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【化粧品の価格の理由】デパコスはなぜ高級?プチプラでも高機能なのはなぜ?

  • 2025.6.26
教えてくれたのは……

化粧品処方開発者

ぽんかんさん

化粧品メーカーにてスキンケア製品の処方開発を手掛ける、現役の研究者。メーカーとユーザー、どちらにも寄らない中立の立場から情報を発信。客観的で冷静なコメントは信頼できると、Xで大人気!
X:@cosmeresearch

ズバリ、なぜデパコススキンケアは高級なのか

ぽんかんさん

みなさんが気になるであろう、化粧品とお金の関係。高ければいい、安いものは効果がないというわけではないですし、高級なものには値段なりの理由があります。


理由1:独自成分で肌悩みの解決&ブランドのオリジナリティーを出すため

ぽんかんさん

化粧品は、ただ狙った効果のための原料を混ぜて発売しているわけではありません。高級なデパコスとなると、肌悩みにしっかりとアプローチし高い効果を出すのはもちろん、ブランド独自の世界観にマッチした特別感を付与するために、メーカー独自の成分やエキスを開発して配合することもあります。そのため、原料の選定、新規成分の開発、基剤(ベース成分)の新技術開発など、消費者に最新かつより良いものを届けるために何年もかけて膨大なお金を使っていろいろな方面から日々研究されています。新規成分をつくるためには、原料探しから始まり、効果検証のためのデータの取得など製品を販売するよりずっと前からさまざまな道のりを経ており、デパコスの場合、開発から発売するまで数年~10年かかることも。どうしてもこの過程にコストがかかってしまいます。ただの原材料のコストだけではないんです。とはいえ、そのデパコス独自のオリジナリティーや魅力を形作るためには必要なものですし、購入者が納得できるだけの効果を出すためには重要な過程です。


理由2:良いものをより多くの人に届けるため

ぽんかんさん

良い製品を多くの人の手元に届けるためにはある程度広告の力が重要です。化粧品の原料のコストと言うものは、大量生産できる原料の方が価格も安くなります。つまり、いくら独自成分をつくりだしても、使用する量が少量ではどうしても原料コストが高くなります。結果的に、広告の力を借りて多くの人に届ける想定で原料を仕入れて製造する方が(あえて広告にお金をかけた方が)、トータルでかかるコストが安く済むことだってあるんです。良いものを多くの人に使ってもらうには、まずは知ってもらうことから始まります


理由3:使い続けてもらうため

ぽんかんさん

化粧品で効果を実感するために一番大切なことは、使い続けること。どんなにいい成分が入っている製品でも使い続けないとメーカーが狙った効果は発揮されません。価格が高いデパコスではなおさら、毎日ワクワクして使っていただけるようにテンションが上がる容器や感触、香りなどにこだわる必要があります。また、高い品質を保つために容器にもコストをかけます(例:不安定なレチノールが配合された製品は、遮光された、空気に触れにくいエアレス容器が使われることが多い。)使い続けて効果を実感していただくため、安全に最後まで使い切っていただくためのコストも化粧品にはかかります。


プチプラコスメが価格を抑えながらも高機能なものを発売できるのはなぜ?

ぽんかんさん

大手メーカーの最先端技術は、はじめに高価格帯の製品に反映されることが多いですが、何年か経つと、同メーカーのプチプラコスメにも同じような技術を搭載したアイテムが発売されることがあります。これは、品質や原料のグレードを下げているわけではなく、デパコスブランドと同じ研究所・工場で同様の高い品質のままに、手に取りやすい価格帯で発売されているケースで、とてもお買い得です。
日本の化粧品技術の進歩はすさまじく、技術革新が進めば進むほど値段を抑えながら品質が良いものをつくりだすことができます。長年化粧品処方に携わっていますが、日本のプチプラコスメは、品質のレベルが年々上がっていると実感しています。


“ジェネリックコスメ”の本当のところ

ぽんかんさん

SNSでたびたび話題に上がる、ジェネリックコスメ。「このプチプラとデパコスは有効成分が同じ!」といった投稿がよくバズっていますが、化粧品処方開発者としては、「使っているメインどころの成分が同じでも製品としての効果が同じとは限らない」ということを知っておいていただきたいです。キー成分が同じとはいえ、それ以外の成分は別のものが配合されていることで、処方によってキー成分の浸透や刺激性など効果や安全性の面が当然変わってくるため一概に“ジェネリック”とは言い切れないのです。


イラスト/もちづきいずみ 取材・文・構成/剱持百香

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