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男性不妊の兆候は中学生から?調査で明らかになった若年層の「誰にも言えない悩み」

  • 2025.7.30

約3人に1人「性器に違和感」

男性不妊の“兆候”思春期から?
男性不妊の“兆候”思春期から?

医療法人社団マイクロ会が、2025年6月30日から7月1日の期間に、15~19歳の男子学生300人を対象に行った「中・高・大学生性器の違和感に関する意識調査」によると、男性不妊の原因となりうる症状を中学生の時期から自覚している若者が多いことが明らかになりました。しかし、その多くが誰にも相談できておらず、専門家は早期発見・早期治療の重要性を訴えています。

調査によると、全体の35%にあたる105人が「性器に関して違和感を感じたことがある」と回答しました。そのうち約半数の49人が、精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)や陰茎湾曲症(いんけいわんきょくしょう)といった男性不妊の原因となりうる症状を自覚していました。

具体的な違和感については、「言葉にしづらいが、他人とは違う気がする」が最も多く、次いで「陰嚢の大きさに左右差がある」「血管がミミズのように浮き出ている」などが挙げられました。これらは精索静脈瘤の典型的な症状です。また、「勃起時に曲がっている」と回答した20人は陰茎湾曲症の疑いがあるとされています。

中学生から症状を自覚するも、相談できない現実

特に注目すべき点は、症状を自覚し始めた時期です。精索静脈瘤の疑いがある29人のうち約6割、陰茎湾曲症の疑いがある20人のうち7割が「中学生になってから違和感を感じた」と回答しています。思春期の身体の変化とともに症状が現れることを示唆しています。

しかし、こうした違和感を抱えながらも、精索静脈瘤の疑いがある学生の約60%が「誰にも相談していない」と回答しました。さらに陰茎湾曲症の疑いがある学生においては、驚くべきことに全員(100%)が「相談したことがない」と答えています。

「病気とわかっても放置する」若者も

さらに深刻なのは、こうした症状が病気であると知った場合の対応です。陰茎湾曲症の疑いがある学生の約40%が「病気とわかっても何もせず放っておく」と回答しており、医療機関への受診をためらう傾向が強いことがわかりました。

早期発見・早期治療が重要

精索静脈瘤も陰茎湾曲症も、早期に発見・治療すれば改善できる疾患です。銀座リプロ外科院長で東邦大学医学部名誉教授の永尾光一医師は「若いうちに気づければ、簡単な手術で解決でき、精神的なストレスも大幅に軽減できます」と説明しています。

同医師は「将来の不妊リスクを減らすためにも、性教育の現場で『男性も不妊になることがある』という基本的な知識と、早期発見・治療の大切さを伝えていく必要があります」と述べ、社会全体で医療機関への相談がしやすい環境を整えることの重要性を強調しています。

不妊は女性だけの問題ではありません。今回の調査結果は、男性側の原因による不妊リスクを早期から認識し、適切な対応をとることの重要性を改めて示しています。若年層から性に関する正しい知識を持ち、必要な時に医療機関に相談できる社会環境の整備が求められています。

(LASISA編集部)

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