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【日焼け止めを塗るとモロモロ出現!】その原因と解決法を教えます!

  • 2025.8.1
教えてくれたのは……

スキンケア成分ハンター

竹岡篤史さん

ペプチドを用いた経皮ワクチンの開発を経て、2002年から成分開発に従事。世界中に存在する隠れた美容成分を見つけ、その魅力を育てながらメーカーや製薬会社へと結びつけていく“美容成分の仕掛人”。2016年にはヨーロッパを代表する美容・コスメイベント「In-cosmetics」にてイノベーションアワード金賞を受賞し、2020年には再生オイル、2023年には清酒由来の発酵ペプチドでも金賞を受賞。2024年7月には新規の毛穴ケア成分でK-Beauty Award受賞。

ヘア&メイクアップアーティスト

金澤美保さん

多くの雑誌をはじめ、映像、ライブなど幅広いジャンルで活躍中。わかりやすいメイク理論とテクニックで、誰でもすぐに実践できるメイクのコツを寄り添いながらやさしく指南。

「モロモロ出現」は肌トラブルではなく“成分トラブル”!?

モロモロのほとんどは“化粧品成分の塊”

竹岡さん

スキンケアや日焼け止めを塗った後、消しゴムのカスのようなものが出てくる現象、これがいわゆる「モロモロ」です。角質や皮脂が原因と思われがちですが、モロモロの多くは“化粧品成分の塊”であると考えられます。
最近の化粧品はさまざまな処方の工夫がされていますが、それは裏を返せば今まで以上に処方が複雑になっているということ。そのため、実際に使用してみないとわからない部分も多くあります。
ただ、スキンケアだけでなく日焼け止めや他のベースメイクにおいても、美容液効果のあるものが増えているため、それらに含まれる成分の相性や塗り方によってモロモロが起こっているのではないかと思います。


“いい成分”ほどモロモロしやすい!?

モロモロが出現しやすい成分

  • 高分子保湿剤…ヒアルロン酸Na、カルボマーなど
  • 感触改良剤、シリコンオイル…クロスポリマー、アクリレーツ類、ジメチコン、シクロメチコンなど
  • 無機UVフィルター…酸化亜鉛、酸化チタン
  • 分散剤・乳化剤…PEG-100ステアレート、ポリソルベート類など
竹岡さん

ヒアルロン酸やカルボマーなど保湿力に優れた成分は、皮膚上に膜をつくる性質があります。すると摩擦や重ね塗りによって物理的にはがれやすくなり、結果としてモロモロが出やすい傾向に。また、組み合わせる成分や塗布量、塗布方法によっても左右されます。
シリコン系の成分はすべりを良くするのに役立ちますが、肌がペタペタした状態(スキンケアが十分になじんでいない状態)で重ね塗りすると、剥がれやモロモロが生じやすくなります。
酸化亜鉛や酸化チタンなどのノンケミカル(紫外線吸収剤不使用)の日焼け止めは粉体量が多いためにモロモロが出やすい傾向にあります。
乳化剤(界面活性剤の一種)でモロモロが生じるのは、重ね塗りなどで乳化が壊れ、成分が均一に伸び広がらないことが原因となりえます。

保湿剤や昨今ニーズが高まっている紫外線散乱剤、心地よい使用感を生むためのシリコンなど、いずれの成分も高機能をうたう化粧品にも含まれることが多いんです。
いい成分こそモロモロが出やすい場合がある……意外な盲点ではありますが、そのことを踏まえておくといいでしょう。


モロモロを出さないための対策法

塗り方や順番の見直しを!「こすらない」も重要です

竹岡さん

モロモロの出やすさは、成分の重なり順と塗り方によって左右されます。成分の特性で考えると、基本的なことではありますが「膜をつくる成分(ローション、美容液、乳液など)→油分(日焼け止め)→粉体(メイク)」の順に行うこと。そして、どの工程も肌になじんでから次に進むこと。そんな余裕はないという方もいらっしゃるかもしれませんが、モロモロが出てしまうと結局やり直すことになるので、余計に時間がかかってしまいます。
あとは、強くこすらないことも大切。ヒアルロン酸やカルボマーなどの高分子ポリマーは皮膜をつくる性質がありますが、膜ができたところを何度もこすることでモロモロが出やすくなります。

