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【大人の夏旅】日本一長い盆踊り「郡上おどり」を体験!風情あふれる名水の町・岐阜県郡上八幡へ

  • 2025.8.25

開催期間はなんと30日間。お盆の4日間は朝まで夜通し踊り続けるという規格外の盆踊り「郡上(ぐじょう)おどり」を知っていますか? まるでタイムスリップしたかのような古い町並みが残る郡上八幡で開催中の伝統的な盆踊りを体験すべく、夏の岐阜を訪れました。

ノスタルジックな水の町・郡上八幡へ

郡上おどりの開催地、郡上八幡は長良川上流に位置する歴史ある町。日本名水百選の第1号に指定された湧水があることから名水の町としても知られています。まるでタイムスリップしたかのような古い町並みを歩いていると、かつて城下町として栄えた歴史の名残を感じます。

通りの名前は職人町、鍛冶屋町といったように職業で分かれており、その名の通り医者・ 大工といった職人や鍛冶屋が住んでいたのだそう。2度の大火事にみまわれたこともあり、お隣同士が密接した古い町並みを残すための防火意識が高いそうで、家の軒下には消火用バケツ が吊り下げられていました。

1985年に 環境省が選定した日本名水百選の第1号に選ばれた湧水「宗祇水」。上段の水槽から飲料用、米や野菜の洗場、洗濯などに使うさらし場、と分けて使ってきた名残がそのまま残っています。

夜の郡上おどりに備え、郡上八幡博覧館で予習を

夜の郡上おどりまで時間があるので、大正9年に建てられた旧税務署をそのまま利用したミュージアム「郡上八幡博覧館」で、郡上おどりの歴史や踊りについて予習することに。
踊りは全部で10種類と曲目が多いのが特徴。400年以上受け継がれてきた曲と踊りの伝統は、ユネスコ無形文化遺産・国の重要無形民俗文化財に登録されています。映像で見ると難しそうに見えますが、それぞれの曲を表現する振り付けが繰り返されているので、その意味を理解すると初心者にも踊れそうな気がしてきました。こちらでは土・日・祝日を中心にスタッフによる郡上おどりの実演も開催されているそうなので、参加前の予習にぴったり。

館内の売店では踊り下駄も販売

郡上おどりの最大の特徴は、「見る踊り」ではなく「 参加する踊り」だということ。誰でも見よう見まねで踊りの輪に加わることができるとのことで、当初は見学のつもりでしたが、次第に参加してみたい気持ちになってきました。
下駄を鳴らす振り付けが多いとのことで浴衣と下駄で参加するのがおすすめだそうですが、もちろん洋服での参加もOK。江戸時代、城主が士農工商の融和を図るため、身分に関係なく無礼講で踊ることから始まったという郡上おどり。地元民も観光客も、ベテランも初心者も、誰でも分け隔てなくウェルカムという気風が多くの盆踊りファンを集めているようです。

郡上八幡博覧館
https://hakurankan.com/

踊りの前に飛騨牛の夕食で腹ごしらえ

日暮れと共に提灯や祭りのライトアップが始まり、静かな郡上八幡の町がどことなくそわそわムードに。観光シーズンまっさかりだというのに早い時間から店じまいをはじめるところも多く、尋ねてみると「踊りの支度を始める」とのこと。郡上おどりを夏の一大イベントとして、町の人たちがどれだけ楽しみにしているかが伺えます。

20時からの郡上おどりに備えて早めの夕食をと、川沿いに立つ老舗の食事処「新橋亭」へ。こちらで人気のメニューは特産の郡上味噌をのせた朴葉の上でじっくりと飛騨牛に火を通す「飛騨牛朴葉味噌定食」。

飛騨牛朴葉味噌定食¥2,200

やわらかく旨みたっぷりの飛騨牛はもちろんのこと、驚いたのは味噌の美味しさ。水の綺麗な郡上八幡で作られる「郡上味噌」は麦こうじと大豆こうじを組み合わせており、大豆の形と風味をそのまま残した独特の味わいが特徴。こちらのお店では蔵で3年寝かせたものを使っているそうで、朴葉味噌もお味噌汁も味わい深く、その美味しさに感動しました。

祭囃子に誘われて、郡上おどりの会場へ

食事を終えて外に出ると、浴衣姿で祭りの会場へと向かう人たちの姿が。この日は雨が降ったり止んだりというあいにくの天気でしたが、町の方たちに「雨でも開催されますか?」と尋ねると、「この程度の雨なら問題ない!」という心強い返答。過去にも中止になったことは豪雨の数日しかないそうで、期間中は毎夜開催という唯一無二の祭りに誇りを持っていることがわかります。
郡上おどりの会場は毎日少しずつ移動していくそうで、少し早めに会場に到着すると目印の提灯と櫓が。雨の平日ということもあり人出はまばらでした。

開始時間が近づくと櫓には灯がともり、踊りの演目が表示されます。郡上おどりのお囃子は基本生演奏。演奏が始まると「今までこんなに大勢の人がどこにいたの?」と驚くほどたくさんの人が集まり、屋形を囲んで一斉に踊りはじめます。
地元の家族連れや外国人、ご高齢のグループから若者まで、どこからともなく集まった人たちが輪になって一斉に踊り始める光景にやや戸惑いましたが、思い切って輪の中に入ってみると次第に踊りのリズムが体に馴染んでくる感覚が。最近また盆踊りがブームとのことですが、曲に合わせて集団で同じ踊りを繰り返すこの一体感、クセになりそう。

皆さん自分の踊りに没頭しているので、下手だからと恥ずかしがる必要もなし。曲が変わって戸惑っているとベテランの方がさりげなく振りを教えてくれたりと地元の方との交流も楽しい。
一定の間隔で曲が変わり、それに合わせて踊りも変わるので飽きることなく、時間が経つのがあっという間。曲と共にぱっと踊りが切り替わる一体感も見事で、踊り疲れたら見学に回るのもまたよし。

途中かなり雨足が強くなり私は退散しましたが、ほとんどの方がそのまま踊り続けていました。毎年8月13日、14日、15日、16日の4日間は夜の8時から朝の4時〜5時まで「徹夜おどり」が行われ、盛り上がりもピークに達するのだとか。今年は7月12日から9月6日まで開催中。

400年の伝統を自分の手足で体験できる「郡上おどり」、郡上八幡の観光とあわせておすすめです。

郡上八幡観光協会
http://www.gujohachiman.com/kanko/

この記事を書いた人

エディター・ライター
吾妻枝里子

吾妻枝里子

出版社勤務を経て独立。女性誌やウェブメディアを中心に、ファッション、旅、ライフスタイルなどの記事を手掛ける。ダンス、ボディボード、SUPなどアラフィフから新しい趣味に挑戦中。2匹の保護猫と海辺の街に暮らす。

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