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【節電】家電のプロが教える夏の「冷蔵庫」節電テク!「設定温度は季節で変える?」「食材の入れ方で電気代が変わる?」普段の使い方でできる節電法を教えていただきました!

  • 2025.7.16

毎日必ず使う家電といえば、冷蔵庫。特に夏場は食材を傷めないために開け閉めにも気を遣いますよね。夏に特に意識したい冷蔵庫の節電方法や、意外とやってしまっている人も多いかもしれない故障の原因となるNGな使い方などについて、家電のプロフェッショナルであるテックマークジャパン 本多宏行さんに教えていただきました。 >>>エアコンの節電についてはこちら!

冷蔵庫の温度設定は季節ごとに変える?

暑い夏は、冷蔵庫も電気代がかかってしまうイメージがあります。食材を傷めないようにしつつ、節電するために温度設定を変えたほうがいいのでしょうか。

「よく聞かれるのが『冷蔵庫の設定温度を季節ごとに変えるべきか』ということ。スイッチがあるということは変える必要があるのでは……と思っている方も多いのではないでしょうか。

実は、冷蔵室も冷凍室も正しく使っていれば、季節ごとに温度を変える必要はないと言えるでしょう。たとえば強・中・弱がある冷蔵庫なら、基本的にはずっと『中』のままで問題はないと思います。『〇℃』と好きな温度を設定できる機種であれば、『中』程度の温度に該当するのが何度なのか取扱説明書を確認したうえで、その温度に設定しましょう。もし『エコモード』『省エネモード』といったボタンがあれば、そのモードにするのが節電の観点からもベストです。

食材を正しく冷蔵庫に保管できていれば、夏だからといって『強』に温度設定をする必要はありません。では何のために『強』があるのかというと、引越などで一時的に電源を停止した後に稼働を再開する場合や、一定時間ドアを開放してしまって冷蔵庫内の温度が上がりすぎてしまった場合などに短時間で一気に冷やすためのもの。ずっと「強」にしておくことは冷蔵庫にとっても負荷がかかってしまい、故障の原因になってしまうこともあります」(本多さん)

節電を意識した冷蔵庫&野菜室、冷凍庫への食材の入れかた

夏に冷蔵庫で節電をするには設定温度だけでなく、食材の入れ方も重要です。

「冷蔵室には食品を入れ過ぎないのが鉄則。ぎっちり詰め込んでしまうと冷蔵庫内を冷気が循環することができなくなってしまうので、空気が通り抜けられる隙間を確保することが必要です。特に、奥の壁部分に冷気が出てくる吹き出し口があると思いますが、その付近は食材で塞いでしまうことがないように注意しましょう。野菜室も同様で、機種によっては鮮度を保つためのイオンや水分が放出されるものもあります。そういった吹き出し口を塞がないように注意してくださいね。

それでは、どのくらいまでなら食材を入れてよいのでしょうか。目安としては冷蔵庫を見渡したときに奥の壁が見えなくなっていたら危険!上段、中段、下段それぞれの段で食材と食材の間に隙間があって、奥の壁が見える程度の量に抑えましょう。


冷凍庫は「ぎっしり詰めるとよい」というのはよく聞くと思いますが、これは食材が凍ることで保冷剤の役目を果たすからですね。ただ、冷凍庫のドアを開け閉めする際にぎっしり詰めた食材がガタガタガタっとバランスを崩し寄ってしまうのは入れ過ぎです。機種によっては『ここまでなら入れてOK』というラインが書いてあったりすることも。スムーズに開け閉めできるくらいの量を意識してみてくださいね」

「片開き」と「観音開き」はどちらが節電?

冷蔵庫のドアには「片開き」と「観音開き」があると思いますが、節電によいタイプなどはあるのでしょうか。

「『観音開き』タイプの方が開ける面積が少ないので節電にもよいと思われるかもしれませんが、実はドアの種類によって電気代が大きく変わることは少ないでしょう。基本的に冷蔵庫は大型になればなるほど省エネ機能有しているものが多く、400L以上のものであれば省エネモードによってどんなドアタイプでもある程度の節電をしてくれます。

それよりも意識すべきなのは、冷蔵庫のドアの開け閉めの回数と時間を減らすこと。特に夏は飲料水を出し入れする頻度が上がりますので、タンブラーなどを活用してできるだけ開け閉めの回数を減らす工夫をするとよいですね。また、『にんじんどこだっけ』『玉ねぎはあったっけ』などと食材を探してる時間を減らすべく、定期的に冷蔵庫の中身をスマホで撮影しておくのもいいですよ。最近では自動で冷蔵庫内の写真を撮影し、スマホに送信してくれる機種も登場しています」(本多さん)

冷蔵庫側面に色々貼っていると電気代が上がっちゃうって本当?

『冷蔵庫の側面に磁石などで色々貼っていると電気代が上がっちゃう』という話もよく耳にします。

「放熱を妨げるのでは?というのがその根拠のようですが、どのメーカーの取扱説明書にもそういった記載はありません。そのため、よほどのものを貼り付けているわけでない限り、特に影響はないと考えられます。同様に、冷蔵庫の上部分にホコリがたまるのを防ぐためにラップを貼るといったことも、過度に行わなければ影響は少ないと思います。

それよりも気を付けなければならないのは、壁からの距離です。機種ごとに取扱説明書に『〇㎝離す』と指定されていますので、必ず守りましょう」(本多さん)

日々やるべき冷蔵庫のお手入れ、年に1回やるべき冷蔵庫のお手入れ

冷蔵庫のお手入れはエアコンや換気扇と比べてそこまで大変ではないイメージがあります。それでも、必ずやっておくべきお手入れがあるそう。

「まずは年に1回ほどやってほしいお手入れですが、冷蔵庫の背面のホコリを取り除くことです。ホコリが背面についてしまっていると放熱性能が落ちてしまうので、大掃除のタイミングなどで、冷蔵庫を前に引き出すなどして背面のホコリを取ってあげてください。ただし、1人で冷蔵庫を動かすのは危険なので、何人かで動かすようにしましょう。

日々意識してほしいのはドアパッキンの清掃です。ドアの内側についているドアパッキンに油汚れやお醤油などの汚れが付着し、固形化すると密着しなくなってしまいます。保冷効果を発揮するためにも、節電という意味でもドアパッキンは綺麗にしておくことが重要です。こまめに拭き掃除をすることで汚れが固形化することを防ぐことができます」(本多さん)

意外な落とし穴!製氷機能の間違った使い方が冷蔵庫を壊す?!

冷蔵庫は、意外なところに故障の危険があるそう。

「それは、『自動製氷機能をオフにせず水も補給しないこと』です。

たとえば氷は使わないから自動製氷機能の給水場所には水を入れていない、とか逆に夏などに氷を使い過ぎて水の補給が追い付いていない場合など……自動製氷機能は氷を作ろうとモーターを動かしているのに、肝心の水が補給されないから氷を作れない、という状態は無駄な電気を使ってしまっています。モーターに必要以上の負荷がかかり、故障してしまうことも。自動製氷機能を使わない場合はオフにするか、使うのであれば常に水を補給することを意識しましょう」(本多さん)

教えてくれたのは 本多宏行さん

大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年にテックマークへ入社し延長保証サービスに伴なう修理精査を担当。自動車の修理精査から始め、2000年頃から家電やPC、ガス製品(ガス給湯器、ガスコンロなど)、住宅設備(電気温水器、換気扇、浴室乾燥機、温水洗浄便座など)に係る精査業務を行う。幅広い家電製品の専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」の資格を取得し、現在も活躍中。

この記事を書いた人 松本果歩

インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。

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