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50代からの「ヌメ活」ネバネバ食材は免疫力&代謝アップ、腸活・抗炎症作用で夏バテ撃退に!

  • 2025.7.24

もずくやオクラ、なめこ、納豆などのヌメヌメ、ネバネバした食材には、免疫力&代謝アップ、
腸内環境の改善など、50代女性に嬉しい健康効果がいっぱい!
そこでおすすめしたいのが「ヌメ活」です。これからの暑い季節にぴったりのレシピもご紹介します。

教えてくれたのは・・・

九州大学大学院
准教授
宮﨑義之先生
愛媛大学農学部卒業。2016年より現職。海藻の免疫調節機能の解明が研究テーマ。

九州大学大学院
教授
広瀬直人先生
大阪府立大学農学部卒業。食品会社や農業試験場勤務などを経て、2024年より現職。幅広い食品の免疫機構を研究中。

ルールは「ヌメ活食材を毎日とる」だけ!

「ヌメ活とは、もずくやオクラなどのヌメヌメした食材を、積極的に生活に取り入れる新しい健康習慣です」と話すのは、「ヌメ活」提唱者の1人である広瀬直人先生。
 
ヌメヌメした食材は昔から健康によいといわれていましたが、近年の研究から、左の4つの健康効果が科学的に解明されてきたそう。
 
なかでも注目されているのが、免疫力を高める効果です。免疫に詳しい宮﨑義之先生は、次のように説明してくれました。
 
「免疫システムのスタートは、体内に侵入した敵を見つけること。それを担うのが、抗原提示細胞という細胞です。体内に侵入した病原体や異物を見つけ、排除するよう指令を出すんですね。ヌメヌメ成分は、この抗原提示細胞の働きを活性化させ、免疫力を高めることがわかっています」
 
免疫力を高めれば、夏バテを防ぐことにもつながるでしょう。50代女性にぴったりのヌメ活のルールは「1日1回、ヌメ活食材を食べる」だけ。
手軽に毎日続けられるのも、ヌメ活の大きなメリットです。

ヌメ活の4つの効果

これらの4つの健康効果のほか、コレステロール値や血糖値の上昇を抑える効果もあります。

免疫力を高める

免疫システムの司令塔となる細胞(抗原提示細胞)を活性化することで、外敵から身を守る力を高める。

腸活効果

善玉菌のエサとなり、腸内環境を改善。また、水分を含んで便をやわらかくし、便通をスムーズにする。

抗炎症作⽤

免疫のバランスを整えて、過剰な炎症反応を緩和。活性酸素を除去し、炎症を抑える抗酸化作用もある。

代謝アップ

腸内環境が整うことで、腸内細菌や腸の働きが活性化。基礎代謝のアップにつながり、ダイエットにも◎。

いろいろなヌメ活食材をバランスよくとって

「ヌメヌメ成分のほとんどは水溶性食物繊維ですが、食物繊維とは別の成分もあります。いずれも水をたくさん抱え込む性質から、ヌメヌメするんです」(広瀬先生)
 
ヌメ活食材にはコレステロール値を抑える効果もありますが、これはヌメヌメが血中の余分なコレステロールを抱き込んで排泄するから。同じようにヌメヌメしていても、その成分や特徴は異なります(下参照)。健康効果を幅広く得るには、いろいろなヌメ活食材をとることが大切です。
 
ちなみに、広瀬先生のおすすめは「もずく×納豆」。もずくの唯一の欠点は、夏バテ予防に役立つビタミンB群がほとんど含まれていないこと。そこをビタミンB群が豊富な納豆でカバーします。
 
ヌメ活食材の調理のポイントは、切った後に水にさらさないこと。水溶性食物繊維が、水に溶け出てしまうからです。みそ汁などで汁ごととるのは◎。
 
「食感が苦手な人は、加熱してとるのもおすすめです」(広瀬先生)

ヌメ活食材の成分と効果

ヌメ活食材に含まれている、代表的な成分と効果をご紹介します。
それぞれ健康効果が異なるので、いろいろなヌメ活食材をとって。

ペクチン
〈含まれる食材〉オクラ、なめこ、モロヘイヤ、れんこん など
植物の細胞壁に含まれる。コレステロールや糖の吸収を抑え、血中脂質や血糖値を改善。

糖タンパク質
〈含まれる食材〉オクラ、なめこ、⻑いも など
腸内で水分を含んでゲル状になる。糖の吸収を抑えて、食後の急激な高血糖を抑える。

フコイダン
〈含まれる食材〉もずく、めかぶ、がごめ昆布 など
茶褐色の海藻に含まれ、免疫を強力にサポート。βグルカンと一緒にとると、さらに効果的。

マンナン
〈含まれる食材〉⻑いも、⼭いも、モロヘイヤ、など
こんにゃくの主成分として有名で便通改善効果がある。腹持ちがよく、ダイエットにも◎。

ガラクタン
〈含まれる食材〉オクラ、⻑いも、⼭いも など
腸内細菌のエサとなり、多くの健康効果をもつ短鎖脂肪酸の生成を促す。便秘改善効果も。

ポリグルタミン酸
〈含まれる食材〉納豆 など
納豆のネバネバの主成分。カルシウムの吸収を促すほか、食後高血糖を抑える効果がある。

アルギン酸
〈含まれる食材〉もずく、めかぶ など
ナトリウムを吸着し、便とともに排泄するため、血圧上昇を抑える効果が期待できる。

βグルカン
〈含まれる食材〉 なめこ など
免疫細胞を活性化する働きがある。ヌメヌメしていないが、えのきだけなどにも含まれる。

夏の2大ヌメ活食材 もずくとオクラを使いこなす

もずくといえば酢のもの、オクラはゆでたものばかりという人も多いもの。
そこで、副菜からメインまで、夏の2大ヌメ活食材のレシピを教えてもらいました。

教えてくれたのは・・・
重信初江先生
料理研究家。「どこにでもある素材で、簡単においしく」をモットーに、テレビや雑誌などで活躍。世界各地の料理を再現するレシピにも定評あり。近著に『おうちキンパ なんでも巻き巻き!お弁当にも!』(家の光協会)など。

