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ただ摂るだけではダメ!? 専門家推奨のドライフルーツとナッツを摂取する最適なタイミング

  • 2025.7.10

誰しも一度は、Zoomミーティングの合間にレーズンをつまんでみたり、1週間の乱れた食生活を慌てて帳消ししようとして、就寝前にアーモンドのストックに手を伸ばしたりしたことはあるだろう。あるいは、週末の不摂生を何とか補おうと、デーツとクルミをスムージーに混ぜ込み、健康に良さそうなものをあわてて摂ってみたり……。

たしかに、ドライフルーツとナッツは栄養価の高い非常に優れたスーパーフードである。しかし、それは決して万能薬とはいえない。同じアプリコットでも、午前10時には活力を与えるが、午後10時に摂ると体を重たく感じさせる可能性がある。これらの効果は、食べる“時間”と”目的”によって大きく変化するのだ。

では、実際にドライフルーツやナッツを食べる最適なタイミングとはいつなのか。運動前にピスタチオを食べるのと、昼寝後に食べるのとでは本当に違いがあるのか。そこで、実際に専門家に聞いてみると、その答えは「イエス」であった。摂取のタイミングによっては、エネルギーレベルや消化、血糖値、さらには睡眠の質にまで影響を及ぼしてしまうそうだ。問題は食材そのものではなく、すべては“タイミング”にあるのだという。

これからドライフルーツやナッツを食べるべき時間帯、またそれらを何と組み合わせるべきか。そして難しく考えずとも、日常のスナックタイムを体のためにより有効に活用する方法を、専門家が信頼できる事実だけをセレクトし、下記に紹介する。

ドライフルーツやナッツの最適な摂取のタイミングとは?

Photo_ Kinga Krzeminska/Getty Images
Photo: Kinga Krzeminska/Getty Images

「ドライフルーツやナッツは、体が栄養を最も吸収しやすい状態にあるときに摂ることが望ましいでしょう。これらは非常に栄養価が高い食品であるため、意識的に摂取することで体に大きな恩恵をもたらします」と語るのは、バイオトキシコロジストであり栄養学者、統合医療ヘルスコーチとしてThe White Doorに所属するリア・メータ博士(PhD)。言い換えれば、摂取する“タイミング”と“目的”を一致させることが重要だ。

正しい組み合わせを見極める

組み合わせによっては、ホルモンの状態、代謝、消化力、血糖値、活動レベルなどに影響を与える。体を活発に動かす人は、運動後に天然の糖質や脂質を効率よく利用できる。一方、座りがちな生活を送る人は、脂肪の蓄積を防ぐためにも、少量を朝のうちに摂取するのが望ましいだろう。

「ドライフルーツはグリセミック負荷(GL)が高いため、適量を守り、できれば朝や運動前に摂取するのがいいでしょう。対照的に、ナッツ類はグリセミック指数(GI)が低く、血糖値の安定化や急激な低下の防止に役立つため、いつでも摂取可能です」と認定栄養コーチでホリスティックウェルネス専門家のパヤル・ランガーは語る。

もちろん健康状態によっても摂取のタイミングは左右される。スポーツ栄養士ニコール・リナレス・ケディアは、月経過多に悩む人には鉄分豊富な浸水させたレーズンを朝に摂ることを推奨している。PMS(月経前症候群)の緩和には、マグネシウムを多く含むパンプキンシードやアーモンド、クルミを夕食時のスープに加えると効果が期待できるそうだ。

目的別、最適な摂取タイミング

  1. エネルギー補給/朝・午後・運動前に即効性あるナッツを

    エネルギー補給が目的であれば、朝、午後、運動前など、いずれも適したタイミングといえる。「アーモンドとクルミは朝に安定したエネルギーを供給し、デーツやピスタチオは運動前の即効性のあるエネルギー源とするのに最適です。カシューナッツとレーズンは、午後の集中力低下を乗り切るための脳の活性化にも役立ちます」とランガーは述べる。また、即効性を求めるならデーツ、レーズン、アプリコット、イチジクなどが適している。さらに持久力を維持したい場合は、アーモンド、クルミ、カシューナッツなど、良質な脂質とタンパク質を含むナッツ類が有効である。
  2. 体重管理/朝に摂って代謝をサポート

    体重管理に繋げるのならば、アーモンド、クルミ、そして浸水させたレーズンは、朝一番または午前中の早い時間に摂取することが望ましい。これは代謝を活性化させる時間を十分に確保するためである。「ナッツバターは、午前10時前後や午後3時前後に摂ると、血糖値の急降下を防ぎつつ空腹感を抑えるのに役立ちます。ただし、摂取量には注意すべきです。そしてドライフルーツを夜遅くに摂るのは避けてください」とメータ博士は忠告する。
  3. 消化の健康/繊維質は朝、軽めのものは夜に

    「プルーン、イチジク、レーズン、アーモンドなどの食物繊維が豊富な食品は、朝に摂取することで排便や消化を助けます。一方、夜は膨満感を防ぐために、浸水させたアプリコットやクルミなど、比較的軽めの繊維を含むものが適しているでしょう」とケディアは説明する。ただし、彼女は、夜間には代謝が低下するため、ドライフルーツやナッツの摂取が膨満感や消化不良につながる可能性があると警告する。ドライフルーツに含まれる天然の糖分が腸内で発酵し、ガスや不快感を引き起こす場合があるためだ。
  4. 睡眠の質/ナッツとメラトニンの相乗効果で快眠へ

    特定の食品は、マグネシウムを豊富に含むナッツ類と相乗的に作用し、リラクゼーションやメラトニンの生成、そして睡眠の質の向上に貢献する。ケディアは、トリプトファンを含む牛乳に砕いたピスタチオやアーモンドを加える方法を推奨している。トリプトファンはメラトニンの分泌を促進してくれる。他にも、ビタミンB6とカリウムを含むバナナと一緒にアーモンドやクルミを摂ると、天然の筋弛緩作用が得られる。また、ダークチェリーとナッツを組み合わせることで、メラトニンの生成も助けてくれる。「ただし、ハチミツ漬けやチョコレートコーティングされたナッツのように、糖分を多く含むものは、エネルギーの急上昇を引き起こすため避けるべきです。また、塩分の多いナッツは脱水やナトリウム過剰につながり、カフェイン入りのナッツはメラトニンの分泌を妨げ、睡眠リズムに悪影響を与えます」と彼女は警鐘を鳴らす。

毎日の何気ないひと口が、一日の体調を左右することも。それぞれのライフスタイルに合わせて、健康的に摂り入れてみては。

Text: Faye Remedios Translation: Mika Mukaiyama

FROM VOGUE.IN

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