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夏の味覚【トウモロコシ】栄養と選び方、おすすめの食べ方まで栄養士ライターが解説

  • 2025.7.24

トウモロコシの栄養を解説!

夏の味覚を代表するトウモロコシ
夏の味覚を代表するトウモロコシ

夏の味覚を代表する、トウモロコシ。野菜売り場に並んでいますが、植物学上は「穀物」に分類され、米、小麦と並ぶ世界三大穀物の一つです。メキシコなどの中南米やアフリカの一部の国で主食として親しまれています。この記事では、トウモロコシの栄養に迫ってみたいと思います。

トウモロコシは野菜なの?穀物なの?

トウモロコシは、イネ科の植物で「穀物」に分類されます。ですが、日本で一般的に食べられているスイートコーン(甘みの強い品種の総称)は未熟な状態で収穫されることから「野菜」として流通しています。穀物であり、野菜でもある不思議な食品といえるでしょう。

トウモロコシの歴史は古く、1万年も前からメキシコで栽培され、日本には16世紀にポルトガル人により伝えられたとされています。

夏の紫外線と疲れから守ってくれる成分がいっぱい

トウモロコシの粒が先まで詰まっていて、ヒゲが褐色でふさふさしているものを選びましょう。
トウモロコシの粒が先まで詰まっていて、ヒゲが褐色でふさふさしているものを選びましょう。

トウモロコシは、栄養面でも「穀物」と「野菜」の良さを兼ね備えています。トウモロコシ1本(正味重量150g)のエネルギー(カロリー)は134kcalで、食パン6枚切り1枚(60g)149kcal、おにぎり1個(100g)170kcalに迫る高エネルギー食材です。

また、糖質をエネルギーに代えるビタミンB1の含有量は玄米ごはんに匹敵するほど。

さらに、たんぱく質は白米よりも多く含まれ、アミノ酸の一種で疲労回復効果が期待できるアスパラギン酸、整腸作用を促す食物繊維、必須脂肪酸のリノール酸、紫外線やブルーライトから目を守る色素成分のルテインとゼアキサンチンも豊富に含まれています。日差しが強く、暑さで疲労がたまりやすい夏にぴったりの食材なのです。

時間が経つと甘みが半減!買ってきたら早めに調理を

夏のキャンプでは、焼きトウモロコシもいいですね。
夏のキャンプでは、焼きトウモロコシもいいですね。

トウモロコシは収穫直後から、鮮度と甘みがダウン。買ったら、できるだけ早く調理するようにしましょう。

おすすめの加熱方法は電子レンジ。薄皮を1~2枚残して皮をむいたトウモロコシを、500W×5~6分加熱すると、ゆでるよりもトウモロコシの甘みが濃厚に感じられます。

ゆでる場合は、フライパンに薄皮を1~2枚残したトウモロコシを入れ、水からゆで、沸騰後3分を目安に(水の量は半身浴程度、塩少々を加えます)。トウモロコシのシャキっと感も残る仕上がりになります。

栄養士のおすすめ!おいしく古米のかさ増しができる「とうもろこしごはん」

カレーのごはんに活用しても。食欲をそそる彩りになります。
カレーのごはんに活用しても。食欲をそそる彩りになります。

主食の代わりになり、野菜の栄養も摂ることができるトウモロコシ。特に実のつけ根にあたる胚芽部分に栄養とうまみが多く含まれています。

そこで、筆者おすすめの食べ方が芯の部分も一緒に炊き込む「とうもろこしごはん」です。

顆粒だしや出汁昆布を加えると、さらに風味アップ(なしでも構いません)。
顆粒だしや出汁昆布を加えると、さらに風味アップ(なしでも構いません)。

作り方はとてもシンプル。生のとうもろこしの長さを適当に切って実を包丁やスプーンで削ぎ落とし、芯と一緒に炊飯器で炊くだけ(味付けは、米1合あたり酒小さじ1・醤油または塩小さじ1/2)。

炊き上がったら芯を取り出し、完成です。
炊き上がったら芯を取り出し、完成です。

お米のかさ増しになり、備蓄米などの古いお米もおいしくいただくことができますよ。

まとめ

主食の代わりになり、野菜としての栄養にも富んでいるトウモロコシ。お米のかさ増しと栄養強化を兼ねられたり、おやつ代わりに食べると満腹感が得られやすいなど、さまざまな活用ができます。

疲労回復に役立つ成分(ビタミンB1やアスパラギン酸)も含まれているので、上手に取り入れて健やかな夏をお過ごしください。

※参考文献:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』、杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、板木利隆監修『新・野菜の便利帳 おいしい編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009、奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部,2022

(野村ゆき)

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