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【60代ヘルスケア】最近すぐ疲れてぐったり……。疲れにくい体を手に入れることはできる?【南雲吉則先生の「理想の体を手に入れる!自分革命の始め方」】

  • 2025.8.4

「疲れにくい体になりたい」「太りにくくスレンダーな体形になりたい」など健康にまつわる理想はあるけれど、なりたい体を手に入れるのは難しいと思っていませんか?でも、あきらめるのはまだ早いです!正しい医学の知識でなりたい体に近づく方法を、がん専門医の南雲吉則先生に教えていただきました!今回は、「疲れにくい体を手に入れる」方法についてです!

  • A子さん
    最近、すぐに疲れてしまって……。疲れにくい体になるのは無理なのでしょうか?
  • 南雲吉則先生
    そんなことありません!疲れにくい体にすることは可能です!

「疲労」とは疲労物質が蓄積され休養が必要な状態のこと

―そもそも「疲労」とはどのような状態なのでしょうか?

肉体や精神に繰り返し負荷がかかり、活動能力が低下している状態が「疲労」です。

疲労には「病的疲労」と「生理的疲労」の2種類があります。「病的疲労」はがんや貧血、うつ病など病気によって起こる疲労で、これらは病気を治療しなければ根本的に取り除くことはできません。

一方、「生理的疲労」は、休むことで回復可能な疲れのことを指します。この「生理的疲労」は「疲労」と「疲労感」の2つに分けることができます。

―「疲労」と「疲労感」はなにが違うのでしょうか?

例えば「空腹」と「空腹感」という言葉がありますが、「空腹」は十分な栄養がとれず生命維持に必要なエネルギーや栄養素が足りない“飢餓状態”のことを言います。それに対して「空腹感」は、栄養は十分足りているのに食欲を抑えられない状態です。同じように、「孤独」は社会に属さず1人で生きることで、「孤独感」は集団の中にいるのに孤独を感じることです。

これらと同じように「疲労」は体の中に疲労の原因物質が蓄積している状態です。それに対して「疲労感」は疲労の原因物質がたまっていないけれど主観的に疲れたと感じる状態のことです。土日にゆっくり休んだのに月曜日の朝から疲れたと感じるのは、「疲労」ではなく「疲労感」です。

疲れたからといって依存性のあるものに頼ると休めない体に!

―疲れない体を手に入れるためには、どうしたらいいのでしょうか?

休むことで回復する「生理的疲労」への耐性は、人それぞれ体力や気力に違いがあるように個人差があります。でも、疲れにくい体を作るために大切なことはあります。それが次の4つです。

【1】依存性のあるものに頼らない
【2】必須栄養素をきちんととる
【3】適度な運動をする
【4】規則正しい生活を送る 

1つずつ説明していきましょう。

【1】依存性のあるものに頼らない

―依存性のあるものとは具体的にはなんですか?

代表的なものに、コーヒーに含まれるカフェイン、タバコに含まれるニコチンなどがあります。どちらも交感神経を刺激し、眠気を覚ましたり集中力を上げたりしますが、だんだん満足する状態になるための量が増えて依存しがちです。

これらに依存すると、どうなると思いますか?本来であれば、疲労があるときは休息が必要ですよね。でも、これらに頼ると休息が必要な状態でも疲労を感じなくなってしまいます。そして疲労が蓄積しているのにコーヒーでごまかして働いてしまい、体がもっともっと疲れてしまう、といった状態に陥ってしまうのです。

―それは怖いですね。

疲れは痛みや発熱と並んで、体に危険を知らせてくれる3大アラームのひとつです。だからこそ「疲れている」と感じることが大切であり、体に疲労を感じさせない依存性のあるものに頼ることは危険なんです。

ほかにも精製した糖質、アルコール、SNSなども依存性が高いものです。疲れたら甘いものを食べると楽になる気がするし、お酒を飲むことでリフレッシュができ、SNSで気晴らしすることもできますよね。

でも、疲れたときに頼りすぎてしまうと依存状態になり、タバコやコーヒーと同様に体が疲れているのをごまかすことになってしまいます。さらに、量を減らしたりやめたりしようとすると「イライラする」「集中できない」「落ち着かない」といった禁断症状が起きてしまうことも。そうなるとそこから離れられなくなってしまい、疲労の悪循環が起きてしまいます。

【2】必須栄養素をきちんととる

―必須栄養素とは具体的に何ですか?