そしてもう1つ。スキンケア(クリーム、乳液、ジェルなど)と日焼け止めの乳化タイプも意識するといいでしょう。乳化とは、水と油など、互いに溶け合わないものを長時間、均一に混ざり合った状態にすることを言います。乳化によって、水と油が長時間混ざり合ったものを乳化物(エマルション)と言い、それには2つの乳化タイプがあります。1つがO/W型(Oil in Water type:水の中に油が分散した状態)で、もう1つがW/O型(Water in Oil type:油の中に水が分散した状態)です。
O/W型とW/O型のアイテムを一緒に使用した際、それぞれが肌になじむ前に混ざり合ってしまうと、乳化が不安定になりモロモロが生じる原因になります。
きちんとなじませることはもちろんですが、O/W型・W/O型、乳化タイプをどちらかに統一することで、モロモロの予防につながります。


買うときのヒントに! 乳化タイプは全成分表をチェック

  • O/W型:水が全成分の先頭に記載されている。水っぽいさっぱりとした使用感。
  • W/O型:油(大体シリコン)が全成分の先頭(●●メチコン、●シロキサン系が多い)に記載されている。こってり系。
竹岡さん

乳化タイプの統一と言っても、最近は処方の工夫がなされており、見極めるのは難しい面もあります。日本の場合は、朝使うようなさっぱりとした乳液、オールインワンなどはほぼO/W型になります。その場合、日焼け止めもO/W型を選ぶといいでしょう。


モロモロが出たときのリカバリー法

金澤さん

日焼け止めを塗ってモロモロが出てしまったら、その時点で紫外線カット効果は失われている可能性があります。なので、化粧水や乳液をコットンにつけて拭き取り、日焼け止めを塗り直すのがおすすめです。塗り直す際、モロモロが出た日焼け止めを使うと、またモロモロする可能性があるので、別の日焼け止めを塗ったほうがいいと思います。
顔まわりが少しモロモロしているくらいなら、何もついていないスポンジで軽く拭ってオフするのでも構いません。


プロがおすすめ! 「モロモロしない」日焼け止め4

エレガンス アクアクリア スムースシールド UV
エレガンス アクアクリア スムースシールド UV

50g / ¥5500

金澤さん

伸ばしやすいテクスチャーですが、ある瞬間、ピタッと肌に密着してくれます。無色で、いい意味で下地やファンデの邪魔をしません。ベースメイクのもちもアップしてくれます。


SK-II ジェノプティクス エアリー UV クリーム
SK-II ジェノプティクス エアリー UV クリーム

30g / ¥9900

金澤さん

肌をなめらかに整えてくれる日焼け止め。密着感がすごく高いわけではないけれど、その後のベースアイテムの仕上がりを高めてくれるし、肌をキレイに見せてくれます。


キュレル 潤浸保湿 ファンデ負担防止ベース
キュレル 潤浸保湿 ファンデ負担防止ベース

30g / ¥2750

金澤さん

塗膜を肌上に形成してなめらかに整えてくれるベース。補正力が高い点が気に入っています。ファンデなしで、このベースとパウダーだけでも十分キレイな印象に。合わせるパウダーはキャンメイクのシークレットビューティパウダーがおすすめです。


ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ+
ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XL プロテクショントーンアップ ローズ+

30ml / ¥3960

金澤さん

リニューアルして密着感がよりアップ! トーンアップ効果もあるので、こちらも、ファンデなし・パウダーを上から重ねるだけでキレイに仕上がります。


撮影/市谷明美 取材・文/西村美名子

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