女子トイレ行列問題に「タイマー設置してみれば？」提案に賛否「本当取り入れて」「わざわざ晒さなくても」

2025.8.5

イベント会場や駅、ショッピングモールなどで、「女性トイレだけ長蛇の列」という光景を目にしたことのある人は多いのではないでしょうか。なかには、行列の長さに諦めてしまったり、他のトイレを探しに行ったりする姿も見られます。

そんな中、SNSでは「中国の観光地にあるトイレのように、各個室に使用時間を表示するタイマーを設置すれば解決するのではないか」といった趣旨の投稿が話題になっています。

はたして、「トイレの待ち時間を解消するために、使用時間が表示されるタイマーを取り付けること」について、多くの人はどのように考えているのでしょうか。SNSの声を中心に紹介します。

「バランスの取れた設置数を」国からも協力依頼

国土交通省などの関係府省では、女性用トイレにおける行列問題の改善に向けた関係府省連絡会議が開催され、「トイレの設置数に係る基準の点検･見直し」や「仮設トイレに係る緊急の呼びかけ」などの改善策が提案されました。

イベント主催者に向けて、「男女で混雑の程度についてなるべく差が生じないよう、バランスの取れた設置数、設置エリアの工夫等をお願いします」といった協力通知依頼案もだされています。

使用時間を表示するタイマーを設置すれば解決？

そんな中、SNSでは「中国の観光地にあるトイレのように、各個室に使用時間を表示するタイマーを設置すれば解決するのではないか」といった趣旨の投稿が話題になりました。

中国山西省にある、世界遺産に登録されている観光名所「雲岡石窟」には、女性用トイレの各個室にデジタル表示のタイマーが設置されています。トイレが使われていない時には緑色で空室の文字が点灯し、使用中は、ロックされてから何分何秒が経過したのかが表示されるものです。

設置当時も賛否両論あったこのシステムですが、今回はどのような意見が寄せられたのでしょうか。

日本でも導入してほしい

日本でもぜひ取り入れてほしいという意見が見られました。

ほんと取り入れてほしい。
無駄に長居している人には有効だと思います。
女子トイレだけでなく、男子トイレにもつけてほしい。
とりあえずやってみて、待ち時間が解消されるか実証してほしい。

解決しないのでは？

一方で、使用時間を表示するだけでは解決しないのではないかと考える人も多数でした。

需要に対して供給が足りていないのが原因だと思う。
女子トイレは普通に回転しているし、それでも列ができる時は利用する人数が多いだけ。
回転率は男性が思っているよりもずっと良い。人が並んでいたら急ぐ人が普通。

また、使用時間を表示されるのは不愉快に感じるという意見も。

自分のトイレの長さを表示されるのは恥ずかしい。
スマホを使っている人には有効かもしれないけど、それ以外に時間がかかっている人にはかわいそう。

そんななか、使用時間が長くなる女性特有の理由を挙げる人もいました。

子どもを連れていると、時間がかかってしまうことがある。
ストッキングの着脱には時間がかかるからすぐに出るのは難しいです。
生理中はトイレに行く回数も多くなるし、ナプキンを替えるのにも時間がかかる。

女性特有の理由以外にも、体調不良の場合は辛いといった指摘もありました。

お腹が痛い時は、ただでさえ申し訳ないと急いでいるのに、時間を計られたら焦ってしまう。
その時の体調によって時間がかかることもあるし、体質もあると思います。

「使う人の事情を無視した対策では意味がない」といった冷静な意見が目立ちました。一律に時間で区切るのではなく、多様な事情に配慮した対策が求められそうです。

別の方法を考えてみてもよいのでは

そのため、待ち時間を表示する以外の方法を提案する声も多数みられました。

外側に表示するのでなく、中にタイマーを設置しても良いのではないか。
単純にトイレの数を増やす方が解決できると思います。
晒すような形にしないで、中に待機人数が表示されるようにすればいい。
利用者に不便が生まれる改善策は良くないと思う。

利用者の立場に立った、より現実的で柔軟な工夫が求められているのかもしれません。

待ち時間対策がされている日本のトイレ

日本にも、個室に「使用時間」や「他の個室の利用状況」が表示されるデジタルサイネージを使用したトイレがあるようです。利用したことのある人からは「良いアイデア」といった意見もみられました。

すでに似たようなものを東京で見かけるが、混んで並んでいるイメージはない。
渋谷のトイレでも見かけたけど、普及してほしい。
トイレの中の人が外の状況を知れるのは良い。
落ち着いてトイレを使用してもいいか、急いだほうがいいのかが分かるからいいと思う。

他の地域でも活用されているトイレがあるようで、全国に普及してほしいといった声も寄せられました。

海外には「利用制限」のあるトイレも

海外では、「経過時間表示」だけでなく、安全対策として「利用制限」を設けたトイレがあるそうです。

たとえば、パリ市内にある多くの無料の公衆トイレは、外に利用可否を示すランプがあり、利用時間は最大20分。それを超えると、安全のために自動で扉が開く仕組みになっています。

オーストラリアでも、入室から10分が経過すると自動で扉が開く公衆トイレがあり、不正利用や長時間の占有を防ぐための対策とされています。

多くの国で、公共性や安全性を重視したルールづくりが進められていることがわかります。

快適な環境づくりのために

今回は、「トイレの待ち時間を解消するために、使用時間が表示されるタイマーを取り付けること」について、世の中の人がどのように考えているのかを紹介しました。

待ち時間解消のためには必要な対策だと考える人がいる一方で、方法をもう少し工夫した方がいいのではないかという声もありました。

女性特有の事情や体調にも考慮しながら、誰もが快適に利用できる環境づくりが求められています。今後は、多様な意見を踏まえたより良い対策が検討されていくことが期待されるでしょう。

参考：内閣官房「女性用トイレに係る行列問題の改善に向けて（案）」「イベント開催時における女性用トイレへの配慮について（ご協力依頼）」

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