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「学校、未だに黒板なのなぜ?」現役中学校教員に徹底取材して分かった“意外なメリット”

  • 2025.8.12
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出典:photoAC(写真はイメージです)

教室の正面には黒板がある…小学校や中学校、高等学校では当たり前の光景かもしれません。

しかし、さまざまなモノやサービスが発展している現代だからこそ、価値観が変化した人も少なくない様子。実は、「未だに黒板が使われているのは何故?」という疑問が大きな話題になっています。

それに対し、SNSでは黒板のメリットを挙げる方が続出。昔から教育現場で使われている道具だからこそ、ほかのものには代え難いさまざまな利点があるようです。しかし、実際のところはどうなのでしょうか?

そこで今回は、現役教師としてご活躍されている方に黒板のメリット、デメリットなど伺ってみました。それでは、詳しく解説させていただきます。

黒板のメリットを挙げる声が続出!

ホワイトボードをはじめ、電子黒板やタブレットといったデジタル機器など、黒板に代わるものはたくさんあるような気もしますよね。実際、教育現場で長年使われ続けていることに、かねてから疑問を抱いていた人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、黒板ならではのメリットは多数あるようです。特に、「見やすさ」に着目している人は少なくない様子。

  • 黒板って、教室中のどの席からも見やすいんだよね。
  • たしかに、黒板に見づらさを感じたことはないなぁ。
  • 深緑色の黒板に白いチョークって見やすいよね。

一方で、ホワイトボードやデジタル機器には、見づらさや目の疲れを感じるという声が。

  • ホワイトボードやデジタル機器は、反射が激しくて見づらいよね。
  • 1日中スクリーンを見ていたら、目がおかしくなりました…。
  • ホワイトボードは本当に見づらいよね…。

そのほか、インク切れがない、電源が不要など、さまざまな黒板のメリットが挙げられていました。

  • ホワイトボードで使うペンはインク切れしやすい。
  • デジタル機器と違って電源がいらないからね。
  • 不具合が起きたり、故障もしないアナログさがいい。

黒板ならではの優れている点は?

今回は、中学校で数学を教えられている現役教員の方に、黒板のメリットやデメリットなどを詳しく伺ってみました。

---現在、黒板以外が使われている教室はありますか?

「音楽室など特別教室にはホワイトボードがある印象です。しかし、ホワイトボードマーカーを普通教室(クラスの教室)で6時間使って授業することはあまり想像できません」

---それは何故でしょうか?

「ホワイトボードマーカーはすぐ出にくくなる印象があります」

---それは厄介ですね…。ほかにも、ホワイトボードのデメリットはありますか?

「ホワイトボードは反射しやすく、光って見えないことが多い印象です。黒板も太陽が差し込む程度や角度によっては反射して見えない時もありますが、カーテンを閉めるなどして対応しています。また、反射しにくいように平らではなく少し曲がった黒板もあります。(曲面黒板というらしいです)」

---ホワイトボードに比べて、黒板の方が教員からしてみても、生徒からしてみてもメリットが多いのですね。では、デジタル機器(電子黒板、タブレット等)はいかがでしょうか?

「表を使ってグラフをかくとき、電子黒板は一瞬で綺麗に表示させることはできますが、小さくて見づらいと感じます。使う側として、書きやすい事、消しやすい事はとても大事です」

---スペースが少ないとグラフや文字も小さくなりますし、生徒にとってもストレスになってしまいそうですね…。

「ほかにも、黒板とチョークは手軽さがあるように感じます」

---手軽さですか?

「はい。字の太さも変えられますし、色を塗るのも簡単です。1時間でかなりの量を書く授業も多いので、見やすさや書きやすさ、消しやすさを考えると、黒板が1番手軽に感じます。もちろん、慣れもあるとは思います」

---お話を聞いているうちに、黒板が教育現場で使われ続ける理由もわかってきた気がします…!

「また、チョークは色覚異常に対応したものもあります。黒板に赤いチョークは色覚異常の方には見づらさがあったのですが、今は配慮された製品も多いです」

---黒板、そしてチョークも、時代と共に進化しているのですね!

デジタル機器の良さ、黒板ならではのデメリット

---では、デジタル機器は黒板よりも不便なのでしょうか?

「教科書やタブレットの画面を映して、自分のものと見比べさせるならば、電子黒板やスクリーンを使って黒板に映す方が良いこともあります。タブレットには、生徒一人ひとりの意見を集約したり、共同編集したりすることのできるソフトもあるので、これを映し出せば、昔のように班で話し合ったことを手書きで画用紙や小さなホワイトボードに貼ったりする必要はありません」

---なるほど!

