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産後限界のママに実母「出ないなんてありえない!」助けてくれないの?絶望して<アンタなんて大キライ>

  • 2025.7.28

市役所に勤務するわかなさんは、娘のゆうりちゃんを出産して現在育休中。夫のだいちさんも市役所の別部署で働いています。結婚8年目に待望の子宝に恵まれたものの、いざ出産するとわかなさんは、ゆうりちゃんを愛するどころか憎しみの感情しか湧かないことに葛藤。出産日を振り返りながら「自分は“まともな母親”ではない」と自己嫌悪しています。

産後すぐに、休む暇もなく、初めての育児がスタート。ゆうりちゃんは母乳をうまく飲めず、泣くばかり……。わかなさんは苛立ち、育児用ミルクを使いながら、どうにか前向きに育児に取り組もうとします。

しかし努力もむなしく、結局母乳が出ないまま退院を迎えたわかなさん。夫のだいちさんから「努力が足りないんじゃない?」と心無い言葉を掛けられ、落ち込みます。

それでも、どうにか母乳をあげようとゆうりちゃんを抱き上げた瞬間、気持ち悪さに襲われたわかなさん(※1)。夫を頼ろうにも、逆に「母親なんだからしっかりしろ」と一蹴され、追いつめられます。

そして、母親によって子どもの命が絶たれたニュースを思い出し、「自分はあのニュースの母親と同じなのか」とあ然とします。

「つらいのは今だけ。あの母親たちとは違う」

自分に言い聞かせながらも、サポートに来る母親に母乳が出ないことを非難されないか心配するのでした。

追い詰められたママ、実母に頼れない理由とは

母親が到着して早々、母乳が出ないことを非難されたわかなさん。そして、休ませてほしいという申し出も聞いてもらえず、「やっと助かると思ったのに……」と絶望するのでした。

▼母親にサポートしてもらえると思っていたところ、否定や非難する言葉をかけられるばかりではつらいですよね。たとえ身内であっても性格や関係性はさまざま。自分にとってつらい状況になるのであれば第三者を頼ることも考えましょう。

自治体の子育て支援サービスなどを利用するという方法もあります。少しでもわかなさんの心身が休まる時間を確保してほしいですね。

また、お餅についての話ですが、「餅を食べると母乳の出が良くなる」という話は、昔はよく言われていたそうです。昔は産後の女性をねぎらう意味合いでお餅やもち米から作られる赤飯などが重宝されました。餅は腹持ちが良くカロリーが高いので、摂取することで産後の肥立ちがよく感じたり、母乳の分泌がよくなったかもしれません。しかし、餅を食べることと母乳の分泌には直接の関係はないと言われています。

そのため、食事から十分な栄養やカロリーを摂れる現代においては、母乳を出すためにあえて餅を食べる必要はないと考えられています。

高カロリーなお餅を食べ続けると母乳が濃くなるため、詰まりやすくなり乳腺炎などのトラブルにつながってしまうこともあります。自身の体調や母乳分泌に合わせて、適量を摂取することは問題ありません。バランスの良い食事と十分な水分摂取を心がけることが大切です。

※1) 「不快性射乳反射(D-MER/ディーマー)」:ママのなかには授乳時に、背中がぞわぞわする感じ・冷や汗・形容しがたい不快感・吐き気・気分の落ち込みなどの症状が表れる人がいます。本人の意思とは関係なく起こります。愛情不足や産後うつなどの病気ではないので、決して自分を責めないでください。もし不快な症状が続く場合は、自身の判断で育児用ミルクへ切り替える前に、産婦人科などの専門機関に相談することをお勧めします。


監修者:助産師 関根直子

筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。


著者:マンガ家・イラストレーター 神谷もち

ベビーカレンダー編集部

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