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【旅レポート】大人の夏旅に『岐阜』をおすすめする理由5選!鮎、清流、歴史...etc.大人の好奇心に刺さるスポット満載

  • 2025.8.26

美味しいものや自然に癒やされつつ知的好奇心も満たしたい! 旅が好きで好奇心の赴くまま国内外様々な地を旅してきましたが、この夏50歳を迎え、旅に求めるものが少し変わってきた気がします。
そんな大人にちょうどいい旅先を探しているなら岐阜がおすすめ。起点となる岐阜駅までは名古屋駅から快速で約20分。アクセスもよく、様々な夏の風物詩が楽しめる岐阜のおすすめ体験をレポート!

1.今が旬、長良川の鮎料理を満喫!

岐阜の中央を流れ、様々な産業や文化を育んできた長良川。透明度が高い長良川の豊富な水は多くの恩恵をもたらしてきましたが、代表的な名産として知られているのが「鮎」。まさに今が旬ということで期待も高まります。

訪れたのは「清流長良川あゆパーク」。2015年に「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されたことを記念して作られたそうで、鮎のつかみ取り体験や長良川の河川環境を学ぶことができる施設です。
併設されている「レストラン里川」では取れたての鮎を様々な料理で楽しめるとのことで楽しみ!

欲張りな私が選んだのは「里川鮎懐石」¥3,800。塩焼き、甘露煮のほか鮎の炊き込みご飯、開きやフライ、珍しい「うるか(鮎の内蔵の塩辛)」など盛りだくさん。ボリュームに圧倒されましたが、クセのない上品な味なのでぺろりと完食。頭から尻尾まで美味しくいただきました。

鮎雑炊、鮎の朴葉味噌焼きなど珍しいメニューもあり、どれも美味しそうでした。

鮎は素手で触ると体温で火傷してしまうというほど繊細な魚。餌を食べないので「友釣り」という釣りのベテランでも難しい漁法で釣り上げます。水中に生息する藻だけを食べているため川によって味が違うのだとか。川の水が澄んでいるほど良質の藻が育ち、美味しい鮎が育つのだそうです。

清流長良川あゆパーク
https://ayupark.jp/

翌日は美濃市を訪れたのですが、老舗の「割烹朝田屋」でいただいた「鮎素麺」も絶品! 特製の味噌と薬味がのった焼き鮎をほぐしながら素麺といただくのですが暑い日にぴったり。6月は若鮎、7月8月は成魚、夏の終わりは落鮎と、季節によって味が変わるそうなので、鮎を目当てに再訪を誓いました。

2.長良川に続く伝統、鵜飼がおもしろい

もうひとつ、夏の風物詩といえば鵜飼。鵜飼が行われている期間は5月11日〜10月15日とのことで、長良川では夏だけではなく約5か月、そしてなんと毎夜(中秋の名月と増水などの悪天候以外)行われているとは知りませんでした。

長良川に1300年以上伝わるという「鵜飼」は、闇夜に船のかがり火に驚いて逃げる鮎を手綱で操られた鵜が捕まえる伝統漁法。聞いたことはあるものの実際どうやって行われているのか理解はあやふや。せっかくなので鵜飼文化に触れるべく「長良川うかいミュージアム」を訪ねました。

訪れた日はあいにく記録的な豪雨に見舞われ鵜飼は中止(滅多にないことだそう)。特別に鵜匠が来館しデモンストレーションを行うとのことで、間近で鵜飼の様子を見学することができました。

鮎漁に活躍するのは、特別な訓練を受けた鵜のみ。一羽一羽に個性があり、その日のコンディションによって漁に出るチームを決めているのだとか。
首に手縄をつけられた鵜が(魚を飲み込めず、かといって苦しくない絶妙な加減で結んでいるそう)水槽に放たれた鮎を元気よく飲み込み、ほどなく鵜匠の華麗な手捌きによって吐き出させられてきょとんとしている姿が印象的でした。

長良川の鵜飼は、古くは織田信長や徳川家康に重宝され、時の権力者の庇護の元に育まれてきた伝統文化。そんな長良川の鵜匠も現在は9家のみ。今でも世襲制で代々男子に受け継がれているそうです。
そして驚いたことに鵜匠の肩書きは宮内庁職員なのだとか。皇族に鮎を献上する「宮内庁式部職鵜匠」という役職が与えられているのは、全国で長良川の鵜匠のみ。それだけ長良川の鮎の質が高く、鵜飼文化が大切に守られているということを知りました。

長良川うかいミュージアム
https://www.ukaimuseum.jp/

3.滝のマイナスイオンに癒やされ、神水でパワーチャージ

暑さが尋常ではない今年の夏。夏旅では五感で「涼」を感じられる場所を目指したいもの。日本の滝100選にも選ばれている郡上市の「阿弥陀ヶ滝」は、落差約60mという大迫力の滝壺の間近まで遊歩道があるためその迫力を間近で感じることができます。

