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どこかで会ったことあるかも……? モデルChiharuが初対面で感じた、特別な存在【私たちのパートナーシップ Vol.7・前編】

  • 2025.6.21

パートナーシップにおいて、大なり小なり何かしらの悩みや不安を抱えている人は少なくはない。私たちはときに価値観のずれに悩んだり、伝統的な家族観や固定観念に囚われたり、ちいさなボタンのかけ違いによって大切なものを見失ってしまうなどして、自由で豊かなパートナーシップの本質がわからなくなってしまうときがある。こうした中、さまざまなかたちのパートナーシップを営む人々の等身大の物語は、肩に入った力を抜き、前を向いて歩むヒントとなるはず。

本連載に登場する7組目のカップルは、今年5月23日にニューヨーク・ロングアイランドシティで結婚式を挙げた、モデルのチハル(Chiharu)と夫のダニエル(Daniel)。19世紀に建てられた歴史ある建物を丁寧に修復した「The Foundry」での挙式は、インダストリアルな趣と緑あふれる空間が美しく調和し、ふたりの自然体な魅力を引き立てる。前編では、支え合い、尊重し合うふたりが日々のなかで影響し合っていること、大切にしていることなどについて語ってくれた。そして後編では、結婚式の衣装や指輪にまつわる舞台裏、そしてこれから描いていきたい未来について話を聞いた。

初デートで5〜6時間しゃべり続け、将来や子どものことまで語り合った

──ご結婚、おめでとうございます。写真からも、おふたりの自然体なやさしさと美しさがとても伝わってきました。早速ですが、お二人の出会いのエピソードからうかがってもいいですか?

Daniel 私たちはマッチングアプリで出会いました。僕からメッセージを送って、会う流れになって、最初のデートはニューヨークのビアガーデンでした。でも初めてのデートで渋滞に巻き込まれ、約40分遅れてしまって……。

Chiharu 最初は「5分遅れます」ってメッセージがきて、5分後にまた「今、駐車場探してます」って。さらに10分後にも「あと10分くらい」って……どんどん遅くなっていくから、「本当に来るの?」って思い始めちゃって(笑)。もう帰ろうと思い友達に電話したら、「連絡してきてるなら、もうちょっと待ってみたら?」と言われて、もう少しだけ待つことにしました。

Daniel 引きとめてくれたChiharuの友達に感謝です。実は友人からChiharuがいかに有名なモデルかを聞いていたので、もしかしたら彼女の写真を使った詐欺かもしれない、ってどこかで思っていて。なので、一度彼女の座っているところを通り過ぎてから確認しました(笑)。

──遅れてしまったことを除いて、お互いの第一印象は?

Daniel 当然だけれど、美しい人だなって思いました。

Chiharu 不思議な感覚なのですが、彼に会った瞬間に「どこかで会ったことあるかも?」って思ったんです。初対面なのに自然にいろんな話ができて、結局初デートで5~6時間しゃべり続け、将来のこととか、子どもを持つことについてまで話しました。

Daniel ニューヨークのデートって、普通はコーヒー1杯くらいで終わることが多いんです。でも、将来どうなっていたいか、どんな人生を送りたいか……自然にそういう話になりました。僕は普段あまり初対面の人と話すのが得意なタイプじゃないのですが、本当にスムーズに会話ができて、すごく特別な出会いだったと思います。

Chiharu それが2020年8月のこと。そして正式に付き合い始めたのが9月12日で、一緒に住み始めたのは2年半前くらいからです。

──おふたりは、日々の暮らしの中でどんなふうに支え合っていますか?お仕事の面でも、何か意識していることがあれば教えてください。

Daniel 日常の小さなことを大切に、お互いのことを常に気にかけるようにしています。たとえば、朝起きてからコーヒーを彼女が淹れて、僕が朝食を作る。できるほうが自然とやる感じ。あと、彼女は僕に栄養バランスのいい、いわゆる“お弁当箱スタイル”のランチを用意してくれて、すごくありがたいです。自分は病院で働いていて食べる時間があまりなく、付き合う前は毎日ファストフードばかり。10分でご飯を買って、5分で食べるという状況でした。

