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レタスの葉が溶けて煮えちゃう…晴れても雨でも苦難の野菜 ピンチは酪農も

  • 2025.8.13

今年の夏も暑い!まいっているのは人間だけではありません。

札幌市内のスーパー、キテネ食品館の中塚誠社長は「アイスも先月分から1つの商品が品薄という案内が来たし、ところてんも製造のストックがもうないので、その日は全量欠品になることもある」と話しています。

連日の暑さで、スーパーの売り場に変化が起きていますが、畑でも異変が。

伊達市のレタス畑では、収穫間際にも関わらず腐りかけているものがみられるのです…。

猛暑がもたらす「食」への影響を、深掘りします。

連載「じぶんごとニュース」

葉物野菜は品質が落ちる

Sitakke

キテネ食品館の中塚誠社長は最近の状況を「異常事態」と話します。

「気温が高い状況が続いていて。葉物野菜が非常に品質が良くないので、市場に出てくるものの数が少なくなっている状況で。白菜は2日連続で店に入荷がない」

この他、キャベツやレタスなども入荷する量が減ってきているそうです。

「例えばブロッコリーは、晴れた日が来ると日焼けして黄色くなってきたりする。そうなると数も少なくなってくる。イコール値段が高くなってくる」

「葉が溶けて煮えちゃう」

Sitakke

レタスとキャベツなどを、40年間作り続けている伊達市の菅原俊和さんは「もう大変ですよ、暑くて」と話します。

昔よりも夏の気温が高くなり、野菜が作りづらくなったと嘆いています。

「この葉は、雨が乗った状態で太陽に照らされて、その水分が熱くなって葉が焼けてしまう。煮えちゃう」

この状況が進むと、野菜が腐る病気「軟腐病(なんぷびょう)」になってしまいます。

4月から9月まで出荷するレタスですが、6月はほとんど壊滅状態となりました。

「どうしようもないですね。野菜に耐えてもらわないと」

雨不足の影響も

Sitakke

北海道東部の美幌町では、雨不足のためタマネギ畑に水をまいています。

また、6月は18日までに真夏日が11日間と異例の暑さで、タマネギが十分な大きさに育たない可能性がでていました。

道央のブロッコリーは6月にすでに収穫時期を迎えましたが、中に空洞ができています。
干ばつの後に、まとまった雨と高温が重なり、急激に大きくなったのが原因と考えられています。

酪農も…電気代も大きな打撃に

Sitakke

牧場にとっても暑さは大敵です。

十勝の士幌町の「川口農場」では、換気扇やミストの装置にかかる電気代が月に30万円を超えます。しかし、これでもまだ暑さ対策が足りないといいます。

川口太一社長は「この牛舎で換気扇が30台。28℃を超えると牛が暑さにてきめんにダメージを受ける。免疫力もうまく働かなくなる。病気になる、乳量も落ちる、生産性も落ちる」と話します。

今後は園芸用の資材を使いながら屋根から水をまき、牛たちの体を冷やす対策も検証してみるといいます。

さらにこんな対策も…

「冬は水を置いておくと勝手に氷ができる環境。その時に氷を作って、夏に冷えた水を飲ませるのは効果がある」

冬に作った氷で、夏に牛の飲み水を冷やし、暑さをいやすアイデアです。

「8月、9月この2か月間をどう乗り切るか。この夏の酪農家の大きな課題」

寒さをしのぐ品種改良から暑さに耐える改良へ?

Sitakke

この気候変動は人、動物、植物、魚にも…すべてに影響を与えているといえそうです。暑いなかでも雨も降る日もあり、畑にとって雨は「恵みの雨」となりそうですが、実はそうとばかりも言えないようです。

道産野菜を扱う「エプロン」社によりますと、「高温が続く中での降雨は作物の生育に良い影響もあるが、病害の発生に注意が必要で、管理作業が難しくなる恐れもある」とのこと。

雨不足も困りますけれど、雨が降っても病気の心配があるということは本当に難しい問題です。

農家の方々に取材をしていると、「どう寒さをしのぐか、というための品種改良を頑張ってきた。でも、それだけではだめになってくるという時代に入ってきているので、また頭を悩ませることになる」とも話していました。

北海道は夏場の時期、全国にも野菜を出荷します。北海道であまり収穫できない
ということは、全国の野菜を高騰させることにもなります。

まだまだ暑い時期が続く今。農業に携わる方々も、私たちも、がまんの夏となりそうです。

連載「じぶんごとニュース」

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年6月18日)の情報に基づきます。

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