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“バレエコア”の次なる一手は、名作レースアップ。クラシックな足もとが、2025年秋にカムバック

  • 2025.8.3

ファッションダンス。その密やかで情熱的な関係は、時代ごとに姿を変えながら、繰り返し再解釈されてきた。なかでもバレエは、1830年代から続く深い結びつきとともに、数多のデザイナーたちにインスピレーションを与え続けている。

そんな“バレエの美学”に今シーズン鮮やかに向き合ったのが、フェラガモ(FERRAGAMO)だ。2025年春夏のコレクションでは、チュチュやボディスーツ、リボンのあしらわれたピンヒール──まるで舞台の上から抜け出してきたようなルックが登場。そしてその物語は、秋冬へと続く。『VOGUE RUNWAY』のルーク・リーチが“春夏の続編”と表現したように、フェラガモは2つのシーズンを通して、ひとつのビジョンを描き出しているのだ。

構築的なフォルムで身体をドラマティックに引き立てるJW アンダーソンJW ANDERSON)、詩情あふれるチュール使いでロンドンファッションを牽引するシモーン・ロシャSIMONE ROCHA)──。いま、再びバレエのエスプリは、現代モードの中で軽やかに舞っている。

2025年、ダービーシューズが再び脚光を浴びる理由

2010年代、アレクサ・チャンケイト・モスらItガールたちがこぞって取り入れたのが、バレエシューズ。その軽やかでフェミニンな佇まいは、当時のファッションに新しいリズムをもたらした。けれど、その“序章”とも言える存在を辿るとき、忘れてはならないのがセルジュ・ゲンスブールだ。1970年代、彼が愛してやまなかったのは、レペットREPETTO)の名作「ジジ」。それは、創業者ローズ・レペットの義娘であり、名バレリーナでもあったジジ・ジャンメールのために生まれた一足だった。

そして2025年。レペットの精神を現代に受け継ぐかのように、ダービーシューズがモードの最前線へと返り咲いた。端正なレースアップ、どこか中性的な佇まい。スニーカーでもローファーでもない、その曖昧で自由な立ち位置が、今のムードにぴたりと重なっている。

セルジュ・ゲンスブール
Serge Gainsbourgセルジュ・ゲンスブール

この“再燃”に火をつけたのが、いまをときめくデザイナーたちだ。なかでもジャックムスJACQUEMUS)のサイモン・ポート・ジャックムスは、2024年春夏のショーでレペットとのコラボレーションを発表。モデルたちの足もとを飾ったのは、レペットの名作「ジジ」を再解釈した、洗練とユーモアを併せ持つ一足だった。

さらに、セリーヌCELINE)では新アーティスティック・ディレクター、マイケル・ライダーのもとでクラシカルなダービーがモダンにアップデートされ、ベルルッティBERLUTI)からは“バレエシューズ”の名を冠した新作が登場。各ブランドが、それぞれの美学で“新しいクラシック”を提示している。

ジャックムス 2024年春夏コレクション
tendances chaussures.pngジャックムス 2024年春夏コレクション
セリーヌ 2026年春夏コレクション
セリーヌ 2026年春夏コレクション
セリーヌ 2026年春夏コレクション
セリーヌ 2026年春夏コレクション

この秋、どのダービーを選ぶ?

それぞれのメゾンが提案する新たな解釈を経て、いま、ダービーシューズはトレンドとしてふたたび脚光を浴びている。では実際に、私たちはどんな一足を選べばいいのだろうか?取り入れ方は無限大。たとえば、セリーヌのようにオーバーサイズのタック入りパンツと合わせて、マスキュリンなエッセンスを効かせてみる?あるいは、クリーンなタンクトップにスキニーデニムを合わせて、2010年代のムードを気負いなくまとってみるのも一興。自分らしい一足を見つけて、新しい季節の一歩を軽やかに踏み出したい。

Text: Alexandre Marain Adaptation: Saori Yoshida

From: VOGUE.IT

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