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「MITSUI OCEAN FUJI」で初の船上泊。デジタルデトックスでスローな3泊4日旅【エディターのリアル滞在記】

  • 2025.7.22

初夏の涼やかな波の音を愉しむスイートキャビン

港に停泊する「MITSUI OCEAN FUJI」の様子。
港に停泊する「MITSUI OCEAN FUJI」の様子。

最寄り駅から荷物を片手にタクシーに乗って港に向かうと、見えてきたのが停泊中のクルーズ船「MITSUI OCEAN FUJI」。想像するような巨大客船とはことなり、定員458名で全229室とこじんまりしたサイズ感、初めての船旅ということもあり少し安心しました。

「オブザーベーションバー36」のデッキから望む景色。
「オブザーベーションバー36」のデッキから望む景色。

世界各国から集まる多様なバックグラウンドを持ったフレンドリーな乗務員の方々に歓迎されながら、階段を上がって船に入るとすぐにキラキラと光を反射する青い海を望むことができ、その波の揺れも身体に伝わってきます。

スイートキャビンのバルコニーから眺める海。
スイートキャビンのバルコニーから眺める海。

早速お部屋に向かうと、まず目に入るのは広がる海。入り口からバルコニーまで奥行きのある広々とした空間です。バルコニーにはリクライニングチェアとテーブルがあり、ここで寛ぐのがすでに待ち遠しい気持ちに。日本初となる全客室がスイートキャビンの本船。すべての客室がオーシャンビューとなっており、朝陽から夕焼けまで移り変わる空と海の景色を眺め、夜は暗闇のなかで響く波の音を聴きながら眠ることができます。

バルコニーから朝の風景。
バルコニーから朝の風景。
夕暮れ時、山々の後ろに沈んでいく夕日。
夕暮れ時、山々の後ろに沈んでいく夕日。

また、船旅は長期滞在かつほとんどの時間を客室で過ごすゲストも多いことから、広々としたリビング・ダイニングエリアがあったり、シャワールームと浴槽が分かれていたり、それぞれのライフスタイルに合わせて快適に過ごせるよう細やかな工夫が凝らされていました。滞在中は曇り空の日が多かったのですが、空そしてそれを反射する海の色の移り変わりを見ているだけで時間が溶けていきます。

どこまでも続く海に囲まれ、充実のグルメを堪能

葛飾北斎の名を冠したスペシャルダイニング「北斎 FINE DINING」。
葛飾北斎の名を冠したスペシャルダイニング「北斎 FINE DINING」。

船内には「ザ・レストラン 富士」、「プールサイドレストラン&バー 湖畔」、「テラスレストラン 八葉」、「北斎 FINE DINING」の4つのレストランに加え、コーヒーやスウィーツが頂けるカフェスペースがあり、和食、洋食、世界各国の料理が集まるビュッフェ、多彩なメニューから組み合わせられるコースなどから毎食各々が自由に選べます。

たとえば、三國清三シェフ監修のプリフィックスメニューをいただける「北斎 FINE DINING」を堪能した翌日は、ルームサービスで調整するなど、その時々にお腹と相談しつつ、どのレストランからも海を眺めながら食事ができる贅沢な体験です。

朝食、アフタヌーンティーからディナーまで幅広くいただける「ザ・レストラン 富士」。
朝食、アフタヌーンティーからディナーまで幅広くいただける「ザ・レストラン 富士」。

タイミングによっては、豪華な旬の食材を活かしたスペシャルメニューやアフタヌーンティーなども登場するので、それを心待ちにするのも楽しみ方の1つかもしれません。私も午後3時に「ザ・レストラン 富士」で提供されるアフタヌーンティーで、果物がみずみずしいケーキの数々をいただきました。1日3食を船内でいただいているにもかかわらず、屋内そして屋外まで豊富な選択肢があり、その景色にも飽きることなく過ごせます。

デバイスフリーな旅を400冊の書籍が揃う船内で

MITSUI OCEANスクエアに併設する図書コーナーにて。
MITSUI OCEANスクエアに併設する図書コーナーにて。

海上には電波が届きません。もちろん船内にはWi-Fiを含めた高速通信環境が完備されており、客室およびビジネスセンターでのリモートワークも可能。ただせっかく海上にいるスペシャルな時間なので、今回はなるべくデジタルデトックスな旅を送ってみました。船体から身体に伝わる心地いい波に揺られ、うとうとしてしまう場面もしばしば。身体が緩んでいくのを感じました。

選書には特別なこだわりを持った担当者の方が携わられています。
選書には特別なこだわりを持った担当者の方が携わられています。

そんななか、私が連日通った場所がありました。それは、カフェスペース横にひっそりと佇む図書コーナー。青山ブックセンターとタッグを組んで選書を行っているそうで、クルーズ船らしい旅や海に纏わる本から、建築、暮らし、小説、洋書、さらに寄港地の歴史に関するものなど幅広い書籍がずらり。少し値段が張る本を意識して多く選書しているのは、「ここでしか読めない本を存分に堪能してほしい」という担当者の配慮からとのこと。「図書コーナーはたくさんのゲストの利用があるので、本が傷んでしまうことも。それを配慮してカバーをつけることも検討したのですが、やはり本の手触りや紙やインクの質感、装丁も含めて楽しんでもらいたいという想いからカバーをかけないことにしています」と、そのこだわりを教えてくれました。そんなやさしさから、ここで借りた本は“下船までに返却”のルールとなっており、客室はもちろん、レストランや寄港地での観光先にも持ち出せます。