豊かな緑に囲まれたマイナスイオンたっぷりの空間で、日常を忘れて自然に没入することができました。鮎グルメが楽しめる「清流長良川あゆパーク」の近くなので、ぜひ足をのばしてみて。

水に関連するスポットとしてもうひとつおすすめしたいのが、関市の「高賀神水庵」。名水と名高い湧き水を汲むことができるスポットです。
シドニーオリンピックのマラソン金メダリストの高橋尚子さんが給水に使っていたと報じられたこともあり、今でも神水を求め県内外から多くの人が訪れているのだそう。

美味しいと評判の水を飲んでみると、口あたりがまろやかでほんのり甘みを感じます。汲んだ水は持ち帰ることができるとのことで、帰宅後コーヒーを淹れてみました。市販のミネラルウォーターで淹れるいつものコーヒーより味がやわらかく、水が違うとこうも味に差がでるものかと驚きました。

4.美濃和紙でオリジナルのお土産作りが楽しい!

日本最古の和紙といわれているのが1300年もの歴史を誇る美濃和紙。清流長良川に育まれた伝統文化のひとつです。薄くムラがなく耐久性に優れているのが特徴で、その技術で作られる本美濃和紙は、和紙:日本の手漉和紙技術として細川紙(埼玉県)、石州半紙(島根県)とともにユネスコ無形文化遺産に登録されています。

「美濃和紙の里会館」では、職人が実際に使っている本物の道具を使って美濃和紙の特徴でもある楮(こうぞ)100%の原料を使った紙すきが体験できます。

初めての紙すき体験。職人さんのようにリズミカルに紙をすくのは難しいのですが、スタッフが丁寧に指導してくれるので初心者でも楽しく紙すきが体験できました。大人も子どもも楽しめるので、家族旅行にもおすすめです。乾燥して完成した和紙は世界にひとつのオリジナル。作った和紙は灯りなどグッズにアレンジすることもできるのでお土産にもぴったり!

気の遠くなるような工程を経て美しい美濃和紙が作られている過程や、美濃和紙を使ったインテリア提案などの展示も興味深く、併設のショップでのお買い物も楽しみました。

美濃和紙の里会館
紙すき体験は¥500〜 ※予約制
https://www.city.mino.gifu.jp/minogami/

5.「うだつの上がる町」で下半期の運気アップ!

レトロな街歩きを楽しみたいなら、美濃市の「うだつの上がる町並み」へ。「うだつが上がらない」という表現はよく聞きますが、「うだつが上がる」とはどういうこと?

ガイドさんの解説によると、「うだつ」とは屋根の両端を一段高くして隣家からの火災の類焼を防ぐために作られた防火壁のことだそう。美濃市の場合は裕福な家が競うように豪華なうだつを上げたことから「うだつを上げる・うだつが上がらない」という言葉ができたのだそうです。
立派な「うだつ」が上がっている家に囲まれていると、なんだか運気が上がりそうな気分に!

江戸から明治時代にかけて建てられた商家が軒を連ねるこの町は、国の伝統的建造物群保存地区にも選定されています。古い建物を再利用したカフェやショップも多く、街歩きも楽しい。

おすすめは和紙の原料問屋の蔵を改装したお店「Washi-nary」。店名の由来は「ワインの世界を楽しむように和紙の世界を楽しんでほしい」というコンセプトから。引き出しには様々な和紙が収められていて和紙ソムリエのスタッフが商品の特徴を丁寧に説明してくれます。ずらりと並んだ和紙のサンプルを眺めているだけでもワクワク。伝統文化を継承している職人さんへのリスペクトも込めて色々な和紙グッズを買い込みました。

Washi-nary
https://washinary.jp/

「長良川に育まれた自然と文化」をテーマに、地元の方に多彩なスポットを案内していただいた1泊2日の旅。9月6日まで開催中の郡上おどりも体験してきたので、その様子はこちらから!

どこを訪ねても感じたのは、豊かな自然や先人が築いてきた文化へのリスペクト。それが現在の暮らしにもナチュラルに根付いていて未来へと繋がっていく。そんな素敵な循環にワクワクした岐阜の旅でした。

この記事を書いた人

エディター・ライター
吾妻枝里子

吾妻枝里子

出版社勤務を経て独立。女性誌やウェブメディアを中心に、ファッション、旅、ライフスタイルなどの記事を手掛ける。ダンス、ボディボード、SUPなどアラフィフから新しい趣味に挑戦中。2匹の保護猫と海辺の街に暮らす。

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