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トランプ政権の移民政策に抗議。米NYの「ノー・キングス」デモに参加し、抵抗を示した人々

  • 2025.6.20

6月14日、米ニューヨーク・マンハッタンで行われた「ノー・キングス(王様はいらない)」をスローガンに掲げたデモ行進。天候は荒れ小雨が降り続くなか、数万人のニューヨーカーがブライアント・パークからマディソン・スクエア・パークまでの15ブロックを行進し、トランプ政権の移民政策に抗議。国旗記念日、アメリカ陸軍創設250周年、そしてドナルド・トランプ大統領の79回目の誕生日であるこの日、抗議活動は全米50州のおよそ2000カ所に広がりをみせ、波紋を広げた。

「肌の色や信条を問わず、多くの人たちが肩を並べて憎悪に立ち向かう姿を見ると、心が躍ります」「私たちは共感と慈悲の心を持つ集団。世界に私たちの姿を見せつけたいです」とファッションデザイナーのウィリー・チャバリア。雨天のため、参加者たちはレインジャケットやレインブーツなどの着用を余儀なくされたものの、ここはニューヨーク。そんな悪天候においても、その瞬間をファッショナブルに楽しむ人々がいた。スーパーマリオブラザーズのキャラクター、ルイージのコスチュームを着た参加者は、「億万長者はご用心……」と書かれたプラカードを掲げ、別の参加者は(インスピレーション源は定かでないものの)マリー・アントワネットとトランプ大統領をかけ合わせたような格好で現れた。

ほかの場所では、今絶大な人気を誇るラブブ(Labubu)人形が勢揃い。多くの人がバックパックやバッグのチャームとして身につけた。何人かのセレブリティも行進に参加し、その一人であるグレイシー・エイブラムスは「Know Your Rights(自分の権利を知ろう)」とインスタグラムでシェア。友人のリチャード・カインドと並んで歩く姿も投稿した。

ゆっくりとした行進のペースだが、連帯のエネルギーは力強い。群衆はブラスバンドの演奏とともに「これが民主主義の姿だ!」や「王様はいらない!」とシュプレヒコールを続ける。2017年のウィメンズ・マーチを彷彿とさせる雰囲気がある一方、現在の政治、そして社会がおかれた特異な状況に抵抗する意思とその重要性が明確に感じられた。ロサンゼルスでは、ICE(米国移民関税執行局)による強制送還に反対する抗議活動が2週目に突入。ホワイトハウスは治安維持のためとして海兵隊と州兵を動員し、物議を醸している。マンハッタンの行進参加者たちは、自分たちが誰のために闘っているのかをはっきりと理解していた。それは、ニューヨーク市の公立高校に通う生徒として初めてICEに拘束されたベネズエラ出身の20歳、ディランのような人々のためにだ。ディランは行進の3日前、母親と一緒にいるところを私服で現れたICE職員に逮捕されている。

当日、行進に参加した写真家のサブリナ・サンティアゴが撮影した写真とともに、「ノー・キングス」デモを振り返り、さらなる抗議を呼びかける。

Text: Margaux Anbouba Adaptation: Nanami Kobayashi

From: VOGUE

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