隠れて固まってしまう」
「お店で店員さんに『ありがとう』が言えず、もじもじしている」
「新しい環境に馴染めず、いつも一人でいるみたい・・・」

お子さんの極端な人見知りや内向的な性格に、心配になっている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「このままで大丈夫だろうか」「親としてどう関わればいいの?」と、不安になりますよね。しかし、焦る必要はありません。内向的であることは、その子の個性であり、決して悪いことではないのです。大切なのは、その子の気質を理解し、その子に合ったペースで成長を見守ってあげることです。

なぜ?「極端な内向性」の背景にあるもの

まず理解したいのは、強い内向性や人見知りは、本人の「やる気がない」からでも、親の育て方が原因でもない、ということです。多くの場合、その子が生まれ持った「気質」が大きく関係しています。内向的な子どもには、外向的な子どもにはない、生まれつきの素晴らしい長所がたくさんあります。

<内向的なお子さんの主な特徴と強み>
●生まれ持った自己決定力と主体性
人の意見に流されず、自分で考え、自分で決める力を持っています。幼少期は頑固に見えるかもしれませんが、納得すると自ら方針転換したり、目標に向かってコツコツ努力を続けられたりする性質もあります。
●豊かな内面世界と観察力
自分の世界を持ち、気になることがあるとじっくり観察し、独創的な遊びや表現を生み出すことができます。他の人が気づかないような細かい点にもよく気づきます。
●人に流されない誠実さ
自分の意見や価値観を大切にするため、安易に周囲に流されることがありません。人に合わせたり、思ってもいないことを言ったりするのを嫌う、誠実さがあります。
●集中力と探究心
興味を持ったことには高い集中力で取り組み、学習や創作活動でその力を発揮します。
●質の高い人間関係
友人の数は多くなくても、信頼できる友人と長く深く付き合う傾向があります。

内向的な子は、物事をじっくり考え、深く感じ取ることができるという長所を持っています。まずは「この子は、そういう素敵な個性を持っているんだ」と、ありのままを受け止めてあげることが、サポートの第一歩です。

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親の不安は「安心」に変えられる! 自信を育むサポート方法

お子さんの内気な様子や人見知りが心配になるのは、親として当然の感情です。しかし、大切なのは、お子さんの性格を無理に変えようとしないこと。短所を直そうとすると、せっかくの長所を失うリスクもあるのです。ご家庭は、お子さんが安心して過ごせる「安全基地」となり、少しずつ自信を育んでいく関わりが大切です。

お子さんの「安心」を最優先にする

お子さんが不安や緊張を感じている時、無理に「頑張らせる」のは逆効果です。親から見ると頼りなく感じても、寄り添い、「なんか緊張しちゃうね」のように共感する言葉をかけてあげましょう。 急かさずに待つことで、お子さんは自分のタイミングで行動に参加できるようになります。お子さんが安心できる状況を整えることは、自立神経を育む土台になります。

お子さんのペースを尊重し、見守る

内向的なお子さんは自分のペースを大切にします。集団行動が続くとストレスを感じやすいので、一人で過ごす時間や好きな遊びの時間を確保してあげましょう。一人の時間や好きな遊びの時間を確保することで、気持ちが整いやすくなります。「マイペースすぎて大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、成長とともに周囲に合わせる力も育ちます。急かしたり否定したりせず、ゆっくり考える時間を尊重してあげましょう。

隠れた強みを伝え、自己肯定感を高める

「慎重に考えられるのは素敵だね」といった声かけで、お子さんの特性を肯定的に伝えることが大切です。他の子と比べるのではなく、過去の自分との成長に目を向け、「挑戦した勇気」や「できたこと」を具体的に褒めましょう。言いたいことが言えない場面では、「どうしたら気持ちよく過ごせるか一緒に考えよう」と寄り添う姿勢も効果的です。結果よりも、挑戦する姿勢を認めてあげることが、お子さんの自信につながります。

その範囲を超えたら・・・専門家への相談も大切な選択肢

ご家庭での工夫を続けても、以下のような状況が見られる場合は、一人で抱え込まずに専門家へ相談することを検討しましょう。
○特定の場所(学校など)で全く話せなくなる(場面緘黙症/ばめんかんもくしょうの可能性)
○人前に出ることを極端に恐れ、日常生活に支障が出ている(社交不安障害の可能性)
○腹痛や頭痛など、身体的な症状を頻繁に訴える
○保護者自身が対応に疲れ、精神的に追い詰められている

相談先としては、以下のような場所があります。
◎市区町村の子育て支援センター、保健センター
◎学校のスクールカウンセラー
◎かかりつけの小児科
◎児童精神科、心療内科

専門家への相談は、特別なことではありません。子育てのパートナーとして、客観的な視点から的確なアドバイスをもらうことができます。

まとめ

極端に内向的・人見知りなお子さんへの対応で最も大切なのは、その子の個性とペースを尊重し、「あなたのままで大丈夫だよ」というメッセージを伝え続けることです。

周りの子と比較して焦る必要はありません。お子さんの一番の理解者であり、味方である保護者の方が、どっしりと構えて見守ってあげることが、お子さんにとって何よりの安心材料になります。日々の小さな「できた!」を一緒に喜びながら、お子さんのペースで歩んでいきましょう。

執筆者

プロフィールイメージ
石井知愛子
石井知愛子

医師(ことびあクリニック恵比寿院 非常勤医師 思春期科)
日本小児科学会認定 小児科専門医

東京医科大学を卒業後、同大学の小児科および思春期科で診療と研究に携わり、現在は非常勤医として勤務しています。心と体が大きく変化する思春期のお子さま一人ひとりに寄り添い、丁寧な対話と専門的な視点でサポートしてまいります。

ことびあクリニック恵比寿院

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