カフェでペイストリーとコーヒーをテイクアウトし、部屋のバルコニーで寛ぐ。
カフェでペイストリーとコーヒーをテイクアウトし、部屋のバルコニーで寛ぐ。

私は今回長らく読み直したいと思っていた、ミヒャエル・エンデ著の『モモ』を借りて過ごしました。都会から物理的にも心理的にも距離をおき、海の上に浮かんで読書を捗らせる至福のときです。3泊4日の滞在中に読み切ることはできなかったものの、また次に乗船する際の楽しみが増えました。

地域とつながる寄港地観光ツアー。川が流れる伊勢神宮を散策

小型船の窓からの景色。
小型船の窓からの景色。

船内はもちろん、港を拠点に各寄港地を巡るのも船旅の魅力の一つ。“日本の美しい船旅”をコンセプトに掲げる本船ならではの寄港地観光ツアーに申し込むこともでき、各土地の職人や有識者、シェフと協力することで、美しい自然を堪能しながらここでしか体験できない特別な内容となっているそうです。

今回寄港したのは、伊勢神宮まで車で30分ほど、伊勢湾に面した三重県・鳥羽港。ここには大型の船が停泊できる場所がないことから、少し離れた沖で下船して小型船に乗り換えて移動しました。船の大きさが変わると見える景色は立体的になり、海の前にそびえ立つ山々や海の存在をより近く感じます。

五十鈴川の様子。水は透き通る美しさでした。
五十鈴川の様子。水は透き通る美しさでした。

もちろんツアーに参加しなくても、寄港地を楽しむことはできます。私も残念ながら時間が合わずツアーには参加できなかったので、港の最寄駅から電車に乗って目的地の伊勢神宮へ。6時間ほどかけて外宮から内宮をじっくりと周りました。

内宮を流れる五十鈴川で涼やかな水を感じていると、この川も私たちが来た伊勢湾へとつながっていると知ることに。船旅のおかげで、水の流れに意識的になります。

寄港地観光ツアーでは、伊勢志摩周遊や神道博物館に向かうもの、ほかには実際に海女として活動している方からその歴史や体験談を聞きにいくコースもありました。各寄港地で開催のツアーには乗船前そして乗船中にも申し込むことができます。

下関港では、地元の方々が郷土芸能の「平家踊り」を披露。
下関港では、地元の方々が郷土芸能の「平家踊り」を披露。

出航時間に合わせて急ぎ足で港に戻り、また小型船に乗って沖まで。船に戻って離れていく街を眺めます。驚いたのは、各寄港地を出る際に地元の人たちが集まってお見送りをしてくださること。郷土芸能や太鼓とともに数十人もの方々が手を振ってくれる姿がありました。

伊勢湾を出て、少しずつ鳥羽港を離れていく景色。
伊勢湾を出て、少しずつ鳥羽港を離れていく景色。

潮風で深呼吸をする。“休むため”に出かける船旅

プールや屋外レストラン、バーなどがあるエリア。
プールや屋外レストラン、バーなどがあるエリア。

普段は旅行に出かけるとつい焦ってしまい、おすすめされたショップや行きたい飲食店などを駆け足で巡って、疲れ果ててホテルに戻ってくることも多々。休むことを目的としていたはずが、結局身体も気持ちも休まっていなかったりします。船旅ではそれが一転、心身ともに時間をかけて休ませられる貴重な時間となりました。デジタルデバイスと距離を置き、時間の感覚さえも失いながら過ごす機会は忙しない現代においてそうありません。潮風を浴びながら深呼吸を繰り返します。

ゴルフパッドや卓球テーブルなども備えた「アクティビティエリア来光」。隣には朝焼けを眺めることができる「サンライズ・デッキ」も。
ゴルフパッドや卓球テーブルなども備えた「アクティビティエリア来光」。隣には朝焼けを眺めることができる「サンライズ・デッキ」も。

ジムやスパ、プールやアクティビティエリアなど身体を動かすコンテンツはもちろん、オーシャンクラブ&バーやカジノでのプレイフルな時間、そしてステージパフォーマンスなども連日開催されます。すべてに参加しきれないほど多数のコンテンツは、毎晩各客室に届く船内新聞「PORT&STARBOARD」でお知らせされます。

船上ならではの心地いい時間が乗客全員のなかに流れていることも感じられ、そこで生まれる新たなコミュニケーションや関係性もありそうな様子。徹底してスローに過ごすことができる魅力的な初めての船旅でした。

窓から光が差し込む船内の螺旋階段。
窓から光が差し込む船内の螺旋階段。
船からの景色。
船からの景色。

MITSUI OCEAN FUJI

URL/https://www.mitsuioceancruises.com/

Photos: Daiki Tateyama Text: Nanami Kobayashi

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