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「ブラトップは肩がこるって本当?」専門家に聞くブラトップ使用の際の注意点

  • 2025.7.24

今や定番インナーとなったブラトップ。「一度ブラトップのラクさを知ってしまったらもう戻れない!」というプラスの意見がある一方で、「胸が揺れる」「形が崩れる気がする」など、ブラトップを使用し続けることに対して不安を抱く声も……。
そこで今回は、下着の専門家として下着の知識や選び方のアドバイスを行う梅井さんに、ブラトップのメリットや使用の注意点を伺いました。

教えてくれたのは……
下着の専門家・梅井 佑希子さん
女性の「美しくありたい」という気持ちに寄り添う下着ブランド「HEAVEN Japan」の広報担当。「アゲちゃって委員会」の一員として、下着の知識などを発信。SNSを通して下着選びなどのアドバイスも行う。 

世代を問わずブラトップが人気なワケ

最近は補正機能付きのブラトップが登場するなど、アイテムのバリエーションが増えていますが、ブラトップの多くを占めるのは依然ノンワイヤーのアイテム(本記事においてブラトップとは、キャミソールやタンクトップにカップがついたインナーのことを指します)。
梅井さんによると、ブラジャーのような締めつけ感がなくストレスフリーに着用することができるため、世代を問わず使用率が高まっている傾向にあるとのこと。
ここでは、ブラトップを使用するメリットをいくつかご紹介します。

魅力①ファッションとの親和性

ブラトップは、ブラの上からキャミソールを重ねる必要がなく、トップスのシルエットがすっきり決まります。薄手のシャツやTシャツなどとの相性のよさはもちろん、肩紐や背中のラインが見えても下着感が出ないため、背中開きのトップスやタンクトップ、オフショルダーの服とも合わせやすいのが特長。ファッション性のあるデザインも多く、あえて見せて着用するなど、着こなしの幅を増やしてくれるというメリットも。

魅力②購入時の手軽さ

ブラトップと一般的なブラを比較したときに、大きく異なる点として挙げられるのがサイズ展開の豊富さ。下着の専門店で購入する場合は、カップやアンダーのサイズを把握して自分のバストに適したサイズを吟味する必要がありますが、ブラトップの場合はS・M・Lというようにサイズが細かく分かれていないことがほとんど。そのため、洋服を買うのと同じような感覚で購入できるというメリットが。
さらに、補正やバストアップ効果など機能性の高い下着と比べると、安価なものが多いため、手に取りやすい傾向にあります。

魅力③手入れのしやすさ

ワイヤーが入っていないタイプのブラトップは型崩れや金具の劣化を気にする必要がないため、洗濯ネットに入れなくても気軽に洗うことができます。さらに、綿やポリエステルを使用しているアイテムが多いことから、速乾性という面においても優れているといえるでしょう。

ブラトップ使用の際の注意点

ブラトップには「洋服に響かない」「締め付け感がない」など、多くのメリットがある一方で、バストの形崩れやシルエットに関して疑問の声も……。
ここからは、ブラトップを使用する際に起こり得る体への影響を見ていきましょう。

注意点①体形崩れ

カップ付きのブラトップの場合、ワイヤー入りの下着と比べるとバストを支える力が少ないため、胸の形が崩れやすいという懸念点があります。「胸の位置をキープする力が弱いブラトップを日常的に使用していると、本来胸の位置にあったはずの肉が流れてしまいます。その結果、形が崩れたりサイズダウンしてしまう可能性が高くなると考えられます」
さらに、バストの輪郭がはっきりしなくなることで、ボディラインにメリハリがつかなくなるというデメリットが生じることも。

注意点②着用時のシルエット

胸の位置は見た目年齢に大きな影響を与えます。ブラトップは胸の高さをキープする補正力が少ないことから、ワイヤー付きのカップやバックベルトがあるタイプの下着よりも、胸の位置が低く見えてしまいがち。
「胸の位置を高くするだけで、ハリがあって若々しい印象を演出することができるため、下着はシーンや服装に合わせて使い分けるのがおすすめです」

注意点③肩こりの原因に

「ブラトップは楽ちん」というイメージが定着しつつあるなかで、快適さを求めてブラトップを選ぶ人が増えているのが現状。しかし、ブラトップを長期的に着用していると、かえって肩こりの原因になる可能性があるといいます。
「締め付けのなさがブラトップの良さであることは間違いないのですが、必ずしもストレスがかからないというわけではありません。特にバストボリュームがある方はブラトップのホールド力だけだと胸の重さに耐えられないことも。ワイヤー入りの下着でしっかり支えると胸にかかる重力をおさえることができるので、胸の重さが感じにくくなります。個人差はありますが、ワイヤー入りの下着をつけた方が肩にかかる負担を減らせるという場合も多分にあるのです」

下着が合わない? と感じたら……

「ブラトップのデメリットとして胸の形が崩れやすいという項目を挙げましたが、ワイヤー入りのブラを身に着けているからといって、必ずしもそのデメリット解消されるわけではありません」と梅井さん。ワイヤー入りのブラは、サイズやデザイン展開が豊富な分、選び方や着け方を工夫する必要があります。ワイヤーブラ派の人で今身に着けている下着が合わないと感じている方は、下記のチェックポイントを参考にしてみて!

☑胸のサイズに合ったデザインのものを選べているか

「バストのボリュームが控えめな場合は下着がずれやすいので、ワイヤー入りのブラジャーで胸の輪郭をしっかり作ってあげるのが大切。ある程度着圧感のあるものを選ぶ方がストレスなく着用できると思います。胸のシルエットを出すには、高さが出るタイプ(例えば着圧がしっかりしていてズレにくく、胸の高さを出してくれる「元祖脇肉キャッチャー」)を選ぶと◎。
反対にボリュームがある方の場合は、下着のバリエーションが少ないことを理由に本来のバストサイズよりも小さい下着を選びがち。そうすると、胸がおさまりきらずかえって太って見えてしまう可能性が大。カップサイズを下げるのではなく、サイドがすっきり見えるタイプ(例えばフルカップで大きな胸を包み込み、スッキリとしたシルエットに見せてくれる「どんとこいブラ」)を選ぶようにしてみるとよいでしょう」

☑無理に締め付け過ぎていないか

「バストまわりの肉がやわらかくなっている大人世代は、締め付けが強い下着を選ぶとアンダーベルトが肌に食い込むことによって、背中の段差が出やすくなってしまいます。シルエットを美しく見せるには、アンダーベルトが太いものを選ぶのがおすすめです」

☑ストラップが正しく調節できているか

「下着の専門店で自分に合った下着を購入したはずなのに、しばらくすると“合わなくなった”と感じる方も少なくないようです。そんなときは、まずストラップの長さを見直してみてください。ストラップがゆるいとカップが浮いてしまい、きついと過度な締め付けで体にストレスがかかってしまいます。肩ひもと肌の間に指一本を入れたときにスムーズに動かせるくらいのゆとりがベストです」

大人世代のバストは、加齢や出産経験などを理由に、どんどんやわらかくなっていく傾向に。身に着ける下着の種類に限らず、自然と胸が垂れたり形が崩れやすくなるので、自分にマッチした下着を見極めるには最適な時期ともいえます。
「締め付け感が軽減され、洋服に響きにくいブラトップと、ホールド感にすぐれたワイヤー入りのブラ、どちらにも良さがあるため、まずはそれぞれのメリット・デメリットを理解することが大事です。そうすると、自身のライフスタイルや見せたいシルエット、着用感など、そのときどきで自分にしっくりくるものが見極められるようになりますよ」

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

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この記事の監修者

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梅井 佑希子さん

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