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もう行った? 話題の国際的フォト・フェス、KYOTOGRAPHIE。 (Saori Masuda)

  • 2016.5.10
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【さらに写真を見る】もう行った? 話題の国際的フォト・フェス、KYOTOGRAPHIE。 (Saori Masuda)

2013年に始まり、毎年春、京都の寺院や普段は非公開の歴史的建造物を舞台に開催される国際的なフォト・フェスティバル、KYOTOGRAPHYの今年のテーマは「いのちの環」。さまざまな観点からこのテーマを探る14の展示は、一瞬にして見ているものに非日常の世界へ誘ってくれるパワフルなものばかり。アーティスティックなものに浸りたいあなたなら必ず気に入る作品に出会えるはず。開催期間の5月22日(日)までに京都へ足を運んでみては?

ヴィジョンを持ったファッション写真家を求め続ける、コンデナスト社が認めた写真とは。

東京でも開催された「コンデナスト社のファッション写真でみる100年」は、1910年代のファッション写真の創世記から現在に至るまでのアイコニックな写真が年代別に展示されている。キュレーター、ナタリー・ヘルシュドルファーが語るコンデナスト社が求め続けているファッション写真家とは、優れた技術を持っているだけの写真家ではなく、イメージというものに対するヴィジョンを持った写真家。その草分けともいわれる1920-30年代を中心に活躍した写真家エドワード・スタイケンは、自身が撮る写真が芸術と称されなくても、コマーシャルな写真を撮ることに誇りを持つと言った一方で、“I want to make Vogue a Louvres”という彼の言葉に集約されるように、ファッション写真を芸術の域に昇華させるために尽力をしたと言われている。数多くの記憶に残るファッション写真が展示されているこの展覧会、あなた自身のファッションに影響を及ぼした1点に出会えるかも!?

京都ならでは、の趣向が凝らされた展示場所や方法。

KYOTOGRAPHIEのもう一つの楽しみはその展示場所や方法。フランス人写真家ティエリー・ブエットの、生後1時間以内の新生児を撮影したシリーズは、展示室を母親の胎内、天井を低くした出入り口を産道になぞらえて設計されている。また、町屋(長江家住宅)を会場にした新進写真家古賀絵里子の出展作、『トリャドヴァン(サンスクリット語で過去世・現在世・未来世の3世を意味する)』は、自身が宿した新たな生命を軸に、生物や自然、家族などを写した写真を絵巻物のように展示。他にも無名舎(町屋)では、マグナム・フォトの写真家たちが撮り下ろした難民・移民のシリーズが、ハンディなボックスに1点ずつ写真が展示され、裏には詳細が記されている。ふと視線を外に移すと、屋根で気持ちよさそうに昼寝をしている猫に遭遇するのも、町屋ならではの光景かもしれない。また、建仁寺内両足院ではフィンランド人写真家アルノ・ラファエル・ミンキネンが、一糸まとわぬ自身の姿と一緒に美しい自然を撮り下ろしたシリーズが建物内のみならず庭園にも展示されている。いづれも、見るものに自分のペースで観賞できるスペースを提供してくれているのも、このフォト・フェスの魅力の一つ。

中国の最安列車、緑皮車の乗客の人間味溢れる表情から見えるものとは。

1968年生まれの中国人写真家チェン・ハイフェンは、現在もホテルの電気技師として働きながら制作を続ける異色の写真家。彼が今回出展した作品は、中国の緑皮車という料金のもっとも安い最下層列車に乗る乗客を、8年間に渡り、撮り続けたシリーズ。どの作品にも躍動感とリアリティが溢れる一方で、世界中どこへ行っても見ることのできる市井の人々の何気ない表情にグッとくる。写真の中央はチェン・ハイフェンさん自身。展覧会の最中も訪れた人々を撮り続けていた姿が印象的だった。

圧巻のサラ・ムーン展は3つの会場で開催。

ノスタルジックな作風で世界中にファンを持ち、ヴォーグにも数多くの写真を撮り下ろしているフランス人写真家サラ・ムーン。今回はフランスでも好評を博した話題作『Late Fall』(ギャラリー素形)と『Time stands still』(招喜庵)の2つの展示と、さらに、サラ・ムーンのコレクションで日本随一を誇る何必館・京都現代美術館(この会場のみ6月26日まで)の、3つの会場で大々的に展示されている。こんなに多くのサラ・ムーン写真を見ることは滅多にないこの機会、是非お見逃しなく!

参照元:VOGUE JAPAN

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