Chiharu ある日、「今日何食べたの?」って聞いたら、「ツナ缶」って言われて……。私の母は、父や兄、私にもずっとお弁当を作ってくれていたので、私も自然とそういうふうにしたくなって。私は料理も好きだし、彼にちゃんとしたものを食べてほしいから、ウィンウィンです。

Daniel さらに僕にとってボーナスなのが、彼女の作ってくれる夜ごはん。自分も夕食を作ることもありますが、パスタくらい。

Chiharu 彼のパスタ、おいしいですよ。

Daniel あとは、彼女を空港まで送ったり、撮影のあとに迎えに行ったり……そういう日々の小さなことでも支えあい、思いやりを表現することが大事なのかなと感じています。

Chiharu ファッションウィークのとき、朝から何も食べられなくて、夜のショーが終わって家に帰ったらもう21時半。翌朝もショーがあったので重たい食事は避けたく、彼が私のために軽い夜食を作ってくれていました。きゅうりをハート型にカットしてくれていて、すごくかわいかったです。

互いの頑固さを“心を開く力”に変えることができた

──ともに時間を過ごすようになってから、自分の中で変化したことはありますか。

Daniel 僕はすごく成長できたと思っています。以前よりも相手のことを思いやるようになったし、自分中心に物事を考えなくなった。波があって当然だけど、少しずつふたりなりのバランスの取り方を見つけられてきた気がします。

Chiharu 私は、彼から「待つこと」を学びました。彼はすごく忍耐強くて、そこはすごく尊敬してるところ。

Daniel それはたぶん仕事で習得したスキルかもしれない。だから、感情が高ぶったときも、「ちょっと一旦休憩しよう」と時間をおいて、冷静になってから話し合うようにしています。

Chiharu 私はケンカしたまま寝たくないので、できるだけその日のうちに解決したい。寝る前だったとしても、「はい、言いたいこと全部言った!じゃあ次行こう!」みたいな。でも最初のころは、彼はそのスタイルに慣れなくて。

Daniel 僕は、かつては感情をどんどん溜めていくタイプだったんです。でも彼女と出会ってからは、自分の気持ちを言葉にする練習ができたと思います。今では、彼女が「話そう」と言えば、きちんと向き合ってお互いの考えを言い合えるようになってきました。

Chiharu あと、私にとって英語は第二言語なので、ただ互いに誤解していることもあります。だから、「これはこういう意味で言ったんだよ」と話すと解決することも多い。勝手に決めつけないで、ちゃんと本人に聞くこと。そこに気をつけるだけでも、関係性はすごくよくなっていくと思います。

Daniel 多くのカップルにとって、ケンカの原因のほとんどは、誤解やすれ違いから生まれていると思います。だからこそ、僕たちは相手の「そのときの気持ち」や「どうしてそうなったか」をちゃんと聞くようにしています。最初は本当に難しかったけどね。ふたりとも頑固な性格だから(笑)。でも、今はその頑固さを“心を開く力”に変えられてきたかな。ちゃんと話し合って、怖がらずに思っていることを共有することが、本当に大事だと気づきました。

──ライフスタイルやファッションにも、影響し合っている実感はありますか?

Chiharu 彼と出会ったころは、ロングアイランドの“ザ・郊外男子”って感じのスタイルで。

Daniel プレッピー寄りな感じ。でも彼女と付き合ってから、ファッションのセンスはかなり磨かれたと思います。僕はコーディネートするのに圧倒的に時間がかかり、色々組み合わせて彼女の意見を聞いています。

Chiharu なので、“ダンのミニファッションショー”が、出かける前や買い物帰りの恒例となりつつあります。

Daniel あと、年齢を重ねるにつれて、ふたりともセルフケアへの意識が高くなってきたと思います。たとえばスキンケアや食事、体調管理とか。僕が新しいスキンケアを試してよかったら、彼女にもシェアしたり。

Chiharu そうですね。最近彼の体型も少し気になり始めたので、結婚式前のダイエットとしても、家で一緒にヨガをしたりピラティスに誘ったりしてました。

>> 後編に続く

Photos: Nick Krasznai Text&Interview: Mina Oba Editor: Mayumi Numao

モデルのChiharu、ウエディングパーティー
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