「また、映像を見せることなど、黒板だけではできないことも多いです。電子黒板やスクリーンの良さもあります」

---あらゆる面において、黒板が最も優れているというわけではないのですね。では、黒板使用時に不便さを感じている点があれば教えてください。

「チョークで手が汚れたり、手荒れしたりすることには悩んでいます。授業のたびに手を洗うので、冬は手荒れがひどいです」

---チョークを使用しなくてはならない、黒板だからこその問題点ですね…。

「チョークを入れて使うペン型のカバーのようなものもありますが、私は使いづらいと感じています」

それでも、黒板が優れている理由

---それでも、ほかの教具に比べ黒板の方が使いやすいのでしょうか?

「たとえば、グラフや図を書く授業などでは、書き方を見せることや使ってみせることに意味があると考えています。黒板用の大きな定規やコンパスが記憶にある方も多いと思いますが、あれらは書き方を見せるために使っています」

---なるほど、そのような意図があったのですね。

「電子黒板では、画面上に突然円や直線が現れてしまうので、それを見てもノートに再現できません」

---仰る通りですね…。ちなみに、黒板以外の道具を使う場合、どのようなものが考えられますか?

「実物投影機で映すならば良いと思います。私は、黒板に書いたほうが早いと感じてしまうので使いません」

---書きやすさの点でも、黒板が数段リードしているのですね。

学校によって設備が異なっている点にも要注意

「そもそも、学校によって、スクリーンや電子黒板の大きさや鮮明さ、機能などの質に差があります。また、全ての教室にその設備がない学校も多いです」

---その点、基本的に黒板は全ての学校にありますよね。

「黒板と併用するために、教室の前に電子黒板を置ける学校もあれば、黒板にシート型のスクリーンを貼ったりはがしたりして授業を行う学校もあります。スクリーンにタッチして使える専用のペンがある学校もあれば、ホワイトボードマーカーで書けるシートもあれば、何も書きこめないものもあります。結局のところ、それぞれの学校によるのです」

---デジタル機器にもメリットがあるとはいえ、設備を揃えるためには無視できない金額が必要になりそうです。その点を踏まえても、黒板を活用するのが現実的なのかもしれませんね。

「子どもたちに貸与されているタブレットをそれぞれが見るということもできますが、これも6時間それを見続けることは現実的ではありません。大人が6時間パソコンやタブレットを使って仕事をする疲れを想像していただければわかると思います」

---仰る通りですね…。それが毎日となると、学習することに苦手意識を抱いてしまう子どもも増えてしまいそうです。

「また、タブレットを見ていても、同じ画面を見ているとは限りませんので、授業をしながらその管理と指導をするのは簡単なことではありません。授業中に動画を見たりゲームをしたりすること、モラルについてはまた別の話になってしまうので割愛します」

---毎回、全員が同じ画面を見ているか確認していたら、授業の進行にも支障をきたしてしまいそうですね…。

 自由に選べるなら、黒板以外にしたい?

---もし予算や設備に制限がなければ、黒板から他の教具に変更したいと思いますか?

「教室に黒板と同じサイズのスクリーンや電子黒板があったら便利かもしれない、と思います。しかし、使用目的によっては黒板も必要だと考えます」

---やはり、教育現場において黒板はなくてはならない存在なのですね。

「実際に、教室中をスクリーンにした教室がある学校もありますが、数が少ないこともあり積極的に活用されている事例をあまり見ません」

---せっかくコストを投じても、あまり活用されないとなるともったいない気もしますね…。

もちろん、教科の違いや授業の内容によっては黒板以外を選ぶ先生もいると思います。しかし、私は数学の授業では黒板を選びます」

---貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました…!

黒板のメリットは想像以上に多い!

「未だに黒板が使われているのは何故?」という疑問に対し、SNSではたくさんの方々が黒板ならではのメリットを挙げていました。

それらを確認した上で、今回は現役教師の方にインタビューを実施。黒板が持つメリット、デメリットなどを詳しく伺ってみました。

もちろん、ホワイトボードやデジタル機器にも優れているポイントはあるでしょう。しかし、見やすさや書きやすさ、消しやすさをはじめ、教育現場での普及率や使う側の慣れなど、黒板にはたくさんのメリットがあるようです。

今後も、黒板は子どもたちの学びの手助けをしてくれる存在として、貢献し続けるのかもしれません。