必須栄養素は、「ビタミン」「ミネラル」「たんぱく質」「必須脂肪酸」の4大栄養素のこと。糖質は必須栄養ではありません。サプリメントで補うのもいいですが、まずはバランスのよい食事をとり、食べ物から栄養をとることが基本です。

【3】適度な運動をする

有酸素運動やストレッチなど、適度な運動をすることで循環機能を上げることで疲れにくい体に近づきます。

―適度な運動がいいとわかっていても、なかなかできません。

理想は、朝きちんと起きてテレビ体操をすること。テレビ体操はまじめに行うと結構いい運動になります。家の中なら暑さや寒さも関係なく、年間を通して行いやすい方法です。

【4】規則正しい生活を送る

―規則正しい生活と疲労も関係があるんですね。

規則正しい生活をして自律神経を整えることで一定の体調を整えることができます。疲れたからといって寝てばかりいたら、自律神経が乱れて疲れにくい体から遠のいてしまいます。

「人生の目標」がある人は、年を重ねても疲れにくい傾向に!

―年々疲れやすくなっている気がしますが、年齢と疲れは関係ありますか?

そうですね。年齢を重ねることで体力が落ちて反射神経が衰え、身体的疲労は増えるでしょう。また、年齢が上がるにつれ認知機能が低下したり、ものごとに興味・関心を持つことが減ってしまったり、感動や喜びを感じることが少なくなったりすると精神的疲れも感じやすくなります。逆に言えば、いつまでもいろいろなことに興味を持ち、ちょっとしたことでも感動したり喜びを感じられたりする人は、何歳であれ疲れにくい状態のままでいられます。

私が思うのは、「人生の目標があれば疲れにくい」ということ。「なんのために生きているか」を言葉にして言えるような人は疲れません。努力を惜しまずに日々活動していれば、適度で心地よい疲れがあり夜はすぐに眠れて体が回復しやすくなります。

といっても、スターになる、ベストセラー作家になるというような大きな夢を抱きすぎると、なかなか達成できずに失望感のほうが大きくなってしまいます。音楽で人を楽しませる、趣味を通して子どもの育成に貢献する、などはいいですよね。人生をかけたくなるような目標があるといいですよね。

結論!人生の目標を持ち、規則正しい生活を送ろう!

  • A子さん
    先ほどの【1】〜【4】に気をつけつつ、人生の目標を持つことが大切なんですね。
  • 南雲吉則先生
    そうですね。人間は自律神経が整っていれば疲れたときにしっかり休めて、疲れが取れれば活動的になれます。自律神経を整えるためにも、規則正しい生活は大切です。バランスのいい食事をとり、夕食を食べたらなるべく早めに寝る、そして夜明け前に起きて体操をするなどをしてみてください。食材から必須栄養をとるのが基本ですが、不足していると感じるときはサプリを併用するのもおすすめです。

編集部セレクト!疲労回復におすすめのアイテム

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 撮影/山辺恵美子(人物) 文/酒井明子

教えてくれたのは 医師 南雲吉則先生

医学博士、乳腺専門医でナグモクリニック総院長。4つの院で乳がん手術、乳房の美容、再建手術を行う。自ら立ち上げた「命の食事プロジェクト」ではがんから命を救う食事と生活指導を行い、講演にも力を注ぐ。

この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

「年を重ねて似合うもの 60代からの大人の装い」をテーマに、ファッション情報のほか、美容、健康、旅行、グルメなど60代女性に役立つ情報をお届けします!

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