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「イラクの月は日本と違う」日本人自衛官の実体験をもとにした記録作品に「すごい迫力」

  • 2025.9.30

出会いをぜんぶ、マンガにするマンガ家、つのだ ふむ(@tsunoda_fumm)さん。地方移住の実録や家族の病気など、印象的な画風とインパクトのあるエピソードを、X(旧Twitter)で発信しています。

今回は、イラク戦争に派遣された日本人自衛官の実体験をもとにした記録作品。戦地の緊張と、ふとした瞬間に感じる“日本との違いと共通点”が対比的に描かれます。

戦場での静かな観察

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X(旧Twitter):つのだ ふむ(@tsunoda_fumm

イラクの夜空に浮かぶ月は、日本とは異なる形をしています。けれど耳に届くカエルの合唱は、不思議なほど日本と同じ。ヘルメット姿の兵士が煙草をくわえ、静かにその光景を見つめる姿には、戦場にありながらも一瞬の安らぎを感じさせます。

しかし次の瞬間、視界を横切ったのは驚くほど大きなトンボ。「でか…」とつぶやかずにはいられないサイズ感です。いっぽうで、列を組んで歩く蟻の大群は日本とまったく変わらず、思わず妙な親近感を覚えます。

空を見上げれば、聞き慣れない鳴き声をあげる鳥たちが飛び交い、夜の不気味さをいっそう増幅させる。砂嵐も灼熱の暑さも、まだ体験してはいない。それでも、これからどんな未知が待ち構えているのか、胸の奥の緊張感は拭えません。

やがて、無線から鋭い声が響きます。

「ロケット弾1発、攻撃9回目、20発目!」

空気が一変し、兵士は小さくつぶやきました。

「さあ、現実に戻るか」

日本で慣れ親しんだ“日常”の断片を異国に見出しながらも、立っているのは紛れもない戦場。その皮肉すぎる現実が、自衛官の心に重くのしかかるーー。そんな緊迫の一夜を切り取ったエピソードです。

投稿元には「すごい迫力」「(難しいテーマをマンガにすることに対して)尊敬です!」などのコメントが寄せられていました。

X(旧Twitter):つのだ ふむ(@tsunoda_fumm