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プロテインって本当にヘルシーなの? 適切に飲むための注意点を栄養のプロが解説

  • 2025.6.17

プロテインの適切な摂取方法とは

soybeans and protein powder

タンパク質が私たちの体にとって最も重要な栄養素のひとつであることは周知の事実。ではなぜ、そんなタンパク質が今改めて話題となっているのだろうか? その理由は、驚きの新発見があったからでも、ソーシャルメディアで奇妙な議論の的になっているからでもない。人々がより健康な体づくりに取り組むにつれ、タンパク質を十分に摂取できる方法を積極的に模索しているからだ。栄養士のローレン・マナカーは、世間の動きをこう見ている。

「インフルエンサーやウェルネス提唱者たちが、ホルモンバランス、エネルギーレベル、疲労回復にタンパク質がどのような影響を与えるか声高に語っています。(SNSを通して)より多くの人々の好奇心がかき立てられているのでしょう。タンパク質は、まさに今注目の主要栄養素です」

アミノ酸から成るタンパク質は、筋肉の修復や増強、減量、免疫サポート、ホルモン調整といった身体機能に必要で、牛肉や鶏肉、魚、乳製品、卵などの動物性食品、または、豆類やナッツ類などの植物性食品に多く含まれている。ところが、食事だけから十分な量のタンパク質を摂取するのは難しいと感じる人は多い。そんなとき頼りなるのが、プロテインだ。

「タンパク質を十分に摂取するのは、計画的にも時間的にも難しいですよね」と語るのは、米マウントサイナイ病院の外来栄養指導ディレクターで看護師のサマンサ・ディエラス。「消費者が理想量のタンパク質をより簡単に摂取できるよう、企業は製品を作っているのです。一般の人々も、レシピを試行錯誤しています」

プロテインは目的に合わせた摂取を

液体プロテインの選択肢は豊富にあるが、マナカーは自分の健康目標に合わせたチョイスを勧めている。「筋肉をつけたいのか、体重を管理したいのか。あるいは単純に、1日に必要なタンパク質を確保したいのか。それぞれの目的によって、プロテインを飲む量やそのタイプが変わります」

プロテインを飲み始める前に、自分の食生活やライフスタイルを総合的に評価し直すことがキーとなる。すでにタンパク質の豊富な食事を日常的にとっていれば問題ないが、そうでない人にとっては、液体プロテインが役立つことも。しかし、成分表示をよく読んで理解するようディエラスは強く勧めている。

液体プロテインから得られる効果は、原材料や摂取量によって異なる可能性があるとマナカーは付け加える。「ホエイ、植物性、コラーゲンなど、原材料によって必須アミノ酸や栄養素のレベルも異なり、それが個々の目標達成にどれだけ効果的であるかに影響します。また、タンパク質の摂取量は、食事のニーズや活動レベルに合わせて調整する必要があります」

プロテインは“完全食”ではない

プロテインドリンクには、考慮すべき点もある。砂糖とカロリーが付随する点、胃腸障害、そして高度に加工されているため、金属や汚染物質が含まれている可能性などをディエラスは挙げる。プロテインドリンクは“完全食”として扱うのではなく、自然食品を豊富に含んだ健康的な食事の“補助”として取り入れるのがいいだろう。

コラーゲンプロテインという選択肢

コラーゲンもタンパク質の一種。ディエラスによれば、コラーゲンは美容サプリメントとしてよく飲まれており、肌に潤いを与え、ハリと弾力を保つという研究結果が出ている。バランスの取れた食事、規則正しいスキンケア、そして全体的に健康的なライフスタイルにコラーゲンをプラスすることで、肌改善の効果は期待できる。

コラーゲンの効果を引き出すには、1日に適切な量を摂取することが重要だとマナカーは念を押す。また、摂取するコラーゲンの形状も考慮したい。コラーゲンを加水分解したコラーゲンペプチドは体に吸収されやすく、利用しやすいが、最も重要なのは一貫性。「変化を実感したければ。長期間にわたり毎日摂取するのが大切です」

プロテインの安全性

Selection of food for weight loss

プロテインを飲むなら「安全でクリーンなもの」を誰もが望むはずだが、そこが意外と難しい。というのも、プロテインの「クリーンな基準」は存在せず、ブランドの定義はあなたが望む(あるいは必要とする)基準には合わないかもしれないからだ。「この製品はクリーンです、と主張することは誰にでもできます。“他製品と比べて”クリーンなだけ、都合よく作られた個々の定義に沿っているだけ……ということもおおいにありえます」とディエラスは注意を促す。「できるだけ、食事から十分なタンパク質を得るようにしましょう。それが難しい場合、成分や製造方法に安心できるサプリメントを選んでください」

最近はプロテイン飲料に含まれる乳化剤とがんリスクの上昇との関係を示す研究も出ているが、ディエラスいわくまだ心配には及ばないそう。「要旨は相関関係について触れており、因果関係に言及しているわけではありません」と説明する。「乳化剤やカラギーナン、脂肪酸のモノ・ジグリセリドの摂取量が多い点が、がんの原因になるとは明言できません。ただ、これらを食べている人は、特定のがんを発症する可能性が高いことはわかりました。食事や環境など、ほかにも原因があるかもしれません」

第三者機関認証の製品を選ぼう

原材料が高品質で砂糖添加量を最小限に抑えている製品を選ぶこと、1食あたりの適切なタンパク質量を定めることが重要だと、マナカーは強調する。米国食品医薬品局(FDA)はプロテイン製品に規定を設けていないため、ディエラスは第三者機関が検査したブランドや製品を選ぶよう勧めている。「どの成分が最も重要かそれぞれ判断し、ガイドラインを満たす製品を選びましょう」

専門家を頼ろう

健康や食事に関わることなら何でも、医療や栄養の専門家に質問するのがいちばん。あなたに最適なタンパク源や、健康目標の達成に必要な摂取量についてわからないことがあれば、プロの指示を仰ごう。

Text: Audrey Noble Translation: Rikako Takahashi

From VOGUE.COM

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