胃にやさしく栄養たっぷり 「もずくのだし」

山形の郷土料理「だし」をアレンジ。ごはんや豆腐、めん類にかけていただきます。
しょうゆを減らして昆布茶を入れても美味。冷蔵庫で3~4日保存可能。

【 材料】 (作りやすい分量・3 ~4人分)
もずく(味のついていない、洗わずにすぐ使えるタイプ)…100g
きゅうり(いちょう切りの薄切り)…1本分
みょうが(粗みじん切り)…2本分
水…1/2カップ
しょうゆ・酢…各大さじ1
塩・砂糖…各ひとつまみ

【 作り方 】
材料をすべてボウルに入れて混ぜ、味がなじむまで冷蔵庫に入れ1時間ほど冷やす。

食感の絶妙なバランスが◎ 「もずくのチヂミ」

チヂミにもずくを入れるとモチモチ食感に。
てんぷら粉を使えば卵なしでできて、外側はサクッと仕上がります。もずくの成分は熱で壊れないのでご安心を。

【 材料 】 ( 2人分)
もずく…150g
にら…1/ 3束(30g)
豚こま切れ肉…120g
天ぷら粉…50g(大さじ5強)
水…大さじ4
サラダ油…大さじ1
A
ポン酢…大さじ1
ごま油…小さじ1/2

【 作り方 】
1. 豚肉は長ければ切り、塩こしょう各少々(分量外)で下味をつける。もずくとにらは、4㎝長さに切る。

2. 1をボウルに入れ、天ぷら粉を全体になじむまで混ぜる。そのあと水を入れて滑らかになるまで混ぜる。

3. フライパンにサラダ油を熱して2を平らに流し入れ、弱めの中火で4分ほど焼いて上下を返し、さらに火が通るまで3 分ほど焼く。

4. 器に盛り、Aを混ぜて作ったたれを添える。

ごはんにも合うホッとするおかず 「もずくとかに風味かまぼこの卵と」

誰にでも好まれる、めんつゆ味のおかず。
料理に時間をかけたくない暑い夏でも、気軽にサッと作れます。お好みでねぎや玉ねぎを加えてもおいしい。

【 材料 】 ( 2人分)
もずく…100g
かに風味かまぼこ(ほぐしておく)…4~5本(50g)
A
水…1/2カップ
めんつゆ(3倍濃縮タイプ)…大さじ2
卵…2個

【 作り方 】
1. フライパンにAを入れて混ぜ、火にかける。煮立ったらもずくとかに風味かまぼこを加えて1分弱火で煮る。

2. 中火にして溶き卵をまわしかけ、好みの硬さで火を止める。

見た目も味も栄養も主役級! 「オクラとチーズ、パプリカの肉巻き照り焼き」

華やかな色合いがメイン料理にぴったり。
オクラはゆでずにそのまま巻くので、意外と手間はかかりません。巻き終わりを下にして焼くと、はがれにくく◎

【 材料 】 ( 2人分)
オクラ(なり口を除く)…8本
さけるチーズ(4つに割く)…2本分
パプリカ(縦に5㎜幅に切る)…1/ 2個分
豚ロース薄切り肉…8枚
サラダ油…大さじ1/2
しょうゆ・みりん…各大さじ1/2

【 作り方 】
1. 豚肉を広げ、幅の狭い方を手前にしてオクラ、チーズ、パプリカを置いて巻く。

2. フライパンにサラダ油を熱し、1の巻き終わりを下にして並べ、弱めの中火で1分焼く。向きを変えながら、全体に焼き色がつくまで3〜4分焼く。

3. しょうゆとみりんをまわしかけ、全体に汁気がなくなるまでからめる。

”チリパウダー”で簡単メキシコ風 「オクラとアボカド、えびのチリパウダー炒め」

和のイメージのあるオクラが、メキシコ風のおしゃれな一品に。
ライムが味を引き締めます。アボカドは炒めたときに崩れないよう、固めのものを選んで。

【 材料 】 ( 2人分)
オクラ(なり口は除いて1.5㎝幅に切る)…8本分
玉ねぎ…1/ 2個(100g)
むきえび…120g
アボカド(2㎝角に切る)…1/2個分
オリーブ油…大さじ1/2
A
白ワイン、または酒…大さじ1/2
塩・こしょう…各少々
B
チリパウダー・塩…各小さじ1/4
こしょう…少々
ライム、またはレモン…1/4個分(くし形に切り、2等分する)

【 作り方 】
1. むきえびは背ワタを除いてAをからめ5 分おく。玉ねぎは1.5㎝角に切る。

2. フライパンにオリーブ油を熱して1を1分ほど中火で炒める。むきえびに火が通ってきたらオクラを加え1分炒め、火を止める。

3. 2にアボカドとBを加えて手早く崩れないように調味し、器に盛る。ライムを添え、絞っていただく。


撮影/大森忠明 スタイリング/阿部まゆこ 文/寺本 彩
 
大人のおしゃれ手帖2025年7月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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